そういう技、マンガでしか見たことないよ
登場人物が基本男性キャラクターばかりのため、読まれる方によっては、若干のボーイズラブ要素を感じてしまうかも知れません。
ご注意のほどよろしくお願いします。
「やはり、日頃の行いのお陰ですかね」
今にもスキップをし始めそうなうきうきとした声で青龍が俺に話し掛ける。まあ、確かに家の中の事を色々やってもらっているし、日頃の行いは良いよな。
「ちょっと、青龍。たとえ雑魚狸相手とはいえ、一応戦闘前なんだから少しは緊張感ってものを持ちなさいよ」
散歩感覚の青龍に蛇が釘を刺す。
「そうは言ってもですね、普段は主を他の四神に占領されてしまっているので、こうして独り占め出来るのが嬉しくて」
にこにこと笑顔を俺に向け、ね?というふうに首を傾げる。確かに、青龍は普段他の四神の様に甘えては来ないな。
「私がいるんだから独り占めじゃないでしょ」
そう言って、蛇が俺の腕に腕を絡めてくる。すると青龍も負けじと空いている方の俺の腕に腕を絡めてくる。俺は今が夜中で、道に人通りが無い事を心から喜んだ。なにしろ、二人と俺との身長差のせいでどう見ても捕らわれた宇宙人状態だったからだ。こんな姿人には見られたくない。そう思いつつも、二人が俺を慕ってくれているのが分かるので腕はふり解けなかった。
しばらく歩き、街のはずれの空き地に着いた。蛇は俺の腕を離し、空き地の真ん中へと進み出る。青龍も俺から腕を離し、いつでも防御出来る体勢をとってくれる。そして、蛇が何も無い空中へ声を張り上げる。
「せっかく出向いてきたんだから、さっさと姿を現したらどうなの?クソ狸」
その時、いつもの様に携帯のアプリが起動し、画面が光り、熱を発する。
「誰がクソ狸かー!!」
地の底から響くような声と共に、目の前にはとても狸には見えない化け物が現れた。俺が驚き、後ずさると青龍が俺を支えるように肩を抱いてくれる。
「大丈夫です。あれは狸の変化ですから」
怖がる必要は無い、と青龍が教えてくれる。それでもやっぱり見た目が怖いし、何よりでかい。しかし、一人怯える俺に対して、蛇はどこか不満そうな顔で狸らしきものを見つめる。
「ちょっと、それがアンタの本気なわけ?」
そして蛇は呆れた様子でため息を吐く。
「儂をあまりなめるなよ!!」
狸らしきものは蛇が気を抜いた一瞬に一気に襲いかかった。危ない、そう叫ぼうとした瞬間、蛇の体が上空へと高く舞い上がる。そして一気に振り下ろす脚の遠心力と重力で狸らしきものの頭頂部に足がめり込んだ。胴回し回転蹴。どこでそんなもの覚えてきたんだよ。そんな事を思っていると、目の前にいた化け物は少々大きめの狸に姿を変える。本当に狸だったのか。
「主、封印してください」
青龍に言われ、慌てて携帯の画面で九字を切り狸を封印する。そして、画面には狸の萌えキャラが。
「やっぱり雑魚だったわ」
蛇がつまらなさそうに言う。
「俺は蛇に怪我か無くて良かったよ」
初めはあんなどこをどう見ても狸に見えない化け物が出てきてどうなるかと思ったけど、本当に無事で良かった。
「私があの程度の妖怪にやられる訳ないじゃない!!」
けれど、蛇はそう怒鳴りさっさと家の方へ歩いて行ってしまう。どうやら俺は蛇の機嫌を損ねてしまったらしい。バカにしたわけじゃないんだけどな。少ししょんぼりしていると、青龍がこっそり耳打ちしてくれた。
「主、蛇は主に心配されて照れてるだけです」
少し顔が赤かったと、教えられ、ほっとした。そして、俺と青龍も急いで蛇の後を追った。
最後まで読んでいただきありがとうございます。これからも続けていきますのでよろしくお願いします。
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*登場するキャラクターの性格等は全てフィクションであり、作者の書きやすいように作られたものです。




