59 ゴルゴーン・マゴスの能力
最悪な状況に陥ってしまう。天清さんの氷の壁の残骸に隠れているが見つかるのも時間の問題だろう。何とかしたいが弱点を知ろうとしてもマサヨシは石に変えられてしまった、天清さんも今の魔法の攻撃で魔力を使いすぎてしまったので倒れてしまった。涼宮はマサヨシと天清さんを盾で守っているので、行動できるのは僕と黒川さんだけだ。
「アハハハハハハハアァ~~」
「涼宮!!待っていて今助けに行く!!」
「相棒!!今はダメだアイツがこっちを見ていやがるぜ!!」
ゴルゴーン・マゴスは煩わしい攻撃をしていた天清さんが倒れた事に笑っていた。止めを刺すために蛇の髪の間から瞳を覗かせるが涼宮の盾で防がれてしまう。涼宮の盾が奴の視界に入ってしまったために完全に石になってしまった。重くなり手で構えることが出来なくなってしまったのか。皆を視界から隠すために盾を身体で支えている。
「アハァ~アハハハハァ~~」
石に出来なかったと悟ると今度は蛇の髪を伸ばすが途中で地面に何かが落ちる重い音が響いた。音をした方向を見ると石になった蛇の頭が転がっている。天清さんの魔法の攻撃を防ぐために盾にした自身の蛇の髪を見たのだろうか、何匹かの蛇は石になってしまったせいなのか千切れ落ちてしまっている。
「ギュアアアアアアアアアアア!!」
「千切れてしまってダメージが入ったのか?奴が苦しんでいる今のうちに黒川さん、僕を奴の目の前まで飛ばしてくれないかな?」
「そんな事をしたら四葉君が石にされてしまうよ!!」
「皆を助けるためにはこれしかないんだ。黒川さんお願い……」
エオーリシと指輪の魔道具でゴルゴーン・マゴスの所まで飛んでいく。僕の存在に気が付くと残りの蛇を僕へと向けた。視界に入らないように黒川さんはうまく立ち回っているが、この蛇たちを何とかしないと目の前まで近づけそうにない。
「シャア~~キシャアアアアア!!」
「痛っうううう!!嚙まれてしまった………不味い毒があるのか…力が………」
「飛翔剣!!飛翔剣!!飛翔ざあああああん!!」
飛翔斬が蛇を断ち切ることに成功した。蛇に絡みつかれていた僕は蛇から解放されたが、大量の蛇の敵視がすべて涼宮に向いてしまった。数千匹の蛇たちが涼宮の身体を飲み込んでいく。
「涼宮ああああああああああ!!直ぐに助けるから耐えてくれよ!!黒川さん今のうちに!!」
毒で身体が動かなくなる前にゴルゴーン・マゴスを倒さなければいけない。眼前まで到着すると徐々に身体が石になっていく。僕は背負っていた銀色の甲虫の羽を奴の目の前に出すと、奴の姿が鏡面のようになっている甲虫の羽に映し出されていた。
「ギュウウウアアアアアアアア!!!」
「やった………のか?………」
ゴルゴーン・マゴスは瞳から徐々に石になっていく最後の力を振り絞って僕を掴もうと手を伸ばすが石になってしまった手は砕けてしまう、完全に石になってしまった首が折れて地面に落ちると。僕の石化していた箇所が元に戻った。
「四葉君!!大丈夫?!」
「ちょっと毒なのか身体が痺れて………そうだ……皆は?」
「相棒!!大丈夫かああああ!!」
「良かったけど何で………涼宮は無事なのあれだけの蛇が………」
「俺っちは毒に耐性があるって言ったろ!!ほら解毒のポーション」
涼宮はスキルのおかげで毒にならなかったようだ。天清さんは涼宮に背負われて、すやすや眠っている。蛇の噛み跡は痛々しく残ってはいるが元気そうで良かった。ゴルゴーン・マゴスが倒れた後には指輪の様なものと大きな紫色の魔石が落ちていた。
「酷いではないか~私の事を忘れてはいないか?」
「忘れる訳ないってマサやん!!今回は大活躍だったよな!!後半戦はドンマイだぜ」
「そうだよ榎本君。榎本君が居なければ罠に気づけなかったし弱点の分からなかったから」
「そうだろ!!そうだろお!!今は気分が良い!!どれどれドロップしたアイテムを鑑定してあげようではないか『プラグマ・アナライズ』!!」
マサヨシの鑑定の結果、指輪はセラフィ・リングで間違いがなさそうだ。これで後は帰るだけなのだが、メインの攻撃担当が涼宮の背中で寝ているため、ひとまずは階層主の部屋で休むことにした。次の日には天清さんの魔力も回復したので30階層まで向かう事にする。
「いやはや私も初の階層主の攻略をしてレベルがぐぐ~んと上がってしまったようだ!!新たなスキルもに手に入ったようだしな!!だぁ~はっははははは!!」
「私もスキルが手に入ったけど……何か…」
「ラブリちゃんも成長中ってか?でも余り嬉しくなさそうだね、スキルに何かあったん?」
黒川さんのスキルは『アぺルピシア・ピトス』と言う名の絶望すればするほどステータスの向上とスキルが目覚める可能性が上がると言うものだった。良い言い方をするとピンチになるほど強くなるって事だと思う。
戦うために奮起したらその効果は無くなってしまうのか?絶望に染まったまま戦う……良くわからない状態だな、条件と効果がちぐはぐな感じがする。もっとも絶望する状況にはなりたくないので発動しないのに越したことは無いだろう。
「僕も強くなれたら良かったんだけどな……いまだにレベル1だし」
「カナタやカイトが低レベルなのが信じられないんだよね。戦いに慣れたって言っても限度があるでしょ?一応ここは上層の中でも中層に近い所だからレベルが30以上は必要だって聞いてたし」
「アマちん……それは気合と根性………そして決して諦めないと言う心よ!!だよな相棒!!」
「真面目に悩んでいた私がバカだったわ」
帰りの道中にはなぜか不思議なほど敵が現れなかった。あれだけ居たケノス・エルフも何回か戦ったが明らかに少なかった。僕達にとっては好都合なのでそのまま突き進んだ。上層に進むほど魔物の気配が少なくなっていく。
「マサやん……どうなってんだ?全く魔物が出てこないんだけど」
「私のスキルにも全く魔物の気配が無いのだがな!!私に恐れをなして隠れているのではないのか!!」
「そんなわけないでしょ部長……でもこんな事今までなかったのよね。急ぎたい気持ちは分かるけど慎重に行きましょう」
30階層に付くと階層主の部屋にも関わらず、ケノス・エルフたちが上層への階段を上っていくのが見えた。確かダンジョンの魔物は上層への侵入は出来ないと聞いて居たのだが何か起きているのか。ケノス・エルフたちは僕たちの事には目もくれずに何かに引き寄せられるように上へと向かう。
転移装置へ向かう壁に手をかざしたのだが、仕掛けが発動しない。このダンジョンの異常と何か関係があるのだろうか。ホイロス城砦からヴェルタニアに行く予定だったので、転移装置が使えないとなると階層主が討伐されているとはいえ、かなり急がないと間に合わなくなってしまうかもしれない。
「なんでなんだよ!!なんで開かないんだ!!開けよ!!」
「涼宮、気持ちは分かるけど上層で何かあった可能性が高い。こうなった今、直ぐに上に行かないと」
「むむむむむ!!私のスキルにも、ダンジョンが異常事態に付き使用できないと書かれているな……」
「異常事態………四葉君怖いね………」
「クルミの事が心配なのは分かるけどここで考えていてもしょうがないでしょ!!とにかく魔物が居ない階層まで向かうよ」
僕達は急いで上へと向かった。30階層より上の魔物たちはケノス・エルフたちと同様に上層に向かって行ったのか出てこなかった。そしてようやく僕達は魔物が出てこない階層に付くことが出来たが何か様子がおかしい。魔物と戦闘しているのか剣戟の音や爆発音が聞こえて来る。店や宿屋があった所に火の手が上がっていた。
「四葉君!!店の人達が魔物に襲われている!!」
「見てみろよ!!相棒!!デカい出目金みたいなのが町を襲っているぞ!!」
「奴は『オルクス・クリポスサロ』ヤツ自体はそんなに強くは無いようだが、湖から魔力を供給し続けている限り倒すことが出来ないみたいだな」
「湖に青い球が浮いているわ、あれを破壊しないといけないのね………でも周りに魔物が………」
「ここまで魔物が居なかったのはあの湖の球を守るために集まっていたのか」
魔物が出てこない階層のはずだが今や魔物の巣窟になってしまっている。櫛枝さんも2週間は大丈夫と言っていたが、出来るだけ早く戻りたい。この階層から出口まで少なくとも3日は掛かってしまうだろう。ここで足踏みしていれば間に合わなくなってしまうかもしれない。
「どうするんだ……相棒」
「ここは3組に分かれて行動するしかない。メンバーは……」
チム子です。
今日は更新が遅れてしまった。。。
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