第二話「魔法学園入学!」
「あー。母上にいつ話そうー…」
自室のベッドに仰向けに寝っ転がりながら、私はため息をついた。
そろそろ16歳になる私は、国中の貴族が集まる魔法学園に入学しなくちゃいけない。
寮生活だから、男装グッズは持って行ける。だけど_
_私は、男装で入学したいのだ!
生前の私は、ハーレム要素が大好きだった。
ソード○ート・オン○インとか、Re:ゼ○から始め○異世○生活とか。
魔法学園でハーレム形成。神では?
最大の障壁は、母上。
でもバレたら多分ぶっ殺される。
常に扇で口元を隠している優雅な人だけれど、切れると扇で攻撃してくるんだよね。
この前、虫を捕りたくて早朝に屋敷を抜け出したら、お気に入りのティーカップを扇で一刀両断された。
…うん、母上に打ち明けるのはやめよう。
私はまだ命が惜しい。
寮生活だし、バレても多少は生き延びられるっしょ!
イケるイケる!
この時の私は、自分の軽率な判断のせいで_
_まさかあんなことになるなんて、思ってもいなかった…
◻️◻️◻️
「っしゃー!!入学じゃー!!」
入学式当日。
寮の自室に到着した私は、喜びのあまり叫んだ。
「ミア様、声量をお控えください」
傍にいた侍女のエマが、冷静にツッこんでくる。
幼い頃からお世話になっている、頼れる相棒だ。
勿論男装のことも知っているし、「ミア様がそれで幸せなら」と母上には黙ってくれている。
「めんごめんご!」
「めんご、とは…?」
「あ、死語か!」
「ミア様は、いつもわけがわからない言葉をお使いになりますね」
「照れる〜!」
「褒めていませんよ」
多少毒舌だけれど、きっとツンデレちゃんなんだよね。
可愛いヤツめ!
そんな気持ちをこめてウインクすると、真顔でエマが言った。
「お早めに支度を始めた方がよろしいかと。2時間後には入学式が始まりますよ」
「そうだった!やっばい!」
_私は亜麻色ショートカットのウィッグを被り、〝男子用〟の制服に腕を通した。
胸は元よりないので、サラシ要らず!HAHAHA!!!!
さぁ、私のハーレム計画の始まりだ!
◻️◻️◻️
入学式。
既にキャアキャアと女生徒に騒がれている男子が3人。
1人目。
ユート・クノガルド。
寡黙なイケメン。
涼やかに整った顔立ちで、クールな雰囲気を身に纏っている。
2人目。
リヒト・ロクサー。
チャラ男で軟派なイケメン。
女の子に手を振りまくっていた。ライバル認定。
3人目。
アレク・リードリッヒ。
一応、幼馴染。
でもめちゃくちゃ嫌われている。会う度「ブス」って言ってくる。
黙っていれば只のイケメンなのに、私にだけ異常に口が悪い。
この3人は、乙女ゲーム「トワイライト・プリンセス」の攻略対象。
そして、3人は腹違いの三兄弟。
シナリオ通りなら、全員王族の「アークライト家」だったはずだ。
私という異分子が入り込んで、どうやら彼らの運命にも大きく影響を与えてしまったらしい。
…この変化が、大きな問題を引き起こさなければいいけれど…。
…。
…まー、今んとこは何も起きてないし。心配しててもしゃーないしゃーない。
後は、ヒロインと接触しないように気をつけよ。
確か、東国出身だっけ?
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