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呼んでないですよ!?  作者: 犬犬太
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心を読むのはやめて下さい

登場人物が基本男性キャラクターばかりのため、読まれる方によっては、若干のボーイズラブ要素を感じてしまうかも知れません。

ご注意下のほどよろしくお願いします。

俺が趣味で作ったアプリが動物を立体化させるアプリだった。


「主、我々はただの動物ではないぞ」


俺の考えを読んだのか、玄武がやれやれと言ったふうに首を振る。神獣ってのは人の心も読めるのだろうか。


「そもそも、立体化ではなく召喚だ。3Dなんぞと同じにされては困る」


「はいはい」


実際、触ることの出来る四匹を3Dだなどとは思わないが、召喚だなんだと言われてもそれこそ信じられない。

そもそも、俺には陰陽師としての力が皆無なんだから。


「そんなことないぞ、むしろ、弥勒の力は三善家の歴代でもトップのレベルだぞ」


また心を読まれたのか、白虎が気に入った座布団から顔も上げずに喋る。


「そうそう、今まで俺達を四匹まとめて召喚できた奴なんていなかったし。もう少し慣れれば、四霊だって余裕だろ」


朱雀が白虎の言葉を受ける。


「もちろん、我々龍族であればすぐにでも全て呼び出せるでしょうね」


そして嬉しそうに青龍が続けた。


「恐らく、それ以外にも、主がアプリに設定した様々な妖怪やモンスター、瑞獣などが召喚できますよ」


表情があまり変化しないはずのイグアナの顔が物凄く笑顔に見える。

さすがに田舎の一軒家とはいえ、これ以上動物なんかが増えるのは困る気が・・・。食費とかも嵩むしなあ。


「食費のことなら、別に食べなくても大丈夫だぞ」


ことごとく心を読まれるのか、玄武が言った。


「いや、そうは言ってもなぁ・・・」


自分だけが食べるのもなんだか気が引けるし。


「一応、今の姿の動物の餌で大丈夫だぞ」


虎猫の白虎が相変わらず顔も上げずに言う。


「猫が食べるような餌とかで良いのか?」


俺の言葉に白虎は頷く。


「オレ達は野菜や果物で大丈夫だぞ」


朱雀が青龍、玄武を見ながら話す。


「たまには魚や肉も食べたいがな」


亀の玄武が言葉を付け足す。


「まぁ、そのくらいならなんとか」


自分の分の食事の用意のついでになんとかなるな。


「そもそも、オレ達は雑食だけどな」


朱雀がさも当然かのようにサラリと言葉を紡ぐ。


「・・・、最初に言えよ」


がっくりと肩を落とす俺に青龍が慰めるように脚にすがりつく。


「主が我々のために色々考えて下さるのが嬉しくて、つい言い出せなかったのです」


しょんぼりという表現がしっくりくる姿に俺もしょうがないなと思ってしまう。俺って動物には甘いのかな。


「とりあえず、晩飯の準備のために買い物にでも行くか」


近所の商店街へ出かけようと準備を始める。と、


「俺も行きたい」


キラキラとした朱雀の瞳が俺を見ている。


「鶏を連れて歩くのはちょっと・・・」


御近所さんの目を考えるとそれは困る。


「大丈夫、オレ達人型になるし」


その言葉と同時に目の前が真っ白な光に包まれる。そして、目が慣れてくると四人の男が目の前に立っていた。

青い髪に赤い髪、白い髪と黒い髪の四人だ。しかも服は中国武術でも始めそうな格好だ。これでは、動物を連れ歩く以上に目立ってしまう気が・・・。


「せめて、普通の服に着替えてくれ・・・」


俺は屈辱に耐えながら、微妙にサイズの足りない自分の服を四人に渡した。まずは、四人に合うサイズの服を買い足す決心とともに。

商店街では案の定、注目の的だった。

ただでさえも髪色に日本人離れした容姿に加え、それぞれが興味を惹かれたものに四人それぞれか食いつくのである。

それらに一々簡単な説明をしつつ、御近所さんにも四人の説明をする。しかし、素直に本当の事を話せるわけもなく、親戚の人間をしばらく預かることになったと、なんとも苦しい言い訳をするハメになった。

一応、俺が召喚したらしいし、歓迎会も兼ねて少々豪勢なメニューを用意する。

中国の四神だし、和食でいいかなと刺身に茶碗蒸し、炊き込みご飯。バランスを考えると野菜も欲しいところ、筑前煮でも作るか。

青龍と玄武が料理を手伝うと言ってくれたので、素直に手伝わせる事にする。その間、朱雀と白虎には四人(四匹か?)の部屋にする場所を掃除させることにした。

朱雀と白虎は文句を言いつつ、俺を主と認めているからか、はたまた自分の寝床のためか、案外素直に掃除を始めた。

一方、青龍と玄武は徐々に出来上がる料理たちに感嘆の声を上げる。


「この様な素晴らしい料理は初めてです」


「和食とはなんとも上品なものであるな。食べるのが楽しみだ」


調理中の食材や、味見の段階でここまで喜んでもらえるとは。朱雀と白虎にも喜んでもらえるといいのだが。


「主ー、掃除終わったー」


未だ調理中の台所に少々疲れた白虎がやってくる。入口には同じく疲れた様子の朱雀がいた。


「夕飯までまだかかるから、二人で風呂掃除して、ついでに風呂入ってこい」


当然のように言うと、掃除の部分に不服そうな顔をしつつ、二人は渋々と風呂に向かった。


「お前らの風呂は夕飯の後な」


俺の言葉に青龍と玄武はさも当然だと言わんばかりに頷いた。

夕飯の用意が出来た頃、タイミングよく朱雀と白虎が風呂から上がってきた。

食卓に並ぶ料理に朱雀も白虎も嬉しそうな顔になる。


「これが和食!?」


「オレ、初めて食べるよ」


二人の口から次々に喜びの声が上がる。その言葉を聞き、調理を手伝っていた青龍と玄武の二人も嬉しそうにする。


「作るところも中華とは全然違いますよ」


「料理にも侘び寂びがあるのだな」


四人それぞれに喜んでいるようで、ホスト役の俺としては嬉しい限りだ。味の方も、味見をしていた青龍と玄武が美味いを連呼していたから大丈夫だろう。

待てをくらった犬のような瞳で俺を見つめる四人を席に座らせ手を合わす。


「「いただきます」」


両親、祖父母とは別に、離れの一軒家に一人暮らし常態の俺としては大人数で食卓を囲むのはなかなか久しぶりのこと。案外楽しいかもななんて思ってしまった。

さて、両親達にはなんて説明しようかな。それが、今後の最大の課題だな。


最後まで読んでいただきありがとうございます。これからも続けていきますのでよろしくお願いします。

感想、レビューなどお待ちしております。


*登場するキャラクターの性格等は全てフィクションであり、作者の書きやすいように作られたものです。

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