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白きオオカミを追いかけて.16
「立ち向かう力は残っているか?」
キョウスケは、立ち上がる。
「……ふ。ならば来るがいい。何度でも潰してやるぞ」
白きオオカミが咆哮する!
大気が震え、心臓が委縮する。
しかしキョウスケは揺らがない。
彼は、現れた“最強の敵”に立ち向かう――
「今度は“一緒に”行こう。――スクナ、行くよッ!」
「ハイッ、キョウスケ様!」
眼にも止まらぬ、白いオオカミの先制攻撃――
猛烈な火柱が、キョウスケの全身を焼き尽くす。
「やはり“防御”は見事なり。だが、それだけでは勝てぬぞ!」
火柱は、水の壁によって完璧に遮られている。
「――“ぐぬっ”!!」
なんと火柱が消えた!
「“今”だ! 僕の力を使って、スクナ! これで決める……もう一度、これが“最後の攻撃だ!」
スクナは不思議な言語で唱和する。
地面が、噴き上がる。
部屋の至るところで、凄まじい勢いの水柱が噴き上がる。
「ガ、ガアアアアアッ!」
伝説の白きオオカミは、美しいその胴体を幾度となく打ちつけられ、そして水がすっかり引いた頃には、ぐったりとして動かなくなった。




