第3話 公式配信者とは?
「公式配信者……ですか?」
どういうこと?
GM『簡単に言うと、このゲームの広告塔みたいな役割をしていただけませんか? ということです』
広告塔? なんかそれって結構大事じゃない?
そんなのに私が?
GM『とは言っても、あまり深く考えて頂く必要はありません、アリスさんには普通にゲームを続けて頂くだけで大丈夫です』
「そんなことでいいんですか?」
GM『はい。そもそも、ああしろ、こうしろというのは自由度を狭めて面白くないですからね』
「なるほど?」
GM『こちらからのお願いとしては、この放送の映像を宣伝として使う許可をいただけると』
「放送を宣伝にですか?」
GM『具体的にはPVや公式放送とかで見せる可能性がある感じですね』
ふむ?
GM『その代わりというわけではないですが、前のイベントのようにこちらから情報は提供できます。公式になっていただけるということであれば、さらに詳しい情報も教えることもできます』
「それは助かるかも?」
GM『まぁ、公式になっていただかなくても、前回と同様程度の情報は提供できますので。そこはご安心ください』
なるほど、つまり、公式になると他のプレイヤーさんには教えられない情報までくれるってことかな?
「それって大丈夫なんですか? その、セキュリティとか……」
GM『もちろん、放送で話す内容には気を使っていただく必要はあると思います。ですが、これまでの放送を見ている限りでは大丈夫と判断しました』
信用されたってことかな?
GM『すぐに答えが欲しいというわけではないです。突然のことで混乱されるのもわかりますし』
それはたしかにそうかも。
GM『ただ、受ける受けないに関わらず、ゲームの進行だけは続けていただけると助かります。先程の仮説のこともありますし』
ゲームを進行するとプロテクトが解除されるかもって話だっけ?
それは私にとっても大事なことだよね。
「えっと、どうすればいいんでしたっけ?」
GM『ひとまず、王都に向かってください』
「王都ですか?」
そういえばこの前、王都から来た人に挨拶をしたっけ。
GM『はい、次のイベントはそこで起こりますので、それに参加していただければ、またプロテクトが解除されるのではないかと思っています』
なるほど?
GM『具体的な行き方はお任せします。手段は色々とありますので、あ、視聴者さんに相談されても大丈夫です』
「聞いて大丈夫なんですか?」
GM『はい、私からお勧めされて王都に行くことになったとだけ。一応、公式の件は内緒にしていただいた方がよろしいかと』
私としても受けるかどうかわからない話は勝手にできないよね。
「わかりました。それじゃあ、相談してみます」
GM『頑張ってください。それでは、今日のところはこのあたりで』
「あ、はい。ありがとうございました」
GM『こちらこそ、引き続きよろしくお願いします』
では、ということでGMさんはいなくなった。
視聴者数が0になったけど。
えっと、
「これどうやってプライベート放送から戻ればいいんだろう?」
時間を見ると20分くらい話していたみたいだ。
30分以内で終わるっていうのは正しかったね。
「一旦切ればいいのかな?」
ひとまず、一旦放送を停止した。
ちょっと休憩した後に、いつも通りの放送を再開する。
すぐに視聴者さんたちが集まってきた。
『おつー』
『宣言どおりの再開でありがたい』
『なんのお話だったの?』
やっぱり皆内容が気になっているみたいだ。
えっと、公式云々の話はしないほうがいいんだよね。
なら、話せることは……
「えっと、内容を全部は話せないんですが、今後の方針についてアドバイスをもらいました」
『方針?』
『これまで通りの放送とかじゃなくて?』
『どんなこと?』
「えっと、王都に向かわないか? って話でした。なんか次のイベントがある? らしいので」
『あー、ワールドクエストか』
『最初の街のイベントほど大規模じゃないけど、基本的にはワールドクエスト追うってこと?』
『ええやん、あのイベントにアリスちゃんが参加するとどうなるのか気になる』
『正直、あのイベントは若干消化不良だったからな』
視聴者さんは察してくれた様子。GMさんが言っていたメインストーリーっていうのがそのワールドクエストのことかな?
反対されるとは思っていなかったけど、割りとすんなりだね。
まぁ、たしかに視聴者さんからすると、この街でずっと錬金術をして生活するよりは何かしらのイベント進めた方が楽しめるかもね。
私の場合は、命がかかっているんだけど。まぁ、それはいいや。
「それで、王都に向かうことにしたんですけど。どうやって行ったらいいですかね?」
GMさんに言われた通りに相談してみることにした。
『うん? 普通に行けばいいのでは?』
『そんなに遠くなかったと思うけど』
王都までの距離は歩いて3日くらいの距離だったはず。
『まてまて、俺たちの時とは状況が違うぞ』
『うん? どういうこと?』
『まず、アリスちゃんは、俺たちみたいに気軽にやばい道は通れないだろ?』
『あ、なるほど』
『そっか、俺たちなら最短距離を特攻できるけど、それも結構大変なのか』
最短距離?
この街と王都は安全な街道を通って歩いて3日程度だったはず。
それ以外の道となると……
「もしかして、北の山を突っ切るルートですか?」




