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片思いカンパネラ  作者: 小説/赤月 イラスト/かくりね
23/34

22・私のカンパネラ2-2

 その日の部活は、いつもと同じなようで、でもどこか違った。

 

 それは、私が部活の後に告白するから緊張して・・だけでは無くて・・


 「ねえ、今日どうしたんだろう・・」

 「うん、おかしいよ・・目も合わせないし・・」

 先輩たちが先輩を見て言った。

 (確かに・・そうかも・・)

 いつも涼平先輩と先輩は一緒にいるし、二人で練習しているのに

 涼平先輩は窓際にいて外を見ながら発声練習しているし、先輩はピアノの椅子に座り音を確認しながら歌っている。

 「ええ?あの二人が喧嘩?初めてじゃない?」

 「何があったの?」

 女子部員が二人をチラチラ見ながら不安そうにしていた。

 私も、何があったのか気になるけど・・でも、二人の距離が離れているのは好都合だと思った。

 本当に私の気持を受け入れてくれるかもしれない。

 二人が喧嘩をしているなら、きっと落ち込んでいるだろうし

 私が慰めて距離を一気に縮めるチャンスだ。

 「先輩、ここのメロディー教えてください」

 先輩のもとへ駆け寄ると、ゆっくりと顔を上げて

 「・・良いよ・・どこ?」

 目を細めながら言ってくれた。

 「あの、ここなんですけど・・」

 楽譜を指さすと、鍵盤の上に指を乗せた。

 ポロンっと音が鳴りだし、旋律が音楽室に響く。

 (綺麗だな~・・)

 音を奏でる先輩の指を見て、そう思っていると

 「涼平~どうしたのよ~」

 後ろの方から声が聞こえた。

 振り返ると、涼平先輩と同じ三年先輩の矢中いつみ先輩だった。

 (あの二人・・前に噂になったって聞いたことあるな~・・)

 勿論、いつも一緒にいるのは拓海先輩だけど・・でも、私が入学する前に二人が噂になった事があると聞いた事がある。

 「どうもしないよ・・何だよ~」

 涼平先輩は、彼女を見て眉を下げながら笑った。

 その笑顔もどこか寂し気に見えた。

 「梅森さん、歌わないの?」

 「あっ!すみません!」

 拓海先輩の声にハッとして前に向き直った。

 その時・・・

 (あ・・・)

 先輩の表情を見て、ドキッとした。

 笑みを浮かべているのに、でも眉は顰められていて、どこか悲しそうに見えた。

 「先輩、もう一度お願いします」

 でも、私は気づかないふりをした。



 気付いてはいけない


 

 私は・・私の恋の為に頑張るんだ



 ・



 そして、練習が終わった後、他の部員が片付けを終えて帰っていくのを見送った。

 最後の鍵閉めはいつも拓海先輩と涼平先輩がしていたけど、今日は・・

 「涼平、鍵閉めは俺がやるから・・」

 「・・ああ・・そう?」

 気まずそうに頭を掻きながらチラッと私を見た

 何か言わないと・・と思っていると、ニコッと笑みを浮かべ

 「お疲れ」

 そう言って音楽室を出て行った。

 バタンっとドアが閉まった時

 「はあ・・」

 拓海先輩が小さく息を吐いた

 「あの・・先輩・・・」

 「ああ・・うん、話しがあるんだよね?」

 そう言ってニコッと笑ってくれた。

 「はい・・あの・・」


 心臓が飛び出しちゃいそうなくらい緊張して


 手も足も震えるし・・


 声も震えそうになるけど


 「先輩・・あの・・」

 「うん・・」

 私を見る先輩の顔が夕焼けに赤く染まって・・

 それが凄く綺麗で、カッコ良くて・・


 溢れ出した好きは、もう抑えることができない



 「・・・先輩・・好きです・・」



 お願いです



 私の好きを受け取ってください



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