適応能力高すぎじゃないか?
登場人物が基本男性キャラクターばかりのため、読まれる方によっては、若干のボーイズラブ要素を感じてしまうかも知れません。
ご注意下のほどよろしくお願いします。
母にバレてからの展開は速かった。早いではなく、まさに速いだ。
もともとが陰陽師の家系で、祖父も父も人ならぬ者の気配なんかは感じる質で、祖母ももともと神道系の家系から嫁いで来た人で、そういう気配に敏感らしい。
つまり、この家で何も感じないのは俺と母の2人だけ。その母が納得してしまえば、祖父母に父は四匹に会うだけで、その人ならぬ者の、神としての気配まで感じてしまう様で。
詳しい説明はいらなかった。四匹が俺の住む離れに住み着くことは、むしろ喜ばしいことのようだった。
神様すげーな。
「お母上様、こちらの料理の作り方を教えて頂けますか?」
「青龍くん、お料理できるの?」
母は青龍と料理トークで盛り上がり。
「白虎ちゃん、魚の骨取れたわよ」
「祖母様、ありがとう」
猫科のくせに魚の骨を取るのが苦手な白虎は祖母に魚の骨を取ってもらい。
「祖父様、ビールは苦くて嫌いだ」
「そうかい?じゃあ、こっちのジュースなら大丈夫かね?」
朱雀は祖父にリンゴジュースを貰い満足そう。
「玄武くん、これなんかどうだい?」
「父上殿、オレはさっきの焼酎の方が好みの味だ」
父と玄武は焼酎談義に花を咲かせていた。
その様子を横目に、うちの家族の柔軟さに俺は若干引きつつも、四匹が何のためらいもなく家族に受け入れられた事にほっとしていた。
食事中は人型になっていた四匹が食後、動物姿に戻るとそれはそれで我が家は騒がしくなった。
先程まで家族と一緒に仲良く話しをしていた四匹が、食事で満足したためか、リラックスモードになったようで動物姿のまま俺のそばから離れないのだ。
その様子が羨ましいのか、珍しいのか、動物姿の四匹が構いたいのか、祖父祖母、父母までもが俺から離れない。
「みんな、俺になんか用でもあるの?」
いつもなら食後はテレビだなんだと自由にしている家族たち。にこにこと俺を眺める様子にそろそろ耐えられなくなってきた。
「だって、みんなかわいいんだもん」
四人を代表するように母が言った。それに続かんとばかりに、残りの三人も口々に喋り出す。
「弥勒ばっかりみんなに懐かれてずるいわ」
「俺達だってみんなと遊びたいんだ」
「孫が増えたみたいで嬉しくてなぁ」
四人、それぞれの主張に少々呆れていると、青龍が口を開く。
「主は特別なのです」
イグアナがのそりと動く。
「ずっと呼び出されるのを待っていたからな」
首を伸ばして亀も喋る。
「主ってば、生まれた時からずっと見てたのにオレ達に気付きもしないんだもんな」
鶏が首を傾げる。
「呼び出される事をずっと心待ちにしていたのだ。だから、主は特別なんだ」
膝の上で猫が丸くなる。
どうやら俺は、コイツらのことをかなり待たせていたようで。こんなに慕ってくれてる四匹に少し、ほんの少しだけ、悪いことしていたんだなと思った。
全く力のない俺を、生まれた時からずっと見守ってくれていたなんて。気付きもしてやれなかった。
これはずいぶん後から聞いた話だが、俺が生まれた時、父と祖父母は俺には何となく陰陽師としての素質がある事に気が付いていたらしい。しかし、大きくなるにつれてその素質が全く無くなった様に感じていたらしい。だから俺は、跡を継ぐ気はあったけど、跡を継げとは言われなかったんだな。そして、陰陽師としての素質があった事に、しかも、弥勒の家系の中でもかなりの素質があった事にかなり喜んでいたらしい。
だから、ずっと好きな事させてくれてたんだな。俺が無理に跡を継がなくても良いように。まぁ、でもそのお陰で跡を継ぐことになったんだから結果オーライってとこだな。
四匹の言葉を聞いた母が、
「それじゃあ仕方ないわね」
少し寂しそうに言う。
「でも、弥勒がいない時は相手してね」
うふふと笑い、四匹を撫でる母に、四匹も満更ではなさそうだった。
まぁ、なんにせよ、家族から四匹と暮らすことのお墨付きも貰ったことで、俺の心配事は一つ片付いた。あとは、
「それでは主、一心地ついたら妖退治に行くぞ」
そう、コレ。妖やら鬼やらの退治。何にも見えない、感じない俺が一体何をどうしろと?
「大丈夫、主は居るだけでいい。そうすれば、オレ達は闘える」
相変わらず俺の心を読んだのか、白虎が答える。
曰く、俺の存在は四匹にとって(と、いうか召喚された者にとって)力の増幅器の様な物であり、召喚者、つまりこの場合は俺の性質が四匹に影響を与えるらしい。俺の性質は陰陽師として正の性質をかなり強くを持っているらしく、俺が召喚する者は総てが正の性質になるらしい。そして、その性質が元来正の性質を強く持つ四神にとっては物凄い力を与える事になる・・・らしい。
「主に何かあれば必ずオレ達が護るから、安心しろ」
「まぁ、ただの妖程度なら主には指一本触れることも出来ないでしょうが」
四匹が俺を安心させる様に穏やかに話す。コイツらの言葉を聞いていると何となくどうにかなりそうな気がして、
「居るだけでいいんだな」
妖退治に行く事を了承してしまった。
しかし、この返事は少し早まったかもしれないと気付くのはまだもう少し先の話だった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。これからも続けていきますのでよろしくお願いします。
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*登場するキャラクターの性格等は全てフィクションであり、作者の書きやすいように作られたものです。




