妖怪にも方言があるようです
登場人物が基本男性キャラクターばかりのため、読まれる方によっては、若干のボーイズラブ要素を感じてしまうかも知れません。
ご注意下のほどよろしくお願いします。
深夜、人通りの少なくなった交差点。時折通る車をぼんやりと眺める。
「それで、来たのはいいけど」
俺は何をしたらいいのやら。
人型の四人をちらりと見やる。何かを探るような、ピリピリとした雰囲気が漂う。
その時、不意に携帯のアプリの起動音が鳴り、ポケットの中から不思議な熱を感じた。不思議に思いポケットから携帯を取り出すと、俺の作ったアプリが起動し戦闘画面を表示していた。
「主、今回はオレが戦う」
白虎が俺に視線を向けないままに言い放つ。他の三人は頷き合い、護るように俺を背にして囲む。殺気立つ白虎の姿が眩い光に包まれ、人型から本来の姿、白い虎へと変わっていく。そして、俺の作ったアプリの味方の陣営へ白虎の名とアイコンが表示された。敵陣営にはまだ敵の名は表示されない。しかし、俺を囲む三人からも徐々に高まる緊張感が伝わり、何かが起こるであろう事だけは理解出来た。
熱を持つ携帯を握り辺りを見回す。とても何かがいるとは思えない。しかし、四神達は皆同じ場所を見つめている。きっとその視線の先に、俺には分からない何かが存在するのだろう。その時、辺りを突然の強風が襲う。それと同時に携帯から敵出現の音がした。強風に煽られながら、携帯の画面を見る。敵の名前は
「・・・烏天狗・・・?」
強い風の音の中、呟いただけの俺の声を聞いた三人は風から護る様な立ち位置はそのままに、明らかに緊張が解ける。
「雑魚か」
「雑魚ですね」
「雑魚だな」
朱雀、青龍、玄武がそれぞれに口にした。
その言葉を聞いていたのか、白虎からも力が抜ける。
「雑魚かよ・・・」
白虎の言葉と同時に風がさらに強くなる。
「誰が雑魚やっ!!」
雑魚と呼ばれ怒ったのか、小学生くらいの体に山伏姿で錫杖を持った烏が殺気立った様子で現れた。
「さっきから黙って聞いとったら、好き勝手言いよってからに」
妖も関西弁を喋るのか。ちょっとびっくりした。
「雑魚を雑魚と言って何が悪い」
白虎が夜空に飛ぶ烏天狗に向かって言った。
「なんやとー!?」
怒りに任すように烏天狗が白虎に向かって一気に急降下する。
もう少しで激突という瞬間、身体を上手く翻し急上昇すると、次は錫杖を構え白虎に襲いかかってくる。右へ左へと鋭く振り回される錫杖は、白虎に掠りもしていない。しかし、次第に白虎の毛皮に赤い血が滲み始めてきた。
「白虎っ!!」
心配で声を張り上げ走り寄ろうとするも、俺を囲む三人に止められる。
「あの程度の相手、白虎の敵ではありません」
あるじは安心して見ていてください。とそして、主にはやって頂かなけれはならない仕事があるのですと伝えられる。
やらなければならない仕事?そんな事を考えていると、今度は白虎の咆哮が辺りに突然響いた。烏天狗が白虎の咆哮で怯み、攻撃の手が止まった。俺が驚いて耳を塞いでいると、携帯の画面がまた勝手に変わった。表示された画面は封印の画面。本来、ゲームとしてのこのアプリは敵を倒して仲間にして、さらに強い敵を倒して・・・を繰り返してキャラクターをコンプリートするのが目的の物だ。つまり、封印は倒したキャラクターを仲間にするってことで。
「主、九字を切って烏天狗を封印して下さい」
青龍に言われるがまま、画面で九字を切る。すると封印の文字が画面上に浮かんだ。ゲームの手順通り、封印の文字をタップする。その時、
「な、なんや!?」
烏天狗の体が光に包まれ、携帯へと吸い込まれた。画面には封印完了の文字と、烏天狗の萌えキャラの絵が。
「これで・・・良いのか?」
俺の独り言のような声に四人が頷いた。
これで俺は烏天狗も召喚出来るようになったらしい。
最後まで読んでいただきありがとうございます。これからも続けていきますのでよろしくお願いします。
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*登場するキャラクターの性格等は全てフィクションであり、作者の書きやすいように作られたものです。




