第47話 ラーメン劇場、全国公演へ!〜研修と友情の一週間〜
「いよいよ全国展開ですわね!」
王都本店の研修会場で腕を組むのは、ラーメン劇場“副座長”を自称し始めたリリアーナだった。
「まずは、同じ味と演出を全国に届けるには、型を作らねばなりませんわ!」
「そのために……」と隣で台本を手にしたクラリーチェが続ける。
「マニュアルを作りましたわ! 麺の伸び率計算から、すすり方の角度、観客の反応分析に至るまで――完璧ですの!」
「角度って……すすり方の角度いる?」
「必要ですわ! 優雅さの表現ですもの!」
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◆研修会、はじまる!
全国から集まった劇場支店候補の店長や劇場演出希望者、約100名。
初日、さっそく事件が起こる。
「美月さまの名を冠する劇場に、我こそがふさわしいッ!」
突如壇上に飛び出したのは、自称“伝説のラーメン道化”ボボン・クレーマ。
彼は顔に麺を巻き付けた状態で登壇し、回転しながらラーメンをすするという特技を披露した。
「……不採用ですわ(即断)」
リリアーナが冷ややかにバッサリ切ると、ボボンは箸を落とした。
「なぜです!? 客を笑顔にする、それが劇場の本懐では!」
クラリーチェが前に出てにっこりと微笑む。
「わたくしたちは、“笑顔”のその先にある“癒し”を届けたいのです。派手さよりも――心に残る一杯を」
ボボン「……し、失礼しました……ラーメン、深い……」
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◆マニュアル講習・演技練習・うるわし箸指南!
「せーの、“こくっ”……はい、そこで静かに湯気を見る!」
「演者の目線とスープの温度は、語りの中核ですわよ!」
リリアーナの指導は厳しくも愛があった。
一方で、クラリーチェは語り手役やスープ配膳のタイミングについて、丁寧に教える。
「ここで“薬膳の香り”が一番引き立つ位置、ここですわ! 角度27度、注ぐ手元は利き手と反対から」
「に、27度!? あの、30じゃダメなんですか!?」
「27ですわ!!!」(即答)
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◆夜の反省会にて
研修3日目、全員ぐったりと畳に倒れ込んでいた。リリアーナとクラリーチェも、お茶を飲みながら静かに反省会を開いていた。
クラリーチェ「……リリアーナさま、わたくし、少し厳しすぎたかもしれません」
リリアーナ「いえ、むしろ見直しましたわ。まさかあなたが、ここまで情熱を持って仕切るとは思ってませんでしたもの」
クラリーチェ「それはもう、美月さまのラーメンのためですから」
リリアーナは、ふっと目を細めた。
「……あなた、最初は“ラーメンに人生を賭けるなんて”と、わたくしを睨んでましたのにね」
クラリーチェ「それは……その、ヤキモチ……もとい、誤解でしたのよ」
リリアーナ「ふふ……では、これからは一緒に“美月過労防止委員会”としても動きましょう」
クラリーチェ「もちろんですわ!」
2人はそっとグラスを合わせた。
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◆最終日――
100名の受講生の中から、40名が“劇場演出管理者”として認定。
さらに60名が「地域演出付き店舗」への配属が決定。
スタッフの中には、学院出身の懐かしい顔や、旅先で出会った冒険者の姿もあった。
リリアーナ「これで全国どこでも、“美月薬膳ラーメン劇場”を楽しめますわね」
クラリーチェ「ええ、ラーメンは国を超え、笑顔をつなぐのですわ!」
美月(ちょっとだけ不安だったけど……この2人がいれば、なんとかなるかも)
こうして――
美月薬膳拉麺の“笑顔劇場”全国化計画は、着実にその歩みを進め始めたのであった。




