第83話王国公認“休日マニュアル”編!〜すするな、休め!の号令〜
ある日の王都・王宮の会議室。
そこでは極めて重要な議題が話し合われていた。
「本日の審議事項は――『美月さまの休日、守れる気がしない問題』についてです」
「……おい、議題名、ちゃんとしろ」
「“美月女子爵の休養保障制度”な」
「つまり中身は同じでしょう!」
◆議長:ギルド長(今日もモヒカンがまぶしい)
◆王国側代表:リリアーナ
◆外国王女代表:クラリーチェ=フォン=リシェル
◆傍聴席:王宮料理人たち、美月薬膳拉麺の店長代表たち、チグー(膝に抱かれてる)
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◇序章:問題提起
「そもそも! そもそもですよ!」
バンッ!
リリアーナが机を叩いた。
「美月は……“休まない病”なのです!」
「は? 病気なの!?」
「ええ、“一日三杯までなら働いてもバレない症候群”です!」
「そんなの聞いたことないわよ!?」
「でも事実なのよ!」
クラリーチェが力説する。
「今日だって“試作スープちょっとだけ”って言って、気づいたら12杯分作ってたんですから!」
「しかもそのうち4杯は従業員に食べさせて“味見だよ~”とか言ってたんです!」
「ぐぬぬ……ラーメン愛が深すぎるのも問題か……」
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◇提案:休日マニュアルの導入
「だからこそ必要なんです。**“王国公認・美月女子爵の休日マニュアル”**が!」
「なるほど! それなら誰もスケジュールを割り込めなくなるな!」
「休日中に予定を入れた者には……罰則を!」
「よし、チグーの“耳ペチ”の刑でどうだ!」
「もっふぅー(訳:そこそこ効く)」
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◇休日マニュアル草案(抜粋)
1.【休日の定義】:
ラーメンを作らない・触らない・考えすぎない日。
2.【禁止行為】:
以下の行為を厳禁とする:
・“今日は休みだけど麺の香りだけ嗅ぎたい”
・“散歩中に地元野菜のポテンシャルがひらめいた”
・“寝言でスープの比率を唱え始める”
3.【推薦アクティビティ】:
・昼寝(チグーを抱くと効果が高い)
・散歩(食材の名前を思い出したら即帰宅)
・スイーツめぐり(でもカロリー管理は美月がしがちなので注意)
4.【スケジュール申請方法】:
・“美月が笑顔で昼寝してる様子”の報告書を提出することで、休日完了認定。
5.【特例事項】:
・緊急ラーメン外交が発生した場合、美月を起こす前にリリアーナまたはクラリーチェに相談のこと。
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◇制定と広がる波紋
「というわけで、今後すべての国務大臣、貴族、店長、美月の関係者はこのマニュアルを遵守すること!」
「従わなければ、ギルド長による“もやし掃除1週間の刑”です!」
「オレいつの間にそんな役割に!?」
「なお、第一号報告書“休日中の美月がかき氷にご満悦”は本日付で提出済みです!」
「すでに!? 早いな!!」
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◇美月本人は……
そのころ、美月は屋敷の中庭にて、のんびりとハンモックに揺られていた。
「ふぁ~……なんか、みんなが“今日は寝てろ”って言うから、寝てるけど……」
「チグー、かき氷もう一杯いく?」
「もっふぅっ!(※訳:いこう!いこう!)」
「……なんだか最近、休むのが“国の仕事”みたいになってる気がするけど、まぁいっか……」
美月はにっこりと笑い、氷のスプーンを口に運んだ。
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こうして制定された「王国公認・休日マニュアル」は、
後に“働きすぎ防止法・美月条項”として国の労働政策に多大なる影響を与えることになる――
というのは、また別のお話。




