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無職でも英雄や勇者になれますか?  作者: チム子


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24 黒のバーサーカー



クイナさんが言うには属性色にはそれぞれに特色があるそうだ。例えば赤色、灰色、緑色はスキルの攻撃力に補正がかかったり、レベルを上げると攻撃スキルを取得しやすいようだ。青色、黄色はその反対でスキルの防御力に補正がかかり防御系の派生スキルが所得しやすい。


どの属性のも所属しない無色もある。これも珍しいがスキルが獲得に時間が掛ったり手に入れたとしてもスキル全体の能力が下方修正されてしまうため、魔力の種類も侮蔑の対象になってしまうようだ。


黒色は勇者以外に殆ど現れたことがなく、どのような効果があるのかあまり知られていない。そして白色は黒色以外のすべての属性スキルを扱うことが出来て、攻撃力防御力の両方に補正がかかるチート職なのだそうだ。



「俺たちの白の勇者様カスミンは最強ってこと?やっぱ半端ねぇな」


「そうっすね!城内でも白の勇者様で話題が持ち切りっすよ。ディアス教の教皇も聖女様を白の勇者様を御付きにしようって動きもあるみたいっす。そんな事よりクゥちゃんっすよ」


「わたし……ですか?」


「黒のバーサーカーっすよ!!過去には赤色とか灰色とか見たことあるっすけど…マサ嘘ついてないっすよね」


「神様に誓って嘘はついてないです。櫛枝さんはスキルも1つあるようですよクイナ様!!」



櫛枝さんのユニークスキル『ベルセルク』は魔力を消費し続ける代わりに、怒りの度合いに応じて攻撃力、防御力を最大で極上まで増加。それに加えて自動回復も付与されるようだ、しかしデメリットもあるようで、怒りの度合いを強制的に2段階上げ、怒りの度合いに応じて知力が最大で極上まで低下するようだ。



「なかなか凄いスキルっすね、うちの知っているバーサーカーはもっと単純な攻撃力上昇や防御力上昇なだけだったような気がするんすけど、それでもユニーク職だけあって強力だったすけどね」


「そのバーサーカーさんの人に教えてもらえば、わたし強くなれるかな…」


「それは無理っすね赤色も灰色もうちが始末しちゃったすよ!!あははははははは」


「ガハハハハハハハ!!居ないやつのことを考えてもしょうがねぇ訓練の続きをするぞ」


クイナさんの始末発言に櫛枝さんと僕たちは唖然としていた。シキさんの憧れの的でユニーク職業を軽く始末できるクイナさんはいったい何者なのだろう。櫛枝さんのスキル確認は訓練の最後にするらしく、バーサーカーは素手による攻撃に補正がかかるという事なのでクイナさんが素手での戦い方を櫛枝さんに教えるようだ。


クイナさんの素手での格闘技術は流石としか言いようがない。手数が早すぎて櫛枝さんも追いつけていないが櫛枝さんも必死に喰らいついている。僕たちは今日こそ飛翔斬を取得するためにマサヨシも交えて素振りを始めた。


昼を過ぎ日差しも陰って来たのだが、相変わらず僕達二人は飛翔斬を獲得出来なかった。僕たち二人があれだけ訓練していても獲得できなかった技をマサヨシは獲得できたようだ。威力は的に小石をぶつけたくらいの威力だが間違いなく飛翔斬だった。


これが職業の持っているものと持たない者の違いなのかと思い落胆していると、遠くの方で大声が聞こえる。視線を向けると黄色の勇者に選ばれた廣瀬菊次郎《ひろせきくじろう》が木偶人形に向かって大剣を振り下ろしている



「究極奥義ディバインズブレイバーぁぁぁああああ」


「急ににぎやかになったのかと思えば廣瀬が来ていたのか」


「キクちゃんも勇者様だもんな。朝いなかったからダンジョンに行っていたのかな?」


廣瀬の姿は学校の制服はもう着ていなくて、この世界の騎士団のような鎧の姿になっていた。どこから持ってきたのか分からない巨大な大剣を技名と共に振り降ろし、木偶人形を切りつけていた。木偶人形は両断というよりも叩き潰される形で壊されている。技名は厨二病をくすぐるカッコいい名前なのだが何かが引っかかる。



「これで終わらせる!!!アヴリオ・ブレイブソード!!!」


「キクちゃん凄いなもう剣スキルあんなにも手に入れたのかよ」


「黄色の勇者だからなのか?でもあの木偶人派手に壊れているけど、飛翔斬みたいな現実離れしているような感じはないな…」


「そういう時は私の出番だな。他の人を見ると命の危険があると理解したがクラスメイトなら問題なかろう。小さな声で……アナラ~イズ」


「おいクイナにあれだけやられて人に鑑定スキルを使うってバカなのか勇気があるのか…まぁ同郷なら大丈夫なのか?」


ガライさんは呆れて肩をすくめていたのだが、マサヨシはお構いなしに瞳にオーラを宿し、省エネ設定なのか光量は少な目で廣瀬の方に視線を向けた。マサヨシは首をかしげて何か考えている。もしかしたら何か特別なスキルがあったのだろうか。



「マサやん、なんか分かった?男子の覗き見は趣味じゃないけど勇者なら俺っち気になります」


「う~む…私の見間違いじゃなければ、黄色魔法と精霊召喚だけなのだが…剣スキルはまだ獲得してないと思う」


「ただ技名をつけて攻撃していたって事か……派手好きな廣瀬らしいっていえばそうだな。でも精霊召喚か僕も気になるな」


「そういう事なら早く言ってくれよ!!俺たち心友《しんゆう》だろ!!」


いつの間にか背後にいた廣瀬に背中をガシガシ叩かれてめちゃくちゃ痛い。マサヨシのスキルに気づいていたのか?そのスキルを使ったマサヨシはというと存在感を限りなく薄くして涼宮の後ろに隠れている。廣瀬の鎧をよく見ると所々に傷があり恐らくダンジョンに潜った際にできた数なのであろう。



「キクちゃん聞いてた?って言うかスキルを覗き見していたのバレてた?」


「ふっふふふふこのキクシオが教えてくれたのさ。マサヨシがスキルで見ていたことも分かっているぞ!!」


廣瀬が指に光のオーブが一つ止まる。おそらくこの光が精霊召喚で召喚された精霊《キクシオ》なのだろう。このスキルも異世界っぽくて羨ましい。涼宮は廣瀬の召喚した精霊に目を光らせて追いかけている。その奇怪な行動に精霊は怖がっているのか涼宮から逃げている。



「そしてこの精霊召喚と黄色魔法の『クリエイト・ゴーレム』があればこういうことも出来る」


「これは凄いなゴーレム使いは何度か戦ったことがあるが、その中でもなかなかの大きさだ」


全長3メートルくらいの土で出来たゴーレムが地面から生えてくるように召喚された、召喚されたゴーレムに入っていくと目が赤く光り起動した。


廣瀬が言うには普通の『クリエイト・ゴーレム』は術者が直接操縦しなければいけないようだが精霊召喚と組み合わせることによって自動で動いてくれるそうだ。まだ精霊召喚のレベルが低いので単純な命令しか聞いてくれないみたいだ。



「すごいよ!!廣瀬!!ゴーレムとかロボットとか男のロマン過ぎるだろ!!どうなってんだこれは土で出来ているはずだが鉄より硬くないか?」


「キクちゃんマジ凄いぜなんだよこんなのカッコよすぎるだろう」


「精霊ってズル過ぎるでないかぁ、私のスキルも看破できて更にゴーレムにも応用できるなんて。看破したのが廣瀬でよかった…この世界の精霊使いだったと思うと末恐ろしい……」


「だぁーはははっはは褒めてくれるな!!だがカスミには敵わなかったよ。さすがは白の勇者って感じだったさ。俺が防戦一方だった階層主を一刀両断で蹴散らしてしまった。悔しいが今のカスミには俺の力では敵わない…だが!!俺も負けてはならん階層主を倒したおかげで『クリエイト・ゴーレム』も手に入れたしな。次は俺が派手に蹴散らしてやる!!うぉぉぉおおおおお!!」



廣瀬は訓練を再開しに凄い勢いで戻っていった。廣瀬も負けず嫌いだからな、狛井君の活躍で火が付いたのだろう。そしていよいよ櫛枝さんのスキルの確認をすることにした。



チム子です。

初めての作品なので誤字やら脱字やらあると思いますので申し訳ありません。

少しでも心に何か残せたら嬉しいかな。。。

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