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無職でも英雄や勇者になれますか?  作者: チム子


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16 青と赤の勇者



肩で息をしているマサヨシを横目に後方の采配の儀が行われているであろう、部屋の方から大きな歓声が聞こえてくる。「またまた勇者様が現れたんだって」「青の勇者か…」「黄と赤に続いて3人目か」勇者の誕生を見ていたのであろう人々がその瞬間に立ち会えた事の喜びを口々にし、中には神に祈るものもいた。


「マサヨシ、勇者が現れたんだってクラスメイトの誰が勇者になったんだ?」


「黄色の勇者はキザな目立ちたがり屋の暑苦しいアイツだよ…」


マサヨシはうげぇとしながら黄色の勇者になったであろう、廣瀬菊次郎《ひろせきくじろう》に思いを巡らせて萎えているのだが、キザで目立ちたがりだが悪い奴じゃない。むしろいい奴なのだが、暑苦しい奴なので苦手意識があるのだそうだ。マサヨシがアニメの影響で体を鍛えたいと教室で話していたところ。どこから聞きつけたのであろうか、どこからともなく廣瀬が現れて地獄のトレーニングが始まったのだそうだ。



「廣瀬か……まぁ黙っていれば美形だし、熱血なところも勇者っぽいからな…」


「廣瀬が勇者なのは納得するよ、俺だって鍛えてもらって、死ぬかと思ったけれどそのおかげで体力は人並み以上に成れた訳だし、でも赤の勇者がなぁ冗談きついぜ」


「誰なんだよ赤の勇者ってのは…」


「アイツだよ勇者からには一番遠い…」


マサヨシが赤の勇者の名前を告げようとした時、会場から誰か出てきたのであろう「勇者様!」「きゃーー」「世界をお救いくださりませ」「勇者様万歳!!」などと声が聞こえて来る。後ろを振り返ると雪待郝也《ゆきまつかくや》と何故だか傍らには天清さんも居た。まさか青の勇者って天清さんなのか?



「よぉこれはこれは誰かと思えば四葉君じゃないか、采配の儀式は終わったのかい?どうせお前も…ぷっくくくくく」


雪待が勇者に選ばれたのか?!マサヨシの方を見ると、すごく嫌な顔をしながら小さく首肯している。雪待が赤の勇者に選ばれたのか?暴虐武人で性格が終わっている学内ランキング1で、ちなみに僕は家でサボテンを愛でていそうランキング1位らしい…とにかく僕のトラウマを刺激しまくるので距離を開けていたのだが、何かとつけて嫌味な事を言ってくる出来ればお会いしたくない奴なのだが、こいつも危険な香りがする美形なので女性人気が割とあるんだよな。なんか腹立ってきた、この不条理に鉄槌を!!!



「天清さん采配の儀式は終わったの?天清さんなら歌姫とか詩人とかかな?」


こういうやつには無視するに限る、あの戦いを経てそして第三騎士団の面々と対峙をしてなのか僕の心は幾分か強くなったのかもしれない、前の世界ならビビり散らして目も合わせられなかっただろうけれど



「お前、無視するとはいい度胸じゃねぇか!!」


拳を振りかざし威圧するがこんなのオークやルークさん達に比べればポンポコピー(意味不明)にも程がある。ビビらない僕に腹を立てその拳を振り下ろすが空を切った。あのオークの攻撃に比べれば簡単に避けられる。



「ダサ……」


天清さんのたった二文字の威力には相当に答えたようで「てめぇら覚えておけよ」と顔が羞恥で文字通り赤くなり呪詛の言葉を喚き散らしながら、雪待は会場を後にした。天清さんはいつもの如くクールな装いで髪の色が先程より鮮やかになっているような気がする。



「天清さんなんか髪の毛の色がすごく派手になっているんだけれど!瞳の色も変わっている?!」


前は茶髪だった瞳や髪の毛が今は青っぽくなっている。そういえば雪待も髪の色が赤色っぽくなっていたのだが勇者や他の職業になると髪色や瞳の色が変化するのだろうか?周りを見渡すとクラスメイト達の中にも髪色や瞳の色が変化している者が居た。



「何か儀式をしたら青の勇者?になったみたいで気が付いたらこの髪色になっていたんだ。どう似合う?」


「とても似合っていますぞ、天清女史」


「部長には聞いてないけど、ありがと」


天清さんも漫画研究部の部員だ、以外かと思うけれど、天清さんは学校以外は歌手になるための活動をしているらしいが、学校の校則で必ず部活に入らないといけないという事で初めは軽音部に入ったのだが、反りが合わなかったみたいで退部してかなり自由度がある漫画研究部に入部してきた。


最初は驚いたが、天清さんも結構居心地が良かったみたいで、文化祭ではマサヨシが作ったオリジナルアニメの主題歌なども作っていたりして部員としても真面目に活動していた。アニメより主題歌の評価がすごく高かったのでマサヨシは「歌が素晴らしいのは認めるけど納得いか~~ん!!動画サイトに乗せれば僕のアニメの方が評価されるのに違いない」と言って投稿してバズったのはいいがどのコメントも「歌は良いね」とか「アニメは………でも歌が最高」などのコメントが溢れかえっていた。


この動画のおかげで某有名事務所から声がかかり天清さんは歌手として卒業後デビューすることになった。天清さんも最初は動画投稿を勝手にしたことに不満を持っていたが、最終的にはマサヨシに感謝していた。



「青の勇者か…天清さんすごくカッコいいよ髪型も似合ってる」


「カナタもありがとう、部長は鑑定士だっけ?さっき見たけれどすごく光っていたね……」


「そうだとも!!この部屋にはいっぱい人が居ることが分かるのさ!!!」


「それ何かの役に立つの?」


純粋にマサヨシに尋ねる天清さんだったが本人もそれは気づいていたようで「いや…うすうす分かっていたよ……なにこのスキルって……」マサヨシは膝から崩れ落ちた。天清さんが「でもカッコよかったよ虹色に光っていて部室のパソコンみたいだったし」慌ててフォローするが遅かった。


ぬっとマサヨシは立ち上がり不敵に笑っている。その笑い声は次第に大きくなっていく、僕も天清さんも若干引いていたが、その高笑いは止めなかった。



「私にはもう一つスキルを所持している、天清さん僕をここまでコケにしたのは貴方が初めてですよ」


再びマサヨシが虹色に発光し僕も天清さんも周りの人も固唾を飲んで見守っている。やがてマサヨシの両眼に虹色のオーラを纏い天清さんを見つめる、鑑定士のスキルを天清さんに使ったのか光は収縮し昌義はまた肩で息をしている。



「アナラ~イズ!!天清女史……スリーサイズ!!君は上から94…ごじゅ…ぶぺらぁぁぁあああ」


最低なスキルだった…普段はクールな天清さんが怒りなのか顔を赤く染めてマサヨシは天清さんに蹴り飛ばされた。勇者になったからか身体能力がかなり強化されたようだ。勢いよく蹴り飛ばされたマサヨシは壁にめり込んでいた。



「天清……女史…隠れ巨乳なのね……」


残念ながらまだ生きていたみたい、天清さんは顔を怒りで赤く染めながら会場から小走りで出ていく。僕もマサヨシを近くの兵士に任せて、いよいよ采配の儀式が行われている部屋に足を踏み入れた。




チム子です。

初めての作品なので誤字やら脱字やらあると思いますので申し訳ありません。

少しでも心に何か残せたら嬉しいかな。。。

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