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魔王と元始の罪  作者: 長瀬 優太
全ての始まり
22/25

0:22  護る”モノ”

すいません 遅くなりました。

ユーグが、セリナを助けられない己の力不足に後悔を噛み締め、それでもセリナの元に駆けようとし、セリナが自身の死を覚悟した中、絶望に支配された森に、綺麗で、澄み通った声が響き渡った。


「光の精霊よ、悪しき者を拒みし障壁をもって、彼の者を守り給え⋯⋯【エクゼシア】」


その声に反応する様に、セリナに対して振り下ろされ爪を阻む、光の障壁が顕現した。

ヘルハウンドの炎の爪と光の障壁が激しくぶつかり合い、大気を震わした。


ユーグは、突如出現した金色の障壁に驚き、思わず、クレアの方を振り返えそうになってしまった。


「ユーグさん、立ち止まらないで! お願い、私を信じて」


しかし、そのクレアの力強い言葉を受け、セリナに向けて駆ける

そして、クレアは、先の精霊術に続き、再び聖句を詠唱した。


「光の精霊よ、守り人の四肢に躍動を与え、地を駆ける光とさせ給え。【クイック・ステットアップ】」


すると、キラキラと光り輝く光の粒子が走るユーグの元にまとわりつき、吸い込まれる様に消えると、ユーグの駆ける抜ける速度が目に余る程、飛躍的に上昇した。

そして、セリナの元に駆けつけると、急いで反転し、クレアの元へセリナを抱き抱えながら戦線を離脱した。その直後、その光の障壁にビキビキと徐々にヒビが入り、パッリンという音と共に砕け散った。


そして背後に、恐怖でブルブルと震えるセリナと緊張しながらもしっかりと敵を見据えているクレアを庇いながら、ヘルハウンドに相対するユーグ。しかし、実力差は歴然としていた。


(どうしてここにヘルハウンドが⁉︎ 奴は、もっと深い場所を縄張りにしているはず。⋯⋯だがそれよりも、自分では奴に勝てない。なら、)


「クレアさん、セリナを連れて逃げてください! 貴方の精霊術の器量ならこの森を抜けられるはずです。道はセリナが知っているはずです」


「ユーグさんはどうするのですか!?」


「自分は、ここで時間を稼ぎます」


「それは、ダメです。逃げるなら一緒に!」


「それこそダメです。こいつは、この巨体の割には、ものすごく俊敏に動けます。誰かが、足止めしないと全員ここで全滅してしまいます」


「では、私も一緒に戦います。誰かを残して逃げて生き延びるぐらいなら私も一緒に戦って共に果てます!」


「いい加減にしてくださいっ」


すると、それまで一度もクレアに対して怒声をあげなかったユーグがここで初めて怒声を上げた。


「自分は、貴方の護衛ですよ。貴方が死んでしまったらアルトリウス様は悲しむでしょう。それに自分は、こうなる事を覚悟していました。そして自分にとって一番の恥は、貴方を守れず死なせてしまう事です」


「人が、特に親しい人が亡くなってしまったら誰でも悲しみます。それはユーグさんも同じです」


「それは⋯⋯」


「それに、もし私達のせいで、貴方を死なせてしまったりしたら、私達は、もう二度と心から笑えません。そうなってしまったら、体は生きていても、もう心は死んでいます。だから私達の"心"も守ってください」


「しかし⋯⋯」


ユーグは彼女の言い分を理解していてもなお、未だに彼女と共に戦う事に迷っていた。

しかし、そんなユーグの迷いを断ち切るかの様にヘルハウンドがその前足を地面に叩きつけた。すると、前足から炎が走り、ユーグ達の退路を断つ様に、周囲を囲った。


退路を絶たれ、クレア達の心身共に守るには協力して戦うしか道が残されていないユーグはクレアの参戦を認めるのであった。


「⋯⋯分かりました。そのかわり、決して前に出ないでください」


「ユーグさんは正面に集中してください、貴方の背中は私が守ります!」


「では、行きます」


そう言ってヘルハウンドに向けてユーグは突貫していった。


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