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無職でも英雄や勇者になれますか?  作者: チム子


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47/63

47 謎の業者



結局一睡もできずに朝を迎えてしまった。ランカさんの事が気になり部屋の前まで行くが今はそっとしたほうが良いのだろう。後ろ髪がひかれるが集光石の回収に向かった。珍しくパラミデスが自身の部屋から出てきているようだ、誰かと話をしながらこちらへ向かってくる。パラミデスとともにいるのは雪待郝也《ゆきまつかくや》が率いる3バカ勇者だった。



「なんで雪待がここにいるんだ?何しに来た!!お前のせいで僕は……」


「何だ?その口の利き方は、俺たちは世界を救うためにここでレベルを上げるために来ているんだよ。無能君」


「カナタ!同郷とは言え勇者様だえ!!あまり失礼なことを言うなぞい」


「僕達も来たくて来たわけじゃないんだよ~アグーちゃんがレベル上げの協力するからってアンドラス宰相から言われたから遙々来てやったんだ。無能のカナタと違って僕達は勇者だからね!!昨日の接待も良かったよアグーちゃん」


「ぶひぃ!!そ……それは良かったぞい。接待の事はくれぐれも内密に…では…緑谷殿……なにとぞ王様にぜひ例の件を……」


「内緒にしてやるって!!いちいち煩いなぁ豚ちゃんよお!!散々楽しませてもらったから分かってるって。俺様も言ってやるからよお」


3バカ勇者たちはあのホイロスダンジョンの仕掛けを使ってレベリングにここまで来たらしい。アンドラスの野郎め……僕のスキルが原因で命を落としかけたから遠方のホイロス城砦に追放されていたのに3バカ勇者がここにレベル上げに来たという事は、アンドラスは僕のスキルは勇者が死にかけた原因ではないことを認めているじゃないか。



「俺もお前に構っている暇は無いんだ!!さっさと失せろ俺たちは強くならなくちゃいけない」


「ウザ廣瀬に負けてはいられないからね。僕も竜種を倒して竜殺しの称号を貰うんだ!!僕の英雄譚に刻まなきゃ」


「俺様もそろそろデカい事をしなくちゃあな!!あいつらに追いつくんじゃねぇ……追い抜くためには、魔王の1匹くらい狩らないとなあ!!」


「そういう事だからしばらくはダンジョンは勇者様に使ってもらうぞい。わしは選果があるのでここで失礼するえ」


パラミデスは仕事に戻り、3バカ勇者たちはこれからダンジョンに向かうようだ。それにしても廣瀬の奴生きていたんだな良かった……あの後本当に猛毒竜を倒したんだな、さすがとしか言えない。3バカ勇者がレベリングをしているようなので、鉢合わせても面倒なのでしばらくはダンジョンに立ち寄らない方が良いだろう。


それにランカさんの事も心配だからな。こいつらの事は無視して仕事を終わらせよう。プアアの小屋まで行くと見慣れない馬車が止まっていた。すぐ側まで見に行くと積み荷は動物だったのか檻のようなものが馬車の荷台に積んである。



「おっと何をしているんだカナタ。パラミデス様に怒られるぞ」


「サイロさん見慣れない馬車が有ったので何かと思って……」


「これは贔屓の業者だプアアの小屋を見てみろ、子供のプアアが増えてあるだろう?」


プアアの小屋を覗くと子供のプアアが確かに数匹増えていた。馬車の檻の大きさに対してプアアの数は少ない気がする…何か引っかかる気がするのだが、ひとまず戦闘態勢に入っているプアアの子供に力を示さなければいけないようだ。戦闘を終えるとサイロさんは全て見ていたようで拍手をしている。



「なかなか強くなったな!!カナタ!下手すると俺の部下より武器の扱いが上手いぞ」


「見ていたんですか?!てっきりもう帰ってしまったのかと思っていました」


「本当ならそうしたいがあと一仕事あるんだ。いつもなら荷下ろしをしたらそのまま帰っていくんだけど、面倒なことに業者の偉い方が来たみたいで途中まで護衛することになったんだ。パラミデス様に粗相のないように言われたんだけど…肝心のそのお方は勇者様達の実力を知りたいって言ってダンジョンに付いていってしまった。だから今は帰ってくるまで待機よ…」


プアアの世話が終わるころに業者の方が来たようだ。聞こえて来た話によると、勇者たちはダンジョンで騎士団と共にレベリングを続けていたが、階層主の部屋に行く石柱の所で帰って来たそうだ。業者の方が僕の方を見居ると近づいてきて、じろじろ足の先から頭の先まで見て来る。目元以外顔は隠されていたので男なのか女なのか分からない。


「なあなあ!!君!うちの子にならへん?アグーちゃんが勇者が来るからって言ってたから、せっかくやし来てみたけど、あれはあかんわ…アホ過ぎるわ」


「ちょ…ダメですよ。ヴェルタニアから来た罪人って事になっているので、いくらあなた様でも駄目ですよ」


「ケチやなぁ。うちは罪人でも別にかまへんよって言いたいけど…しゃあないな、アグーちゃんに迷惑掛かるんやったら諦めるわ。嫌になったらいつでもうちの子になってもええよ」


「………考えておきます」


声を聴いても男性なのか女性なのか分からないが、さすが商人なのか3バカ勇者の目利きは本物みたいだ。はっきりとした物言いに僕は少しだけ気が晴れた。どうしようもなくなったらここを逃げ出して商人になるのも良いかもと思ってしまった。


謎の商人さんはサイロさんを引き連れて馬車でホイロス城砦を後にした。馬車には9本の尻尾のマークが記されている。……思い出した僕がここに来た時に出て来た馬車はこの人の業者だったんだ。


今日の仕事を終わったので、自身の部屋の扉を開けると人の気配はなく、部屋の明かりは点いていなくて暗い。ランカさんの事がやはり気になるのでランカさんの部屋の前まで行き扉を叩いてみた。返事は無かったので声を掛けてから扉を開けてみるとランカさんの姿は見えなかった。



チム子です。

初めての作品なので誤字やら脱字やらあると思いますので申し訳ありません。

少しでも心に何か残せたら嬉しいかな。。。

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