13 3色オーク
「四葉殿、本題に入る前に魔族のことについて話しておこう、魔族とは人に仇をなす敵であり、我々騎士団は奴らを勇者殿とともに殲滅することが最終目標だ、魔族の中でも王を冠する者が現在7人居るとされている」
7人の魔王、幼いころに憧れていた異世界生活のチュートリアルのような事を語られている、しかも素質が在ると僕を認めてくれている騎士団長の言葉によって語られていた、僕は胸の鼓動がさらに早くなったような気がした。
「その王を冠する中でも妖狐王のルナ=ブルズアイ…奴をこの手で葬り去るのが僕の宿願なんだよ」
この妖狐王ルナを倒すという言葉には願いや目標とかではなく憎悪や執念という気持ちが込められてあり、その気迫に圧倒されるていた、またもや一人称が変わりつつあるユーリさんだったが、傍にいるフレイさんの視線に気が付いて軽く咳ばらいした。
「話が逸れてしまったな、妖狐王ルナに関しては次の機会にでもしよう…先の戦いではそのルナの配下の二つ名持ちのオークが三体も出るという異常事態が起こったみたいだね。」
赤いオークは『赤の剛鬼』呼ばれ、冒険者や騎士団の中ではかなり有名な二つ名持ちだったらしく、討伐依頼を受けた高ランクの冒険者などもその圧倒的な力で捻じ伏せられてきたんだとか。その事もあって、新人冒険者や騎士団の中では、赤いオークを見かけたら直ぐに逃げ出せとの話はかなり有名だそうだ。
「あの赤いオークのような奴が他にもあの戦いにいたのですか?」
つくづくあの戦いで生き残れたと思う…あのやばいのが三体もあの戦場に居たとは、戦っているときはアドレナリンかなんか出ていてなにも考えていなかったが、もし二つ名持ちに同時に襲われていたらと思うと血の気が引く音が聞こえる。
「『青の魔鬼』ブルーオーク、王の親衛隊でもある第1騎士団の団長が不在だったのがかなり痛かった。君たち異世界人に被害を出さまいと懸命に戦い。そのうちの1体は命からがら討伐できたのだが、討伐に当たった第1騎士団が少なくない犠牲出てしまったようだ。奴の遠距離からの魔法と狡猾な知性には相当堪えたようだ。王も奴との戦闘での負傷で急ぎ国に戻り療養に入ったので、第1騎士団は部隊の再編と王の警護に掛かりっきりだそうだ」
そういえば戦いのとき王の姿が見えなかったとは思ってはいた。てっきり僕たちを置いて国に逃げ帰ったのかと思っていたが、どうやら別の所で戦っていたみたいだ。あの派手な甲冑は飾りではなかったんだとオルキア王に失礼な事を頭に過ってしまい心の中で謝罪をする。
「魔法を使うブルーオークか…最後の一体はどこにいたんだろう?」
僕が呟くように言うとそれを見ていた団員とユーリさんの傍らにいたフレイさんまで一斉に笑い出した。僕は笑い声に戸惑い、なぜ笑われているのか必死に思案したが答えは出なかった。
「『赤の剛鬼』レッドオークは見たのよねその他にも厄介なオークが居たはずよ覚えていない?」
「そういえば…鎧を身に纏ったオークが居たような」
「ご明察!!その鎧に身に纏ったオークが三体目の『黄の技鬼』イエローオークよ変なスキル使ってこなかった?普通のオークと鎧以外の見た目がそんなに変わらないから、普通のオークと思って侮ってやられてしまう冒険者や騎士団もいて、被害者数だけで言ったら一番多いオークで恐れられていたわ」
今になって震えだす足やら何やら…何で生きて帰れたのだろうか、相手が油断していたのもあるけれど、運が良かったのだろうか?もう一度同じ目に合えば間違いなく死んでしまう自信しかない。
「我が騎士団も犠牲になった仲間がいて、改めて感謝をしようと思ってここまで足を運んでもらった訳だありがとう四葉殿。私の救えなかった部下の仇を討ってくれて本当に感謝する」
「僕は…目の前の事に必死になっていただけで…それに赤いのは…僕じゃな…」
「謙遜も君の美学かも知れないが、オークに立ち向かったのは紛れもない君の勇気だよ。胸を張って欲しい私は君に感謝をしているだからお礼がしたいんだ、付いて来てくれ」
ユーリは告げると騎士団の部屋の奥の方の階段を降りて行き、幾つかある部屋の一つの扉の前に立つと僕の方へ振り返りあの怖い笑顔ではなく、僕が女性ならば落ちてしまいそうになる普通の微笑みでこちらへ投げかける。
「この部屋は騎士団の秘密の武器庫だ、この中から好きな武器を一つ君に捧げよう…」
部屋の中には様々な武器が収められており、そのどれもが何かの力が秘められているのだろう雰囲気がする、その武器が放つ力に二の足を踏むがフレイさんに「早く早く」と急かされて部屋の中に入っていった。
チム子です。
初めての作品なので誤字やら脱字やらあると思いますので申し訳ありません。
少しでも心に何か残せたら嬉しいかな。。。




