第2話 GMさんの提案
GM『アリスさんちょっとお時間よろしいですか?』
「はい?」
家に帰って配信をしているとGMさんから話しかけられた。
このGMさんはいつもの人かな?
『おっ? サンセイか?』
『サンセイどうした?』
GM『少しお話ししたいことがあるんですが、プライベート放送とかに出来ますか?』
「プライベート放送?」
なんだろ?
『おっ? 秘密話か?』
『内容気になる』
『ネタバレ系の話?』
GM『まぁ、そんなところですね』
ふむ、つまり何かしら他の人達には内緒にしたい話をしたいってことか。
「お話しするのはいいですが、どうやってやるんですか?」
『コメント欄を開いて選択して限定にするんだっけ?』
コメント欄から選択……あっ、これかな?
「これでGMさんを選択して、限定、これかな?」
『ちなみに限定にすると他の人は見れなくなるから』
『急に見れなくなるんよ』
「あ、そうなんだ。GMさんそのお話ってどのくらいかかります?」
お話が終わったらまた続きしたいんだけど。
GM『早ければすぐに終わります。長くても30分はかからないかと』
『OK了解』
『そのくらいに戻ってくればいいってこと?』
『ちょっと休憩みたいなもんか』
「すみません。それじゃあ、そのくらいでお願いします」
視聴者さんたちに断って、GMさんを限定配信にした。
「これで大丈夫ですか?」
GM『はい。大丈夫です』
大丈夫みたいだ。
「えっと、それでお話ってなんですか?」
GM『その前に自己紹介を。私、VWOの開発責任者をしていますサンセイと言います。よろしくお願いします』
「あ、どうも。えっと、今はアリス? になっています。よろしくお願いします」
GM『アリスさんとお呼びすれば良いですか?』
「あ、はい。えっと、多分元の名前の方は出せないんですよね? それならアリスで大丈夫です」
GM『リアル情報のフィルターですね。例外には出来ていないので申し訳ないですがそっちでお願いします』
「例外なんてこともできるんですか?」
それがあるなら私のこと伝えられるかも?
GM『事情はわかっているつもりですので、助けになれるならやりたいんですが。そこも含めてのお話になります』
うん? どういうことだろう?
「どういうことですか?」
GM『以前、アリスさんのデータが見つからなかったというお話をしたのを覚えていますか?』
「あ、はい。不正かどうか? みたいな話をしていた時にされていましたよね?」
GM『はい、その時は本当に見つからなかったのですが、先日アリスさんのデータを発見することができました』
「えっ!」
私のデータが見つかった。
それは、つまり私がゲームのプレイヤーだったってこと!?
GM『しかし、そのデータは閲覧できないようにプロテクトがかかっていました』
うん? なんか雲行きが怪しい?
「えっと、プロテクト? のせいでデータが見れなかったってことですか?」
GM『はい。名前以外のデータ、全てが閲覧不可になっていました』
「開発者さんなのに見れないんですか?」
このGMさんは一番偉い人じゃなかったっけ? その人が見れないってどういうこと?
GM『確かに私はこのゲームの全権を持っていますが、その私よりも上位の権限があるんです』
「そんな人がいるんですか?」
GM『正確には人ではないですが、このゲームを管理しているAIになります』
「AI……」
GM『はい。流石にこの規模のゲームとなるとその全てを管理することはできず、大部分をAIに任せている状態なのです』
AIっていつの間にかそんなことまでできるようになってたんだ。
「つまり、そのAIが私を隠している? ってことですか?」
GM『状況的に見るとそうなります』
なんで?
GM『どうしてそうなっているのかはわかりません。もしかしたら最初データが見つからなかったのもAIが隠蔽していた可能性も……』
AIがなんでそんなことしてるんだろう?
さっぱり検討がつかない。
GM『ここからは仮説になりますが、今回アリスさんのデータが見つかった理由を考えました』
「私のデータが見つかった理由ですか?」
GM『はい。ゲームの進行によってプロテクトが一部解除されたのではないかと』
「ゲームの進行? この間の四天王との戦いのことですか?」
GM『はい。正直、どうしてそうなったかはわかりませんが、タイミング的に見るとなにか関係があるのではないかと』
「なるほど?」
ゲームの進行で、なんで私のデータが見つかるかわからないけど、状況的にそうじゃないかってこと?
GM『さっきも言ったように、これは仮説になります。ですが、一つの指針にはなりませんか?』
「そう……ですね。今は何もわかっていないわけですし」
時間が経って解決する問題とかでもない気がするし、たしかにやることがあるのはいいかも。
……うん。なんかいい気がしてきた。
このままアリスとしてそのまま生きていくっていうのもなんか違う気がしていたんだよね。
「でも、何をしたらいいんですか?」
ゲームの進行? ってなに?
GM『VWOではメインストーリーがあります、それを追っていただくのがよろしいかと』
あ、ゲームだもんね。ストーリーはあるか。
GM『当然、できるサポートはします』
ふむ、GMさんのサポート付き。
一人じゃちょっと不安だけど、詳しい人が教えてくれるならちょっと安全かも?
GM『その上で、ちょっとお願いがあるんですが?』
うん?
GM『VWOの公式配信者になっていただけませんか?』
……うん?




