いつかタコパしましょうね
登場人物が基本男性キャラクターばかりのため、読まれる方によっては、若干のボーイズラブ要素を感じてしまうかも知れません。
ご注意のほどよろしくお願いします。
「主、どこ行くんだ?」
三時のおやつの時間も過ぎた頃、玄関で靴を履き、外出の準備をしていた俺の後から朱雀が声を掛ける。
「夕飯の買い出しだよ。朱雀も一緒に行くか?」
四神は割とそれぞれに好きな事をしていることが多く、今日は、青龍は母の所でお菓子作りを、白虎は近所の野良猫と猫集会、玄武は気の向くままに散歩中だ。そして、朱雀は軍鶏の姿のまま縁側で日向ぼっこをしていた。そろそろ日向ぼっこに飽きた頃だろうと誘ってみると、案の定軍鶏が首を縦に振る。そして、目の前が眩しく光ったと思った瞬間、朱雀は軍鶏の姿から人の姿に変わっていた。
「主、早く行こう」
朱雀は靴を爪先に引っ掛けて、玄関の扉へ嬉しそうに手を掛ける。
「危ないから、ちゃんと靴履いてからな」
小さな子供に言い聞かせる様なことを言いながら、俺も玄関扉へと足を踏み出した。
商店街は夕飯前の買い物客で賑わいを見せていた。朱雀はその雰囲気が気に入ったのか、楽しそうに辺りをキョロキョロと見回す。
「主、あれ何!?」
朱雀は何か気になる物を見つけた様で、俺の手を掴むとそちらの方へずんずんと進んで行く。そして、これ何?とキラキラとした目で俺を見る。
「たこ焼きって言って、小麦粉で作った生地の中にタコを入れて焼いて、ソースをかけて食べるんだよ」
たこ焼きの匂いで釣られたのだろう。今にもヨダレを垂らしそうな顔の朱雀を見てついつい甘やかしてしまう。
「夕飯前だから小さいやつな」
そう言って、六個入りのたこ焼きを一パック買って朱雀に渡してやると、朱雀は驚いた様な顔をする。
「食べていいの!?」
「食べてみたかったんだろ?」
俺が笑って言うと、うん、と嬉しそうに頷いて、ありがとう、と言われた。そして、朱雀は初めてのたこ焼きを食べようと爪楊枝でたこ焼きを一つ持ち上げる。その瞳は期待に満ち溢れていた。俺は熱いから気を付けろよ、と言った。が、その瞬間、思い切り頬張ったのだろう、朱雀は声にならない悲鳴をあげる。それでもたこ焼きを落とさないのは流石だが。
しばらくして、口の中が落ち着いたのだろう、少ししょんぼりとしてはいるが、たこ焼きに再度挑んでいる。しかし、今度はたこ焼きを割り中を念入りに冷ましている。そして、恐る恐る口へと運んだ。その次の瞬間、再び驚いた様な顔をして朱雀が固まった。
「朱雀?どうした?」
不思議に思い、朱雀に声を掛けると、朱雀は小さな声で呟いた。
「おいひい・・・」
どうやら、たこ焼きの美味しさに衝撃を受けていた様だ。こんなに気に入って貰えるとは思ってもみなかった。どうせなら他の三人にも食べさせてやりたいし、今度家でも作ってみるかな、たこ焼き。
結局夕飯の買い物は、たこ焼きに夢中な朱雀を放置した状態で一人で全て済ませた。もちろん、その中にはちゃんとたこ焼きの材料も買い揃えて。
最後まで読んでいただきありがとうございます。これからも続けていきますのでよろしくお願いします。
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*登場するキャラクターの性格等は全てフィクションであり、作者の書きやすいように作られたものです。




