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時を超える鳥たち  作者: ハインド
第1章 ハワイ事変編
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第4話 イグレット隊

大変長らくお待たせしました。


 ゴウン、ゴウンと音を立てて格納庫の扉が開いてゆく。

 格納庫には、主翼を折りたたんだ戦闘機が18機佇んでいた。単座と複座で若干形がが異なっていた。

 縦に細長い胴体に、外側に傾いた垂直尾翼。格納状態で途中で折れ曲がっているが、根本部分から伸びている主翼はとても直線的で、申し訳程度に与えられた後退角も相まって、まるで剣のように見える。コックピットの真下には、主翼の根本手前まで伸びるカナード翼があまり大きく無いながらも、独特の存在感を放っていた。

 違うところは単座機はエンジンが大型で単発。複座機はエンジンが小さく双発であること位だった。

 アルベルをはじめ、格納庫に入ってきた隊員は機体をみて圧倒された。

 どこか見たことあるデザインながらも、斬新でユニークな特徴のオンパレード。しかも全てが新品なのであるのだから。


「XF-38、コードネームSeasnake(シースネーク)。多くの新システムとコストダウン、弾薬キャリアーと機体性能の両立をコンセプトに開発した機体の先行量産機だ」


 突然声が聞こえ後ろを向くと、スーツを着た男が一人、軍服を着たガタイの良い男が一人立っていた。


「突然話しかけてすまない。私は諸君らが配属される第11国連空母艦隊所属、空母コンステレーションの艦長であるケビン・ロックスと」


「メーカーから専属整備及びデータ収集を行うよう依頼を受けた、国防省管轄 軍技術研究所航空技術課所属、アマダス・レイリー軍曹です。挨拶と説明に参りました」


 全員がその場で敬礼をするとロックスとレイリーが敬礼で返す。空母コンステレーションは近々実戦配備される新型空母の一番艦だ。[コンステレーション]の名前を持つ軍艦としては4代目である。運用計画がしばらくはっきりとせず、何処に配属されるかもはっきりしない空母であったがやっと決まったようであった。


「では、レイリ―軍曹。後は頼む。私は次の部隊を見てくる」


 レイリ―軍曹は軽く敬礼をしてこちらを向く。


「それでは早速ですが、この機体についての説明を行います。この機体はXF-38、コードネームSeasnake(シースネーク)。航空機メーカー、 LANGRIDGE(ラングリッジ) AIR(エア) SYSTEM(システム)が合衆国の航空機メーカーと共同で開発した海軍用空母艦載機選定機です」


 LANGRIDGE(ラングリッジ) AIR(エア) SYSTEM(システム)…、ここ5年の間に勢力を伸ばしつつある新興企業。(コストが)安い、(納品が)早い、(既存技術の組み合わせだから)信頼できる、を売り文句に活動している。アルベル曰く、何か色々隠していることが見え見えだからあまり使いたくない。


「今回の選定においての重要事項は、コスト、火器積載量と格闘性能の両立。この二つです。この機体おいては2タイプのものを用意し選定とは別観点で新システムの導入もしています。F/A-18を基に再設計。主翼を大型化かつ後退角を直線に近づけ、揚力量を増やしています。その分弾薬積載量が増加され、旋回性能の向上されました。カナード翼の追加も、揚力増加と旋回性能向上のためです。エンジンに関しましては、現行エンジンではなく新規設計の試作機で燃費の向上及び推力の増加がなされています。デメリットといたしましては揚力増加に伴い速度が出ないこと、旋回性能の向上により操縦がベースとなったF/A-18よりもピーキーとなる点です」


 淡々と話をするレイリ―軍曹。その話に一人割って入る者がいた。


「速度が出ないと言いますが、どれぐらい出ないのですか?」


 集団の後ろで手を挙げながら疑問を口にする人物がいた。その人物は、手を挙げながら集団の中をかき分けながら前へ出てきた。


「おっと…失礼しました。私はアメリカ海軍第11国連空母艦隊所属、クロエ・カーター准尉であります」


 自身の名を告げながらブロンドヘアを後頭部で一つにまとめた肌の白い女性が出てきた。出てきたのだが…


「「カーター准尉?「あの?「カーター准尉ってあの、ヘリコプター乗りの?「陸軍に居たんじゃないのか?「海軍に来たとは聞いていたが…「Jaws(ジョーズ)…本当に存在していたのか…」」


 部隊の集団の中からヒソヒソと話声が上がる。Jaws(ジョーズ)…、TACネームだろうか。どこかで聞いた事があるような、とアルベルは思案を巡らせたがこの場で思い出すことが出来なかった。


「兵装積載量によりますが、最大積載で最高マッハ1.2、積載なしで最高マッハ2.1ぐらいですね。機体強度ではマッハ2.6になっていますが相当な高度から降下でないと機体構造的に出ないかと。巡航速度は800㎞から900㎞…まあ旅客機と同じぐらいです」


 レイリ―の説明を聞き、なにやらブツブツとつぶやいたあと、了解しましたと敬礼をして集団の後ろに戻って行った。


「あとは、機器小型化によるレーダー装置の増設、通信機器の一新、火器管制システムのテストです。なのですが…」


 レイリ―が言いどもった。


「何か問題があるのか?」


 すかさずアルベルが問いかける。


「ええと…問題ではありません。少々特殊なんです」


「特殊…とは?」


「新しい火器管制システムは、基本はただの最新型の管制システムなんです。ですがある条件で火器管制システムではなくなります」


 難しい顔をするレイリ―に隊員達は顔をしかめた。それもそうだ。これから命を託して乗るマシンを前に直接造った者ではないものの、携わっている者に難しい顔をされたのではたまったものではない。

 隊員達の頭を、不安と疑心感が支配した。アルベルも不安に思ったが、これから部下になる者たちの雰囲気を感じ取った彼は不安や疑心感を振り払うように話しを進めようとした。


「その条件とは?」


「シースネークの火器管制システムは、どの様な兵装でもすぐ取り付け使用できるよう、過去の機体をはるかに超える搭載量を誇ります。目的はマルチローラーとしての汎用性、もう一つはミサイルキャリアとしての役目。飽和攻撃時などの同時攻撃に使えるよう、特定の機体、施設が各機体を遠隔コントロールします。その間火器管制システムは、火器管制兼機体コントロールシステムとなるのです。その間パイロットは機体の一切をコントロールできません」


「という事は特定の機体、施設がシースネークにアクセスすることで機体の操縦から火器管制まで遠隔操作出来るという事か…。で、その特定の機体、施設というのは?」


 アルベルが聞き返す。


「戦闘の行われている空域、もしくは当該空域の状況を把握し細かな指示を出す早期警戒空中管制機、当該機の所属する司令部、そしてもう一つ。」


「複座のシースネークの一機…XEF/A-38、アルベル中尉、カーター准尉…お二人が乗る機体です」



お待たせしました。4月の始めとか言っておきながら、2週間も過ぎ半ばになってしまいました。待っていただいた方々、チマチマ見に来ていた方々、大変申し訳ございませんでした。同時に、いつも気にかけていただき嬉しい限りです。新年度も始まり多くの方が忙しくなると思います。私も例外ではありません。今後もしかしたら今回以上に更新が遅くなる時があるかもしれません。そんな時は、作者も忙しいのか?と思ってください。あながち間違いではないです。もしくは大体キャラクターの名前で悩んでます。ですのでなかなか更新されないときは、気長に待って見てください。きっと忘れたころに更新されてます。

Twitterも一応やってます、名前がクラカヂールとなっていますが。進捗やなんてことはないつぶやきが載っています。よろしければこちらもお暇があればどうぞ。

それでは皆様、次回は第5話です。

皆様の心にちょっとしたワクワクを!ハインドでした。

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