第45話 行列エンタメ大作戦!〜薬膳ラーメンの待ち時間に、笑顔と学びを〜
冬、湯気立つラーメンが恋しい季節。
全国の《美月薬膳拉麺》各支店では、心も身体も温まるラーメンを求める人々で長蛇の列ができ、なかには三時間待ちの店も出始めていた。
王都本部にて、全国支店長を集めた“行列対策緊急会議”が開催される。
「せっかく来てくれても、寒さに凍えて帰られたら台無しだもんね……!」
美月が眉を寄せると、ギルド長も腕を組んでうなる。
「問題は“退屈”と“寒さ”だ。これをラーメン屋らしく、楽しく乗り越えられんものか……」
そこに挙手したのは、砂漠支店のジャバル。
「うちでは“湯気劇場”が好評です!ラーメンを題材にした影絵や寸劇を、湯気で曇ったスクリーンに投影するんです!」
「それは幻想的……! 香りも演出の一部になるわけね」
港町支店のカミラも微笑む。
「うちは“薬膳クイズ大漁旗”で勝負ですわ。お子さま向けに食材当てクイズ、正解したら“煮卵チケット”をプレゼント!」
「おお、それ欲しい!」
山岳支店のロザリオ店長は、たくましい腕を組みながら提案。
「俺んとこでは、薬膳ハーブの香り袋作り体験やってるぜ。あとは焚き火で“干し野菜スナック”を焼いて配ってる」
「焚き火って、すごくラーメンと相性いいのよね……チグーもよく温まりに行くし」
チグー「ぐるる♪」
そして――王都本店では、リリアーナが自信満々に胸を張る。
「もちろん、“ラーメン箸マナー講座”はわたくしの担当ですわ!」
「やっぱりリリアーナ、気合い入ってるなぁ……」
貴族向けの“音を立てない上品なすすり方”、庶民向けの“効率的に具を絡める箸さばき”など、幅広く指導。最近では、講座を受けた者に「麗箸カード」が配られ、コレクションする者も現れるほどだという。
そして、美月はまとめた。
「よし! これらを“行列エンタメ四大施策”として採用しましょう!」
◆四大施策一覧:
1.湯気劇場(各支店オリジナル寸劇+香り演出)
2.薬膳クイズ&体験(食材・調理法にまつわる知識)
3.焚き火ラウンジ(干し野菜・薬膳ハーブ・小休憩スペース)
4.麗箸講座(箸の所作から音の美まで、すする道を極める)
「ラーメンを待つ時間さえ、薬膳ラーメンの一部に!」
その言葉に、支店長たちが大きくうなずいた。
こうして、《美月薬膳拉麺》はただの食事処から、**“ラーメンの学びと芸術の場”**へと進化し始めたのだった――。




