第24話 リシェル王宮突入!美月のラーメン外交、スープから始まる友好条約!?
リシェル王国・王都リオンナ。
王宮の大理石の階段を、ラーメン娘と猫サイズのグレイベア(チグー)、それに上品な護衛兼指南役のリリアーナ嬢が堂々と歩くという、異様な一団がゆっくりと登っていた。
「リリアーナ、本当に私がこの服で大丈夫かなぁ……?」
「ええ。王宮用に仕立てた“清楚可憐な白地割烹着ドレス”ですもの。大丈夫、貴女らしさ全開で参りましょう」
「その“らしさ”が外交に向いてるかどうかはちょっと……」
「え? “可愛いは正義”ってわたくしの母が言ってましたけど?」
「リリアーナママ、強い……!」
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玉座の間には、すでに多くの王族・貴族たちが列席していた。
エリアス王子が声高に紹介する。
「我が王国のため、遥々来訪されたはるか異国のラーメン貴族、女男爵ミヅキ・アマギ殿!!」
(え、紹介されるとき“ラーメン貴族”って名乗るの!?)
小声で動揺する美月に、リリアーナがそっと囁いた。
「安心なさい、美月さま。そういう肩書はこの場を制すための“演出”ですわ」
「じゃあこの“味の使徒”って称号は……?」
「それも演出ですわ。あ、今度“麺帝”ってどうですか?」
「やめてやめて!!」
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その時、空気を変えたのは、壇上に座るひとりの人物――
「ふん、王子の“お気に入り料理人”が、そんなにすごいのかしら?」
それは王子の妹・王女殿下、クラリーチェ=フォン=リシェル。
エレガントなロングドレスに冷たい眼差し。
「王宮の晩餐に、庶民料理など……笑わせてくれるわね」
会場に、ピリッとした空気が走る。
が、美月はにっこりと笑って答えた。
「はい。笑顔になれるラーメン、たくさん作ってきましたから」
「……ほう?」
クラリーチェは眉をひそめつつも、美月の自信に少しだけ心を奪われる。
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◆ラーメン外交の決戦、開幕!
宮廷厨房にて。
「美月さま、具材はこちらに揃っております!」
「ありがとう。チグー、スープの香り、確認してもらっていい?」
「ぐるるっ!」
助手の王宮料理人たちが固唾を呑んで見守る中、美月は丁寧に仕込みを開始する。
「火霊草の香りがちょっと弱いかな……クラリーチェ王女が納得するには、もう少し……」
「ならばこれをどうぞ」
スッと差し出されたのは、リリアーナがこっそり用意していた“特級火霊草の実”。
「あなたのために、わたくしが育てたのですのよ。ふふふ、愛ですわ」
「ラーメンのために愛が向けられるって、すごいことだね……!」
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◆ラーメンの儀、執り行われる!
玉座の間に並べられたラーメン器は金銀細工の特注仕様。
クラリーチェ王女が一口、啜った――
「……!?」
その瞬間、王女のまなざしが揺れる。
「この……このスープは……香りと、脂の熱が……体を、包む……?」
「クラリーチェ様、無理に言葉にしなくても……」
「ち、違うのよ……なんか……ぽかぽかしてきて……」
その場の空気が、ふわりと温まる。
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王女のその一杯から始まり、王族、貴族、そして客人の大使たちまで――
全員が「ラーメン」に魅了された。
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◆晩餐会後――
「ぜひ、我が公爵邸にて毎週“ラーメン会”を開きたい!」
「美月殿、リシェルにも“美月学院”の分校を開設しないか?」
「むむ、いっそ“王国公認ラーメン使節団”を立ち上げようではないか!」
王族、貴族、各方面でラーメンを巡る動きが一気に加速する。
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その夜、美月は星空の下で小さく笑った。
「なんだか、大変なことになってきたなあ……」
「ええ。でも……それもラーメンの力ですわ」
リリアーナが隣でそっと笑った。
「国と国を繋ぐ、湯気の架け橋――美月さま、あなたこそ“ラーメンの女神”ですわ」
「そんな大層な……って、リリアーナ、目が本気だね?」
「はい、全力で崇めてますの♡」
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こうして、“ラーメン外交”は新たな一歩を踏み出した――
国も人も、階級さえも超えて。
美味しい一杯を、届けるために。




