第一話「私、やっぱりイケメンだと思うんだよね。」
「ミア・エルフィア。君は癖が強すぎる。男装癖に、妄想癖。もう僕はついていけないよ」
…そう言って婚約破棄されたのは、つい先日のことだ。
◻️◻️◻️
私の名前はミア・エルフィア。15歳。しがない公爵令嬢だ。
自分が、生前プレイしていた乙女ゲーム「トワイライト・プリンセス」の悪役令嬢だと気づいたのは7歳の時。
それからは、自分の我儘な言動を改めて慎ましく生きてきた。だって国外追放されたくない。
それが功を奏したのか、シナリオには無かった感じのいい青年と婚約することになった。その時私は12歳だった。
ゲームではラストまで独り身を貫いていたことを考えれば、出世したものだ。
_しかし、喜んだのも束の間。
私は、〝男装〟に目覚めてしまったのである!!!
◻️◻️◻️
〝男装〟と聞いて驚いてしまった人もいるかもしれない。
私は、別に男になりたい訳じゃない。ただ_
_イケメンが好き、それだけだ!
自分の中性的な美形に気づいてしまったのは、13歳の時だった。
鏡の中の自分をよく見ると、なんとまぁ綺麗な顔。
プロの絵師さんがキャラデザしてるのだから、当然ともいえるけど。
それまでは、ボケーッと野山を散歩してばかりで、鏡なんかろくに見ていなかったから気づかなかった。(生前は山岳部だったので、自然が好きなのだ)
そして私は、思ってしまった。
…コレ、いけるんじゃね?
◻️◻️◻️
最初は母上に内緒で侍女にウィッグを注文させ、それをいそいそと被るだけだった。
しかし、人間とは欲深い生き物である。
もっと、もっと自分好みのイケメンに_
無尽蔵に生まれる欲に、私は負けた。
負けた結果、男装癖が婚約者にバレた。
そして、冒頭の台詞に戻る。
まぁ、いっか。
婚約破棄されても、死ぬわけじゃないし。
むしろイケメンと美女、両方自分の顔で楽しめるの最高にラッキーじゃん?
可愛い女の子にモテまくって、ワンチャンハーレム作れるかも!
ウヘヘヘヘ、と脳内で涎を垂らしてふと気づく。
…男装で外に出てるのがバレたら、母上に殺されるんじゃ…?
母上は怖い。
生前のお母さんはヤンママだったけど、それの1000000000000倍怖い。
そして生前の私は、大して育ちがよくない。
いきなり淑女としての心持ちが何たらとか言われても、右から左へ流れていく。
ここまできたら、お分かりだろうか。
そう。私は母上に、マナーや振る舞いでボロクソに怒られまくっているのである!!!
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