考え事をしながらの麺の調理は止めましょう
登場人物が基本男性キャラクターばかりのため、読まれる方によっては、若干のボーイズラブ要素を感じてしまうかも知れません。
ご注意のほどよろしくお願いします。
「玄武の蛇と話してみたい」
ある日、昼にうどんでも食べようと、鍋でうどんを温めている途中で思い出した。まだ、蛇に会っていないことを。おそらく、うどんの長くうねる様子を見て思い出したのだろう。うどんが吹きこぼれない様に軽く箸でかき混ぜながら考える。今更、玄武に蛇に会いたいと言っても良いものだろうか。蛇も神様だ、怒っいたらどうしようか。うんうんと、考えながら鍋をかき混ぜていたせいか、いつの間にかうどんの量が二倍に。慌てて鍋を火から下ろし、出汁の中へ投入するも、丼にはいつもの二倍の量が無理やり盛り付けられたでろんでろんのうどんが出来上がっていた。とても美味そうには見えないが、食べるしかない。出来上がったうどんを茶の間に運び込み、四人を呼ぶ。
「昼飯出来たぞ」
俺の声に、四人がそれぞれ茶の間にやって来る。
「主、洗濯物はたたみ終え・・・」
一番にやって来た玄武は報告の途中でちゃぶ台の上に並べられた伸びに伸びたうどんに絶句する。苦笑いを見せると、黙って席に着いてくれる。
「主、二階の掃除、あらかた終えましたよ」
次にやって来た青龍は肩を回しながら席に着く。そして、目の前の物を見るや、不思議そうに俺を見る。俺はまた苦笑いを返すしかなく、青龍は不思議そうに俺とうどんを見比べた。
「腹減ったー」
「鰹だしのいい匂いがするー」
そして最期に、庭の隅で日向ぼっこしていた朱雀と白虎が手を洗ってから来たのだろう、洗面所の方から茶の間へやって来る。嬉しそうに二人は席に着くが、目の前のうどんを見るや驚きの声を上げる。
「コレどうしたんだよ、主」
朱雀が驚き、
「量が・・・おかしくないか?」
白虎が疑問を投げ掛ける。ここでも俺はやっぱり苦笑いを返すしか出来なくて。そのまま手を合わせる。
「頂きます」
俺の言葉に四人も続き、手を合わせて頂きますと言う。しばらく黙々と五人は黙ったままでろんでろんに伸びたうどんを食べ進めていく。
「主、うどんが全然減らない・・・」
伸びて箸で摘んだだけでぶつぶつと切れて食べにくいうどんと何とか格闘しながら白虎が呟く。元々伸びていたうどんがさらに伸びているのだろう。正直な話、丼半分で俺も胃袋的に無理が来ている。丼を持つ他の三人も辛そうではある。
「主、残りは夕飯に焼きうどんにでもしましょう」
青龍が言うと、朱雀が嬉しそうに頷き丼を無言で前に押しやる。白虎と玄武も同様に丼を前に押しやる。
「そうしようか」
俺も素直に頷き、これ以上うどんが伸びるのを少しても防ぐべく片付け始める。青龍と玄武がそれを無言で手伝い始める。
「珍しいですね、主が料理を失敗するなんて」
青龍がうどんを両手に失敗の理由を尋ねてくる。玄武も表情で理由を聞きたそうにしているのが分かる。
「いや、今更なんだけどさ・・・玄武の蛇に会ったことないな、とか考えてる内に伸びてた・・・」
本当はもっと前に会わせてもらっとくべきだったかな、とか思って、と素直に失敗の理由を話し、今更ゴメンなと苦笑いすると、玄武は嬉しそうに俺を見る。
「主が俺の事を考えてくれて嬉しい。蛇ならいつでも呼んでやる。あいつもきっと喜ぶはずだ」
そして、機嫌良さそうにうどんを台所へ持って行った。
最後まで読んでいただきありがとうございます。これからも続けていきますのでよろしくお願いします。
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*登場するキャラクターの性格等は全てフィクションであり、作者の書きやすいように作られたものです。




