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ほんとです、ほんとにこれで全部なんです・・

「ほんとです、ほんとにこれで全部なんです・・」


 大事な話の内容を話すように笑顔ですごまれた俺だが。結局全部しゃべった。

リーシェ自立独立計画を聞いたロノリアは諭すように語り掛けてくる。


「リーシェくん、あなたの面倒は私がちゃんとみるから好きなように生きていいの。無理に働く必要なんてどこにもないのよ?大丈夫、私が守るから」


 (就活しようとするヒモを心配するキャバ嬢みたいだな・・ん?ロノリアって一応飲み屋の女だから、みたいじゃなくてガチでそうじゃね?)


 まぁ目当ては俺じゃないんだけど、と俺は心の中でため息をついた。


「リアさんの言葉は非常に嬉しいと思っています。でも俺にはやるべきことがあるんですよ、使命と言ってもいいほどの!」


 (ちょっとクサい芝居だけどこれくらいの方が効果あるだろう)


 俺は内心ニヤニヤしながらロノリアの出方を待った。

するとロノリアは俺を心配するような表情をしていた。


「それはリーシェくんが神の使徒としての使命なの?」


 (はぁ!?・・・・この人久しぶりにやってくれたな)


「リアさん?何言ってるんですか?」


「惚けなくていいの!そうなんでしょ?教会に追われる聖女を守ったこと。異空間の中の見たこともない聞いたこともないものが溢れる家。そしてこの世界で衰退しはじめた技術を普通に扱えるということ」


 (え?待って待って聖女?誰それ!家はしょうがないとして、最後のは鍛冶の技術か!ヤバい1つわからんが2つは完全に自業自得だ)


「ちょっと待ってくださいリアさん、聖女ってなんです?それに家はなじみがないかもしれないですが鍛冶の技術はたまたまで―」


「大丈夫誰にも言ったりしないから。だからお願い私には正直に答えて!」


 瞳をうるうるとさせて真剣な顔でロノリアは懇願するように言った。


 (こんな展開予想してねぇよ、もう逃げ場もないじゃんか)


「リアさん、確かに俺は女神エリーエリー様にこの世界に送られてきた。でも使命なんてものはなくてただ俺に好きなようにこの世界で生きて欲しい、そのついでに俺の持つ知識をこの世界に広めてくれたら嬉しいと言われただけで使徒なんてもんじゃないんだ」


「創造神様の御使いなのね・・・そう・・そうなのね・・つまり使命なんて言うのは嘘だったのね?」


 (げぇ!はめられた!)


 突然いつもの笑顔に変わったロノリア、その圧力に俺は全力で頭を下げた。


「嘘ついてすいませんでした!」


「嘘ついてまで私から逃げたかったの?」


「そういうわけじゃないんですが、男のプライドといいますか人間の尊厳といいますか」


「まぁなんとなく言いたいことはわかるわ、私も少し過保護にし過ぎたとこもあるし」


「いつから気づいてたんですか?」


「リーシェくんの正体?随分前から使徒様が降臨なさるって教会側の人達が騒いでたのよ、その後この街で事件がおきてね?それを解決した君を私は疑っていたの。でも実際あってみたら変わった力はあるけど人間として普通じゃない?」


「は、はぁ・・もしかして貶されてます?」


「いいえそんなつもりじゃないわ、いい意味での普通よ」


「そうですか・・」


「それじゃ続けるわね?それでしばらく一緒にいてみようと考えたのそれがヴェルマ兄弟と戦ってもらうための修行ね。実際リーシェくんが普通の人間で無理そうと判断したら止めるつもりだったのよ?でも違った、異空間ハウスで見たこの世界の技術ではない魔道具。あれを見たとき私は確信したのリーシェくんが使徒でこの異空間は神々の世界を切り離したものだって」


 (えー!つまりなに?ずっとこの人の手のひらの上にいたの!?なんだよそれこの人なにもんだよ)


「極めつけは鍛冶の技術、石槍を作ったって聞いてた時からこれも怪しいと思っていたけどやっぱりリーシェくんは半年前に起きた謎の鍛冶技術の衰退の影響を受けていない。でも証明の駒は揃ったけど私からリーシェくんにあなた使徒?って普通に聞いたら逃げちゃうと思ったのよ」


 (あぁそっか・・・そこで――)


「そこで俺が使命なんて口走ったから・・」


「私は自然な流れでリーシェくんの正体の確認ができる、しかも女の武器を使って逃げられないようにしてね?」


 (こ、こえぇぇぇぇ)


「まぁ答え合わせはこの辺りにしておいてリーシェくんの仕事の話だけど、元々私にそれを引き留める権利なんてないわ。でもリーシェくんが私たちのことを気にかけて後ろめたく思ってしまうのなら私はあなたを送り出します」


「あ、ありがとうございます?」


 俺は目まぐるしく変わるロノリアの態度についていけずに戸惑いながら言葉にした。


「でもまだなにも決まってないでしょ?だからそれまではここから家に帰りなさい?」


「はい、わかりました」


「よろしい、それじゃあ今夜はもう遅いし帰りましょうか」


「へっ?うちにですか?」


「もうかなり夜も遅いから危なくて帰れないし、この店にはベットがないのよ?」


 (もしかしてこんな時間に説教始めたのも仕組まれたことなんじゃ・・?)


「わかりました、空いてる部屋ならどこでもいいので使ってください」


「あら?一緒じゃなくていいの?」


「いいんですか!?」


「ダメよ?」


 (勝てないわー)


「そういえば1つ聞きたいんですけど聖女ってなんですか?」


「・・・嘘をついたリーシェくんには内緒よ」


 (やっぱり勝てないわー)


 俺は門を開くとロノリアと共に家に帰った。


 こうして長い長い夜が終わった。

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