弱い者イジメはやめましょう
登場人物が基本男性キャラクターばかりのため、読まれる方によっては、若干のボーイズラブ要素を感じてしまうかも知れません。
ご注意のほどよろしくお願いします。
家へ戻ると、早速烏天狗を召喚してみろと動物の姿に戻った四匹に言われる。俺は言われるがままにアプリを起動し、集めたキャラクターの一覧画面を開く。そこにはちゃんと萌えキャラの烏天狗が描かれており、俺は「召喚」のボタンをタップした。すると青龍達四匹が現れた時と同じ様に画面が光り、目が眩む。そして、背後でぼとり、という音がした。恐る恐る振り向くと、そこには烏が一羽、突然地面に落とされ、驚き慌て、羽や脚ををばたつかせて起き上がろうとしている姿があった。何の前触れも無く呼び出してしまった責任感か、それとも動物虐待をしてしまっているような罪悪感か、慌てて烏を抱き上げる。
「な、なんや、お前!?」
今度は急に抱き上げられた事に驚いたのか、烏が羽を使って俺を押しのけようとする。さらに驚かせたことに申し訳なくなり、慌てて床に降ろしてやると、烏はあっと言う間に青龍、白虎、朱雀、玄武の四匹に囲まれてしまう。とは言え、四匹も動物の姿になっているため、見た目的にはほのぼのとしたものに見える。しかし、会話が何とも物騒だった。
「烏天狗、貴方は今日から主の下僕です。これからは主に従いなさい」
青龍の言葉に烏天狗が何かを言おうと口を動かすも、遮る様に白虎が口を出す。
「弱い癖に俺に歯向かうからだねー」
やれやれと言うふうに白虎が首を振る。その言葉に、何か言い返そうとするも、
「敗者が従うのは当然だ」
と言って、玄武が睨みをきかせると烏天狗は黙ってしまった。
「これからは悪させずに主のために働けよ、下僕」
そして最期に朱雀が追い打ちをかけるように言い放つ。
その様子に俺は何だか烏天狗が可哀想になり、そっと抱き上げると眉間をマッサージする様に撫でる。
「お前ら、あんまり意地悪な事言うなよ。可哀想だろ?」
俺が烏天狗を庇う様にすると、青龍が冷静に言い返してくる。
「烏天狗はやり過ぎました。何百年も昔なら妖怪のいたずらで済んでいたかも知れません、しかし現代の日本で妖力を使うには、加減をしなければ。現に、烏天狗が出てきた交差点では事故が何度も起きていたのでしょう?」
青龍の正論に俺が叱られている気分になる。それでも、烏天狗がただの悪いやつには思えないから。
「でも、こいつはただ、時代について行けなかっただけで、やってる事は昔と変わらないんだろ?だったら、これからこの時代の事をきちんと教えて、やって良い事と悪い事を教えてやれば良いだろ?」
ぎゅっと烏天狗を腕の中で抱きしめると、烏天狗が頭を俺にすり寄せるように懐いてきた。
「お前、ええ奴やのぉ。わい、お前にやったら従ってもええわー」
素直に懐く烏の姿に、少し可愛いなと思い始めると、突然軍鶏と虎猫が烏を俺の腕の中から叩き落とす。
「な、何するねんお前ら!!」
突然の出来事に起こる烏、そして、俺の前に立ち塞がる軍鶏と虎猫。
「そう簡単に主に抱っこされて良いと思うなよー」
虎猫の言葉に軍鶏が続ける。
「あそこは俺達の場所だ。お前は電線にでも止まってろ」
どうやら二匹は俺に抱き上げられていた烏に焼きもちを焼いていたらしい。動物姿の時はなんとも可愛い奴らだ。
ぎゃいぎゃいと言い合いを続ける三匹をまとめて抱き上げ、イグアナと亀の側へと座り込む。
「お前らこれから一緒に暮らしていくんだから、仲良くしないとダメだぞ」
めっ、と人差し指を立て、まるで幼稚園児でも相手にするかのように叱ると五匹がしゅんとした表情をしているように見える。それから五匹を満遍なく撫でてやると、機嫌が直ったのかそれぞれに甘えてくる。
これからは動物五匹と暮らすことになるのか。また賑やかになりそうだ。
「あ、烏天狗はあんまり元の姿になるなよ。目立つから」
「なっ!?」
訳が分からないという様な烏だが、さすがに、人型に烏の頭はダメだろう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。これからも続けていきますのでよろしくお願いします。
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*登場するキャラクターの性格等は全てフィクションであり、作者の書きやすいように作られたものです。




