↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無職でも英雄や勇者になれますか?  作者: チム子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/62

17 4色の勇者





部屋に入ると先程聞いた以上の歓声が部屋全体に響き渡っていた。またもや勇者が現れたようだ、それも二人今度は緑色と灰色の勇者だそうだ。中央に大きな水晶の様なものが置かれていてクラスメイトの二人が水晶に触れている。その水晶から大量の光が溢れて二人にそれぞれの色の光が二人に降り注がれていた。


光が収まると、二人の髪の色が変わっていた。天清さんも髪の色が変わっていたが、やはり決まった職業と何かあるのだろうか。髪の色を見ると緑の勇者に選ばれたのが緑谷千鳥《みどりやちどり》みたいだ。選ばれたことに驚き戸惑っているが大丈夫だろうか?失礼な話だが小心者の同じ陰キャ同志だと思い、何度か声を掛けてみたことがあった。何故か陰キャの天敵とも言えるあの雪待と行動を共にする事が置かったので、話し掛ける事も少なくなっていた。


次に灰の勇者に選ばれたのが、炭崎翁雅《すみざきおうが》こいつも何と言っていいか、勇者に選ばれるとは思えない性格の持ち主なのだが…独断専行の一匹オオカミタイプで基本的に一人で行動することが多い。けれどもこいつも何故か雪待とは馬が合うみたいで、たまに一緒に行動している所を見かけた事がある。雪待の事だから何か悪さをして居るのだろうけれど…それにしても勇者の条件ってなんだよ、選ばれた5人に共通して言えることはいろんなタイプの美男美女ってことか…天清さん以外爆ぜないかな。


それにしてもさっきから視界の端っこに映っている自称勇者様は、何故だか体育座りして見るからに落ち込んでいる。周りには心配そうに櫛枝さんがおろおろしていた。



「どうしたんだよ涼宮、采配の儀式で村人にでも選ばれたのか?」


「四葉君ダメだよ!涼宮君はすご~く落ち込んでいるんだから」


ぷりぷり怒っている櫛枝さんを尻目に涼宮の隣に腰を掛けた、光のない目で一瞬こちらを伺うがまた視線を落としてブツブツ呟いている。その言葉に耳を傾ける。



「………なんなんだよ…無職って…神官のおっちゃんも見たことがないって……スキルはあるみたいだけれど…この世界に来て無職は無いだろう…」


そしてまた落ち込みだした。雪待に会った時に含みのある笑いの正体はこれだったのか、涼宮に櫛枝さんは慌てて頭を撫でたり励ましの言葉を掛けていたのだが効果は無いようだ。



「召喚されて無職なのは何とも言えないけれど、スキルの方は何なんだ」


「分からない…神官のおっちゃんは空欄って言ってた…マサやんにも見てもらったけれど名前がレスなんとかティとかで読み取れなかったんだ」


神官にも分からなかった事が一部だけでも読み取れるマサヨシ…何気に凄いのかもしれない。変な情報しか見ることが出来ないと思っていたが「……神官にも分からないスキルか…それってすごいんじゃ……」考えていたことが声に出ていたらしい、気が付くと涼宮の先程まで死んでいた目に光が徐々に復活している飛び上がるように立ち上がると隣で櫛枝さんは小さく拍手をしていた。



「どういう事だってばよ相棒!!」


「そのままの意味だよ無職って言うのも前代未聞なんだろう?しかも読み取れない効果が不明な前代未聞のスキル」


「そうか!!スキルの効果によっては勇者以上のスーパーいや………はいぱ~勇者に成れる可能性も在るってことか」


「雑魚スキルって可能性も在るけどな、その時は一緒に泣いてやるよ」


すっかり立ち直った涼宮だったので櫛枝さんも安心したように微笑んでいた。涼宮に気を取られていたけれど、櫛枝さんの髪の色も赤色っぽくなっている。采配の儀式をして何かしらの職業になったのだろうか?



「櫛枝さんは采配の儀式でどの職業に選ばれたの?」


「俺も気になってたんだよな、髪の色が可愛くなっちゃってたから、多分何かしらに選ばれたんだろうけれど」


櫛枝さんがビクッとし体を捩る。涼宮のどの言葉に引っかかったのか分かるのが悔しいのだが、多分だけれど櫛枝さんは涼宮の事が…なんか急に腹立ってきたので涼宮に強めに肘鉄しておく。そしてこの事は深く考えないようにしておこう。顔を伏せ、自身の髪の色と同じように顔を赤く染めている櫛枝さんは選ばれた職業の事はあまり言いたくはないようだった。



「まぁ職業は詮索しない方が良いかもな望んだものとは限らないようだし」


「俺のノージョブよりはましかと思うけれどしょうがない。気になるけれど諦めるか……」


涼宮は諦めると言いつつも櫛枝さんをちらちら見つめ悲しそうな表情をしている。「うんうん、そうだよなぁ聞かれたくない人も居るかもな」「くるみちゃんにも秘密かぁ…お兄さんとして寂しくなってきたよ」と全然諦める気配は無かった。僕も気になっていたので止めなかった、ごめんね櫛枝さん。



「……ばー…さー…」


「そんな小さな声じゃあ、お兄さんに聞こえないよ。ほら言ってごらん……さぁ……さあ!!」


傍から見たら小柄な少女にからむヤバい人に見えなくもない、というか見えている。周りのクラスメイトやこの世界の人達から主に女性からの視線が突き刺さる。意を決した櫛枝さんは小さく深呼吸をして周りの人に聞かれないように涼宮に職業を耳打ちをする。僕も気になるけれど聞かれたくないのなら仕方がない、聞いた瞬間涼宮は目を見開き叫びだした。



「バーサーカーってあの狂《きょう》!戦《せん》!士《し》!と書いてバーサーカー!!??」


この世界の女神さまはなんて酷な事をするのだろう、狂戦士から最も遠いであろう少女にこんな職業を与えるなんて。櫛枝さんが暴れまわり敵をちぎっては投げて、ちぎっては投げてする事が想像できない。大声で職業を皆にバラされた櫛枝さんは涼宮をポコポコ叩いている。



「スキルは?俺っちにもあったんだから、くるみちゃんならスペシャルなものが…」


叩かれてもお構いなしに、興奮してグイグイ櫛枝さんに近づく変態になっている奴を手刀で止める。当の本人の櫛枝さんは名残惜しそうにしているのを見ないようにして、涼宮の正気を戻すことに尽力する。



「正気に戻ったか?水晶の方を見てみろよ今度は狛井くんと黒川さんがするみたいだよ」


「まずはカスミンの方かこれは期待大だな!なんたってカスミンだからな!!」


黒川さんは大勢の人たちの期待の目に怯んでいるようだった、生徒会長になったのも他薦で半ば強引に立候補させられてなった、そもそも目立つことが苦手な黒川さんが采配の儀式に躊躇するのも無理はない。人の気持ちを慮る事に右に出るもとはいない。狛井君は黒川さんの気持を察して先んじて狛井くんが水晶に手をかざした。すると水晶全体が光を放ちそのすべてが狛井君の身体に注がれていく。先程選ばれた緑谷や灰崎とは比べ物にならないほどの光量だ目を開けられない。神官たちは腰を抜かしたのかその場で立ち尽くしていた。


「白だ……」「まさか……」「存在するとは」などと神官が口々にする。間違いない勇者だ、それもただの勇者じゃないことは神官たちの反応から見て取れる。



「白の勇者が現れたぞ!!!」


神官の一人が叫ぶと口火を切って他の人々も呼応するように新たな勇者の出現に歓喜している。

恐らくこの采配の儀式最大の山場かも知れない。黒川さんと言えば最初は光に驚いてはいたようだが、今は落ち着いたようだ。観衆の熱気や鳴りやまない、この大きな歓声のどさくさに紛れて黒川さんが水晶に手をかざした。その瞬間世界がモノクロになったような幻視をしたような気がする。水晶からは先ほどの光ではなく、黒い靄のようなものが溢れて黒川さんの身体にどろどろ入っていった。熱気や歓声は鳴りを潜めて張り詰めた空気が流れて来る。



「黒の勇者が現れた……」


白の勇者の誕生とは違い歓迎されて無いようだ、中には歯切りする人や神官の中にも怪訝に思っている表情をしている方がちらほら見受けられた。



チム子です。

初めての作品なので誤字やら脱字やらあると思いますので申し訳ありません。

少しでも心に何か残せたら嬉しいかな。。。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。