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言わなきゃないことが沢山あるな・・

「言わなきゃないことが沢山あるな・・」


 ナコと俺は俺の家のリビングで向かい合っている。


「ナコ聞いてるか? 今ちょっとシリアスな場面だぞ?」


 驚きで放心状態になっていたナコは俺の言葉に急に我に返り首を縦に勢いよく振る。 


「まずここが俺の家なんだが事態が収拾するまでナコにはここに住んでもらう」


「えっとここがリーシェさんのお家なんですか・・」


「異空間系のスキルを持っていると言っただろう?」


「でもこんな見たこともないような・・」


「そこも今から説明する。だからまずは住むことを受け入れてくれ」


 ナコは1度だけ頷き真剣な顔で俺の顔見る。

 俺はまず偽装皮膚をはがしてから包帯を取って素顔をナコに見せる。


「最初に呪いなんだが、あれは嘘だ。魔道具だ」


「えっ!?」


 驚くナコ、しかし俺はお構いなしに続ける。


「これは俺が作った魔道具なんだ」


「はい?!」


「実は俺は使徒で創造神の加護とか鍛冶神の霊格とか色々持ってて魔剣直したのもその力だ」


「ちょっと待っ――」


「それとラオルの魔剣折ったのも多分俺で指名手配されてるのも俺だ」


「リーシェさ――」


「店の武器には全部俺の恩恵が与えられててそのおかげで耐久や切れ味が増している」


「!?」


 何か色々言いたそうにしていたナコが最後の俺の告白を聞いてそれまでとは比べものにならないほどの反応を見せた。


「じゃあ・・・リーシェさんがいないと・・」


「明後日分の商品以降は以前この街にあった消耗品の剣になるだろうな」


 俺の返事をきいてナコは勢いよく立ち上がる。


「それじゃあ御主人様の借金が!」


(この状況で真っ先にそれか、本当にカリファーはあの日いい買い物をしたよ)


「まぁ待てナコ、話は最後まで聞け」


 ナコは我に返ったように俺を見ると恥ずかしそうに座った。


「それに関しては俺に考えがあるから最後まで聞いてくれ」


 ナコはまた真剣な顔で頷く。


「まず店の方だがさっき言った通り明後日分までだその次からは言ってみれば粗悪品が店に並ぶ」


「そうなるでしょうね。商品が変わり始めた頃はまだいいかもしれませんがすぐに苦情はでるでしょうね、売り上げも――」


「短期なら売上は下がるが、長期的にみると今ほどではないがそこそこ商売にはなるんだ」


「!? どうしてですか?」


「どうしてもなにも俺達が店を始める前に戻るんだぞ? 消耗品の剣は1日に一人2~3本は買うようになる」


 ナコがハッとしているのを見た俺は少し得意気に続けた。


「だからカリー商会のことはひとまず置いておこう、俺達にはやらなきゃないことがある」


「やらなきゃないこと?」


 俺はナコの顔を見てフッと微笑んで言った。


「もちろんカリファーの借金返済だ、俺達の最初の目標だろ?」


 俺がそういうとナコが少し目を潤ませながら「そうでしたね」と鼻声で返事をする。


「そこで1つ案があるんだが確か商人ギルドの借金は物でも払えたよな」


 俺の問いにナコは袖で顔を拭きながら「はい」と答えた。


「それじゃあさ――」




 俺とナコは話を終えるとナコに部屋を選ばせてから倉庫にあるナコの荷物を取りに行く。

 ナコは荷物が本当に転送されてることに驚いてはいたが色々急に詰め込み過ぎたせいかリアクションはやや薄かった。

 荷物を解くのは明日にするように言って俺はナコにトイレと風呂、洗濯乾燥機の使い方を説明してまず風呂に入るように言った。


 ナコが風呂に入ってる間に俺は夕食の準備をする。


(明日からハードになるからちょっと豪勢にいくか)


 料理をテーブルに並べると綺麗になったナコが部屋着のような楽な恰好でリビングに戻ってきた。


「リーシェさん、お風呂ってすごいですね! シャンプーやコンディショナー、ボディソープどれもなんというか・・・すごいです!」


「そうか、まぁまず飯にしようぜ」


 ナコを落ち着かせて夕食を食べ始めると初めて食べた料理にまたナコが興奮しだしてそれを止める、そんなことを繰り返してこの日の夕食を終えた。

 ナコが片づけをするというので道具や洗剤なんかの説明をしてナコに任せ、俺は風呂に入った。

 風呂から上がるとナコはリビングで俺を待っていたようだった。


「リーシェさんあの・・」


「なんだナコ?」


「今日色々ありすぎてまだ言えてなかったんですけど、これからしばらくよろしくお願いします!」


「おう」


 俺は短く返すともう寝るようにナコに行って二人でリビングを出た。


「環境変わって寝づらいと思うけどしっかり寝ろよ、明日から大変になるぞ?」


「はい、大丈夫です。あんなふかふかのベット起きる方が難しいかもしれないです」


 ナコは笑いながらそう言った。それを聞きながら俺は「じゃあおやすみ」と自分の部屋の扉を開けた。


「リーシェさん、本当にやるんですね?」


「ああ。1週間以内にカリファーの借金をなんとかしないとマテーヌは商会として追加で金を借りる可能性がある。猶予がない」


 この世界の商人ギルドは妙なシステムで商会や商会の代表に借金がある場合は代表のサインと商会の関係者であると証明できるものがあれば代表以外でも追加の借金をすることができる。しかし商会、商会の代表に借金がない場合はどんな方法を使っても商会として借金することができない。

 一度売上が下がったらマテーヌが借金する可能性がある。その前にカリファーの借金を完済してこれ以上増えないようにしなければならない。


「本当に作れるんでしょうか?」


 ナコは不安な顔をしていた。だから俺はその不安を取り除くように明るい口調で言った。


「安心しろ、俺に任せておけば問題ない大丈夫だ」


「カリファー様みたいですよ」


 苦笑するナコを俺がジトっとした目で睨むとナコは逃げるように部屋に入っていった。


(必ず作って見せるさ)


 俺はそう自分に言い聞かせて自分の部屋に入った。





 それじゃあさ――      魔剣作ってそれで払おうぜ



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