↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドラゴニックプラネット  作者: 未羊


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
33/39

第33話 新たな能力、新たな仲間

 夕方になるとアーツたちが航宙船に戻ってくる。


「戻ったぞ、ニック」


「お帰りなさい。どうでしたか、探索」


 出迎えたニックは、アーツたちに結果を早速尋ねている。

 アーツやレンクスはあまり芳しくない顔をしていたので、結果はどうもよろしくないようだ。


「これといった新しい情報はなしだったぜ」


「そっかぁ……」


 レンクスの報告に、ニックは残念そうな表情を浮かべている。


「ニック」


 ブランから声をかけられると、ニックは声に反応して振り向く。


「どうしたのですか、ブラン」


「ノワールが見つけたんだけど、こういうのでいいのかしら」


「これは……」


 ブランが差し出したのは、小さいけれど間違いなく金属片だった。これにはニックは嬉しそうな顔をしている。


「うん、ありがとう。これで僕もみんなの役に立てますよ」


「えっ?」


 ブランだけではなく、隣にいたクロノも驚いている。


「ちょっと見てて下さいね」


 ニックは手に持った小さな金属に向かって、何か念のようなものを込めている。

 これにはなにごとかとアーツたちも視線を向けている。

 ニックがより一層力を込めた時だった。


 ポンッ!


 音を立てて金属が何かに変化した。


「なに、この四角い板は……」


「てか、どこから出したよ、それ」


 アーツたちが驚いている。

 その様子を見たニックは満足げに笑みを浮かべている。


「僕の能力ですよ。僕はどうやら、金属を好きな形に変えられるようなんです」


「な、なんだって?!」


「てことは何か? この航宙船の部品も好きなようにいじれるのか?」


「それはやめてくれ」


 レンクスが興奮気味にニックに言うと、アーツがすかさず止めていた。

 さすがに航宙船を壊されるのはたまったものではないからだ。

 だが、ニックは首を横に振っていた。


「僕が変形できるのは、魔素のこもった金属限定ですね。航宙船の変形は既に試しましたが、うんともすんとも起こりませんでした」


 ニックが答えれば、アーツはほっと胸を撫で下ろしていた。航宙船を壊されると思ったからだろう。


「それじゃ、先日の金属片も変形できるのか?」


「いえ、あれは無理ですね。もう魔素がありませんし、変えちゃいけない気がするんです」


「そうか……」


 ちょっとがっくりするレンクスである。


「でも、魔素のこもった金属があれば、この航宙船を動かせるようになるかもしれませんね」


「壊さないでくれよ?」


「壊しませんよ。繋げて何か不具合が起きても困ります。ただ、この下の部分に車輪のついた台座を加えれば、動かすことは可能だと思うんです」


「……俺の能力か」


 ニックの話を聞いて、アーツは何かピンときたようである。

 その答えに、ニックはこくりと頷いていた。


「あの小さな金属片でもこれだけの盾に変形できるのなら、そんなに量は要らないかもしれないわね」


「でも、この航宙船、思ったより大きいわよ? この楯の何枚分が必要だと思うのよ」


「そ、そうね……」


 希望が出てきたものの、すぐに現実が追い打ちをかけてくる。

 現状、この星に転がっている金属はノワールたちにしか見つけられていない。見つけてくるだけでもひと苦労といったところなのだ。


「でもまあ、ニックも能力に目覚めたんだ。少しは前進してるってことで喜ぼうぜ」


「そ、そうね」


 アーツは楽観的に叫ぶものの、みんなはどうもそうではないようである。いまいち反応が悪い。


『いや、前進しているのは間違いない。この世界では魔素を操れるのは重要な要素だ。我らのこの念話も、主の魔素あってこそなのだ』


「そうなんだ。ノワールたちは魔素は操れるの?」


『無理だな。感じることはできるが、扱えない。それが俺たち虫とあのデカブツたちの差なんだよ』


 ブランの質問に、ヴェールはこのように答えている。隣のノワールも頷いているので、これはどうやら事実のようだった。


「ブラン、そいつらはなんて?」


「ノワールとヴェールは、魔素は感じられるけど扱えないんだって。だから、恐竜たちから隠れるようにして生活しているそうよ」


「なるほどな。それでこいつらは金属片を拾ってこれたってわけか」


 納得がいくアーツである。


 こうして、アーツたちには当面の目標ができた。

 この世界の探索範囲を広げるために、航宙船を自由に動けるように改良することだ。

 そのためにはノワールやヴェールの探索能力と、ニックの魔素金属を変形させる能力は不可欠だった。

 計画の上でニックは重要な立ち位置となったため、今まで通り航宙船で留守番をしてもらう。下手に外に出て恐竜の餌食にでもなれば、それは目も当てられた状況ではないからだ。

 その代わり、ノワールとヴェールを使役できるブランは探索においては主力。アーツとレンクスが護衛について近隣の探索を行う。


 計画が実行されて、一週間が経過する。

 ノワールたちには新たな仲間が加わった。どうやらスズメバチっぽく、オランジュと名付けられた。

 素早く飛び回り、強力な毒針を持つオランジュは、倒すことには苦戦した。だが、それが味方になれば、なんとも心強いものである。

 探索範囲も広がったので、アーツたちにはかなり多くの金属片が集まることになった。


「さあ、ニックに届けようぜ」


「おう!」


 ほくほくとした笑顔を浮かべ、アーツたちは航宙船へと戻っていったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。