第89話情報と笑顔の二刀流!〜ソルティナ奮闘記と、二人の“お姉様目線”〜
「ソルティナちゃん、厨房から出るの3回目!はい、笑顔で〜!」
「いらっしゃいっスー!領主様ご推薦、薬膳つけ麺・五香涼華でございまーす!」
今日も美月領にある**『湯けむりラーメン処 みづき庵』**は大繁盛。
その看板娘、ソルティナはお盆片手にホールを全力疾走していた。
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◆厨房も情報もフル回転!
「やっぱり今日は、スパ施設とのコラボ定食が人気スね〜。温泉タマゴ多めに仕込んだ方がよさげッス!」
「……情報早すぎでは?」
リリアーナが思わずつぶやく。
「しかも、配膳しながら他店舗の売上傾向と顧客層の統計まで……」
「すごいですわ……あの年齢で、すでに一流のマーケターの風格……!」
クラリーチェは頬に手を当てて、うっとりとした顔に。
「さすが“情報屋兼看板娘”。名は伊達ではないわね」
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◆ソルティナ、名(迷)探偵ぶりを発揮!
その日の午後。厨房にあった高級スパイスが行方不明になる事件が発生。
「ええっ!? たしかに今朝はここに……!」
「これは事件スね……!」
と、ソルティナがぐっと眉を寄せて腕を組む。
「現場検証と、犯人心理を逆算するッス!」
「なにその決めポーズ!?」
リリアーナが思わずツッコむ。
「朝の出勤順、調味料の残量、スパイス瓶の指紋痕跡……あとは、ラーメンの香りと胃袋の挙動から導き出すと……」
「出た、即席ソルティナ式胃袋スキャン!」
クラリーチェも笑いながら乗ってくる。
結果、犯人は――
「ソルティナちゃん、自分で別の棚にしまってました!」
「ぎゃー! やってもたー!」
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◆それでも、みんなの太陽。
「あははっ、でもソルティナちゃんがいると、店が明るくなりますわね」
クラリーチェが、小さな笑顔でつぶやいた。
「ええ。あの子、情報も回すし、場の空気も読める。何より、誰よりも“ラーメンを楽しんでる”」
リリアーナは腕を組み、真剣な表情に。
「……私たちも、少しは見習わなきゃね。もっと自然体で、美月様を支えられるように」
「ふふ、それにはまず――“おかわり”いってからですね!」
「食うんかい!」
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◆そして今日も、情報と笑顔を。
「お客様ぁ〜、ご注文ありがとッスー!今日もあなたに、薬膳ラブをお届けしまっす♪」
店の暖簾の向こう、笑顔で手を振るソルティナの姿に、二人はそっと口元を緩めた。
「ねえ、あの子……いつか、王都でも通用する看板娘になると思いません?」
「ええ。きっとなるわ。だって――」
「「美月様の背中を、ちゃんと見てるから」」




