表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
呼んでないですよ!?  作者: 犬犬太
25/34

不思議なことこの上ない

登場人物が基本男性キャラクターばかりのため、読まれる方によっては、若干のボーイズラブ要素を感じてしまうかも知れません。

ご注意のほどよろしくお願いします。

ある日の昼下がり、縁側でのんびりとお茶を楽しんでいた俺に青龍が話し掛けてきた。それはそれは面倒くさそうに。


「主、非常に面倒臭いのですが・・・、主に会わせたい者がおります」


こんな様子の青龍は凄く珍しい。いつも誰に対しても丁寧で、こんなに嫌々話す姿は見たことが無かった。きっと何か事情があるのだろう。そうでも無ければ青龍がこんな態度なのはおかしい。


「誰に会えばいいんだ?」


青龍のやる気の無い雰囲気に、逆に神妙な態度を取ってしまう。


「一応、四神の長であり、私を含む四龍の長でもある黄龍です」


青龍の言葉に、アプリ作成時に黄龍についても調べていたことを思い出す。四神が東西南北をそれぞれ守護し、その中央に黄龍か麒麟がいるんだったな。青龍達にとっては黄龍が長、中央になるのか。ではなぜ、俺に会わせるのがこんなに嫌そうなんだろうか。


「では主、呼びますね」


青龍はそう言うと至極面倒くさそうに手を打ち鳴らす。その時、携帯のアプリが起動し、画面が光る。そして、ぼとりといつもの様になにか落ちた音がした。多分、俺の予測が正しければ、黄龍だから黄色のイグアナがそこにいるはずだ。意を決して音の方を振り向くと、腹を上に出し、ひっくり返った黄色いイグアナがジタバタともがく姿がそこにはあった。

青龍の方を見ると呆れた顔で、何も言わずに見ている。俺はと言うと、もがき続けるイグアナが可哀想になってきてつい起き上がるのを手伝ってしまう。


「やあ、ボクのスイートハニー。起こしてくれて感謝するよ」


一瞬、イグアナが何を言っているのか理解出来ずに固まっていると、青龍が嫌そうに話し掛ける。


「人の姿になれば自力で起きれたでしょう?わざわざ主の手を煩わせないでくださいよ」


「ああ、それもそうだね。それじゃあ起こしてくれたお礼と自己紹介はこちらの姿でやろうかな」


黄龍はそう言うと、辺りが眩い光を放つ。少しして目が慣れてきたので目を開くと、そこには案の定イケメンが。複雑な心境で黄龍を見ていると、おもむろに黄龍は俺に近寄り手を取る。


「改まして、ボクは黄龍。四神と四龍の長だよ。よろしくね。それとさっきは起こしてくれてありがとう、マイスイートハニー」


黄龍はそう言い終わると、掴んでいた俺の手の甲に唇を寄せる。驚きのあまり、再び固まった俺を気にすること無く黄龍は続ける。


「こんなに素敵な人がボクのハニーだなんて、とても嬉しいよ」


そして、俺はそのまま黄龍に抱きしめられてしまう。他の四神とのあまりの違いに何も出来ないままでいる俺。そんな俺を見かねてか、青龍が俺と黄龍を引き剥がしてくれる。


「黄龍、いい加減にしないとぶっ飛ばしますよ?」


とても冗談には聞こえない声のトーンで青龍が黄龍を脅している。


「とりあえず主、コレに一応会わせたかっただけですので。貴重なお時間をありがとうございました」


そして、俺に振り向きいつものトーンで礼を言う。すると黄龍が反応する。


「ボクの事をコレって、ちょっと酷くないかい」


そんな黄龍の声に反応するのも嫌なのか、青龍はふう、と一息つくと茶の間から出て行ってしまう。そんな青龍に黄龍はぶちぶちと文句をたれている。このまま放っておくのもアレなので、お茶でも淹れてやろうと縁側から茶の間に移動する。


「黄龍もこっち来いよ、お茶でも飲もう」


そう呼びかけると、黄龍は嬉しそうにこちらを振り返り一歩足を踏み出した。その瞬間、目の前の黄龍が敷居に躓き前に思いっきり転ぶ。


「だ、大丈夫か!?」


慌てて尋ねると、慣れてるから大丈夫、なんて答えが返って来た。その後も、お茶を淹れてやれば口を火傷し、それに驚いて湯呑みを落としお茶を被って火傷する。慌てて風呂場へ連れて行けば、濡れた足元で転ぶ。

何だろう、一緒にいるとすごく疲れる。もしかして、青龍があんな態度だったのは、これのせいか?


「当たり前じゃないですか」


いつの間にか後ろに来ていた青龍が、俺の心を読んだのか答えてくれる。


「さっさとアプリに戻しておいた方が懸命ですよ」


「じゃあ、先に言っといてくれよ」


せめて、凄いドジな奴と聞いていれば。


「アレのドジは口で言っても分からないので。それに主は優しいですから、ドジだと言っておいてもこうなったでしょうね」


そう言って俺に携帯を差し出してくる。返す言葉も見付からず、黙って携帯を受け取った。


「ハニー、もうお別れかい?」


黄龍が火傷の応急手当でずぶ濡れのまま俺の頬に手を添える。ほんの少しこのキャラクターにも慣れてきた。


「必要な時にまた呼ぶから」


じゃあ、と手を振り黄龍をアプリへと帰す。ふう、と一息吐いて青龍に問い掛ける。


「何でアイツ、四神と四龍の長になれたんだよ?」


「ソレ、私が一番知りたいですよ」


最後まで読んでいただきありがとうございます。これからも続けていきますのでよろしくお願いします。

感想、レビューなどお待ちしております。


*登場するキャラクターの性格等は全てフィクションであり、作者の書きやすいように作られたものです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ