神様はじゃんけんを知らない
登場人物が基本男性キャラクターばかりのため、読まれる方によっては、若干のボーイズラブ要素を感じてしまうかも知れません。
ご注意のほどよろしくお願いします。
「主、たまには私にも妖怪捕獲させなさいよ」
昼飯の後の食後のお茶を飲んでいた時、何の脈絡もなく蛇が言い出した。
「妖怪、いるのか?」
少し面倒だなぁと思うも、人様に迷惑を掛けている妖怪なら捕まえないわけにはいかない。
「いるわよ、狸。色々やらかしてるわよ。今はまだイタズラ程度だけど、放っておくと人死にが出るわよ」
人死に・・・。それはまずい。俺のせいで妖怪達がここいらに集まってきてる訳だし、ちゃんと捕まえて悪さしないようにしないと。
「その狸って、どこら辺で出るとか蛇は知ってるのか?」
「当たり前じゃない。知ってるから、この話も振ったのよ」
俺の質問に、当然だと蛇は胸を張る。
「そんなに手強い相手でもないから、今晩にでも捕まえに行くわよ」
「・・・俺と蛇の二人で行くのか?」
別に蛇が弱いとか思っている訳じゃない。ただ、今まで基本的には三人以上で捕獲に行っていた俺としては、せめてあともう一人だけでも欲しいというだけで。
「なによ?不満?」
不満というより、不安。だって、俺は妖怪に関しては何も分からないし、何も出来ない。やっている事といえば、アプリの操作だけ。それだって俺一人では操作画面に移ることも出来ないわけで。そんな俺が一人で妖怪の出る場所に放置されるとなると不安で仕方ない。そんな俺の心のうちを読んだのか、蛇がやれやれという様にため息を吐く。
「私、戦いの邪魔をされるのって嫌いなのよね。だから一人だけなら連れて行っても良いわよ。ただし、戦うのは私よ」
良いわね?と蛇に念押しされ、俺は黙ってこくこくと頷くしか出来なかった。
「と、言うわけで、誰か今晩、狸捕まえに行くの付き合ってくれないか?」
夕飯時、四神全員が揃った席で狸捕獲に付いて来てくれないかと頼んでみる。
「主が言うならオレ行く」
まっ先に朱雀が手を上げる。しかしすぐに他の三人も手を上げる。
「俺だって行きたいしー」
「私だってご一緒したいですよ」
白虎、青龍と続き、玄武も続ける。
「蛇が戦うなら、対である俺が出るべきだろう」
なるほど、確かに蛇と玄武は対だ。俺は納得して、玄武を連れていこうと考えたその時、
「そんなの関係無いしー」
「俺だって主と出掛けたい」
「戦いに手を出さないのであれば誰が行っても同じでしょう?」
白虎、朱雀、青龍が玄武の言い分に文句を付ける。そして、四人でやいやいと言い合いを続ける。どれもこれも俺と一緒にいたいという理由が主な内容で、嬉しいやら恥ずかしいやら。しかし、さっさと誰が行くか決めないと、いい加減蛇もキレそうな顔になってきている。
「あー、もう、お前らジャンケンで決めろ!!」
俺の言葉に四人の動きが一斉に止まる。それを俺が不思議に思っていると、青龍が四神を代表する様に口を開く。
「主、ジャンケンとは何ですか?」
青龍の言葉に今度は俺が動きを止める。
「朱雀知ってるー?」
「知らねー。玄武は?」
「俺も知らん」
そんな四人の反応に、俺は蛇の方をちらりと見るも、蛇も不思議そうな顔をしている。そして俺は、ジャンケンとはなんぞやと言う事を懇切丁寧に五人に説明することになった。
そしてジャンケンのルールを把握した四神達の勝負の結果は・・・。
最後まで読んでいただきありがとうございます。これからも続けていきますのでよろしくお願いします。
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*登場するキャラクターの性格等は全てフィクションであり、作者の書きやすいように作られたものです。




