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BECAUSE YOU ALWAYS STAND BY ME  作者: 古蔦瑠璃
最終章 その後
59/63

58 君の幸せな笑顔が見たい(4)

 梓が戻ってきたあとは、莫さんと司くんが出会ったときの話に戻った。

 莫さんは梓の質問に、こんな風に答えた。


「そうだね。出会ったときから僕はタオに惹かれていたと思う。ただ本当に艶っぽい何かがあったわけではないんだ。ただ、あの夜頬を腫らして途方に暮れて佇んでいた子どもが、打てば響くように僕の問いかけに応えて懸命に自分を取り戻そうとしていた姿に目を奪われて、気づけば目を離せなくなっていた。こちらは正義感とか義侠心のようなものですらなくて、ただわけもなく心が動いただけなんだ。いわば鳥を大空に放すような、動物を森に返すような、そういうことを自分の手でしてみたくなっただけなんだよ」

「簡単に言いますけど、そんな簡単なことじゃないですよね?」

「ん? 簡単でないっていうと?」

「ヤバいことに片足突っ込んでるとか思わなかったんですか?」


 梓の質問に、莫さんは柔らかく微笑んだ。


「えーとね、むしろ何が何だかわからないうちに巻き込まれてた。本当にタオはまだ子どもだったからね。表側に抱えていた怒りの激しさも、迷いも、混乱も、拒絶された悲しみも、不安や恐れも、反抗心とその裏に隠れていた自立心も、すべてが怒涛のようだった。あのときは彼、メカニックになりたいって言ってたんだよ。お父さんにそれを伝えたらそれを職業ごとものすごい貶されたんだって言って怒り狂ってた」


 自分はただ話を聞いていただけなのだと、莫さんは言った。


「僕は何かを言い諭したりアドバイスをしたわけでもなく、すべてタオが全部自分で考えて混乱しながら迷いながら言葉を紡ぎながら、彼自身で答えを捜していったのを、聞いていただけなんだよ。だからタオにとっては本当は別に僕でなくてもよかったのだと思うよ」


 多分だけど、そんなことはないんじゃないかなあ。ただ聞いているだけって案外難しいと思うの。あたしには多分できない。きっと何かの意見を言いたくなってしまうと思う。うるさくしないで静かに話を聞いてくれる大人って、そのときの司くんにはものすごい助けになったんじゃないのかな。

 そのときの司くんは、ないがしろにされたときの自我の取り戻し方なんて話なんかもしていたらしい。小坊だか中坊だかがすごく難しいことを言うと思って聞いていたけど、抽象的な話題じゃなくてもっと切実なもので、自分を不当に扱ってくる相手の行動原理を量るなんて方向にも話が向かったらしい。どうやってかお父さんのことを理解できればお父さんのことを許せるんじゃないかって、そのときの司くんは考えていたみたいだったって。

 自分の怒りの根源に哀しみがあることも、話しているうちに司くんは探り当てた。自分が大事だと思っていた相手から、そうと信じていたようには大事に思われていないことに気づく哀しみ。

 司くんのそんな話を聞きながら、あたしはどうしても梓のことを考えてしまう。パパの無理解に対して司くんが持っていたような怒りは、梓の心の中にはない。ママに対して怒りが沸かないことこそが、梓がずっと以前からママを信じ切れていなかった寄る辺なさを示しているように思えて、あたしはどうしても心が痛んで仕方がない。

 梓は何を思って莫さんに司くんとのことを聞いているんだろう。ちらちらと表情を盗み見るあたしには梓は気づいてなくて、一生懸命にただ莫さんの話を聞いているだけだ。梓にとってのいまの痛みを和らげる何かが、莫さんの話の中にあるんだろうか? 


 ちょうど1週間、司くんは莫さんのところにいたんだって。莫さんは昼間仕事に行って、帰ってきたらまだ司くんはそこにいて。一応莫さんは司くんが自宅まで帰れるぐらいの交通費は渡していたけど、司くんはまるでそれを使う気がなかった。

 そのころの莫さんのマンションはゲイ仲間の集まるちょっとしたサロンみたいな状態になっていたそう。だから普段はいろんな人が出入りしてたんだけど、ワケありの子どもを預かっていると伝えて、司くんが家に戻る気になるまでの1週間はとにかくみんなをシャットアウトしてた。


 そのあとこのことが大きな事件になって、仕事をやめたり、記者が押しかけたりのゴタゴタに巻き込まれたのだけれども、対外的には一応誘拐の疑いが晴れて、またぽつぽつと仲間が集まるようになったころ、ひょっこりもう一度司くんが訪ねてきたんだって。引っ越すことになったから、その前にお礼と謝罪がしたくて来たのだと司くんは言った。

 ちょうど週末で人が集まってて、中にはなんかヤバげな連中もいて割とカオスな状態だったから莫さん、その日は家に上げる代わりにお京さんのところに連れて行った。それがお京さんと司くんとの初対面で、そのときは司くんはお京さんのことをどうやら女の人だと思っていたっぽかったけど、わざわざ訂正するほどのこともないかと放っていたら、その後しばらく司くんはお京さんのことを女の人だと誤解したままだったらしい。


「あのとき顔の腫れがすっかり引いたタオを見て、あまりに綺麗な子なので驚いたんだ。ゲイコミュニティでは別に綺麗な子が特別モテるというわけでもないんだが、それでも不埒な輩は一定数いるからね。だからその日集まっていた連中にタオを会わせるのはマズい気がした。逆に京平は僕が知っている中では常識人というかモラリストだし、会わせても差しさわりがないと思って連れて行った」


 来客を放ったらかして莫さんがお京さんのところに行っている間に軽い窃盗があったりして、それをきっかけに莫さんはマンションの各部屋に内鍵をつけて、貴重品はリビングに置かないようにしたらしい。でもそれはまたあとで聞いた別の話なんだけどね。

 あとで聞いた別の話というのがもう一つ。

 莫さんが喫茶店を始めたきっかけだけど、失業も理由のひとつだけれどそれ以前からコーヒーただ飲みする来客が増えてきていたのもあって、お店を構えてコーヒー代を取るという方向性をクマさんがアドバイスしたんだって。そのあと何人かの仲間が手を貸してくれて、開業にこぎつけた。お店の名前も仲間の一人がつけてくれたらしい。お京さんはいまも昔もお店の風紀委員なんだって。

 話を戻すね。


 梓はたくさん質問をして、莫さんはそのすべてにきちんと考えて答えを返す。その日あたしは、そんなやりとりを傍でずっと聞いていたの。

 7年間ずっと恋愛感情は持たなかったのかっていう梓の質問には、莫さんはこう答えてた。

 一時(いっとき)気持ちがぐらついたことがあるにはあった、って。

 2年ほど前に、つきあっていた相手に書類を偽造されて無断で借金の保証人に仕立て上げられたことがあったそう。速やかに証拠を提出して書類が偽造であることは認められて事なきを得たんだけど、そのことも含めてゴタついて相手と喧嘩別れしたことで結構なダメージを食らったんだって。

 そのとき司くんが本当にさりげなくそばにいてくれて、それが心に沁みて嬉しくて、思わず手を伸ばしそうになったって言ってた。

 そして、とてもとてもアレな話なのだけれど、別れた相手というのが結構ハイレベルのクズで、蓋を開けると5股ぐらいされていたらしい。莫さんとはつきあっていたのとは別にホスト系かなんかに貢いでいたし(男性向けにもそういうお店があるらしい)、セフレもいたし、パパ活の相手みたいなすごい年上の相手もいて、なんかとにかくでたらめな人だったらしい。

 相手のでたらめさ加減が発覚したあと、感染症が心配だったので検査して、しばらくは恋活なんかも自粛していたとのこと。ひたすらストイックに過ごすうちにちょっと冷静になれて、司くんと近づきすぎることもなく無事乗り切れたっていう話だった。


「乗り切ったって言い方、変じゃないですか?」


 そう質問する梓に、莫さんは肩を竦める。


「まずタオは当時16歳だったんだ。犯罪だろう」


 いやいやいやいや、つきあうってそういうことだけじゃないよね? つきあうことの本質って、気持ちを伝えあって確かめ合うことじゃないの?

 裕希くんの話を聞いたときも思ったことだけど、ゲイの人たちってつきあうイコールそういうことをするって思っているっていうか、結構短絡的?


「タオの年齢のことはともかく、お互いに下心を持たずにそばにいられる相手は私にとっては貴重な存在だった。既得のものを手放したくないという欲が勝ったともいえる。どちらにしても欲だけどね」


 欲って言い方はなんか違う気もするけど、何がどう違うのかは指摘しづらい。

 2年ほど前だって莫さんは言ったけど、それって司くんが「俺にしとけ」って思ったって時期ともしかしたら被ってない? もしもそのときに莫さんが本当に手を伸ばしていたら、手が届いていたんじゃないだろうか。

 ふとあたしはそんなことも考えたけど、口に出すのはやめた。だってこの人は自分で決めて踏みとどまったってことだもの。両想いになれたかもしれないとわかっていても結果は変わらないんじゃないかと思ったから。

 あたしの内心をよそに、梓は違った質問をする。


「あの、藤永さんは違うんですか? あなたにとってお互いに下心を持たずにいられる相手ではなかったんですか?」

「京平とはもう少しだけ距離感があるからね。むしろ私がタオを拾った件がきっかけでいままでより打ち解けた経緯があるぐらいだ。タオは私にとってもっとずっと近しい存在だよ。どんなことでも打ち明けて話せるし、駄目なところもみっともないところも知られている。うまく言えないが、本当に大切な友人なんだ。もちろん京平が大事でないといっているわけではないし、京平は京平で大事な存在なんだけどね」


 また、莫さんはこんな風にも言っていた。


「タオにはゲイに対する忌避感はないけれども、といって特に興味も持っていないように見える。いわゆる同性愛に対しての火遊び的な好奇心みたいなものは片鱗もなくて、まったくニュートラルなんだ。だからずっとニュートラルなままでいてほしいとも思った。その方が彼がやりたいと思っていることの助けにもなるはずだ」

「司くんがやりたいことって、莫さんは知っているんですか?」


 思わずそう聞いてしまったあたしに、莫さんは首を振る。


「直接聞いたわけではないんだ。だから知っているのではなくて、あくまでも憶測だよ。間違っているかもしれない。タオはさまざまなの立場の同性愛者に尽力しようと考えているのではないかと思う。主に民事の分野だね」


 それから莫さんは微笑んで言い加えた。


「まあ、いまのタオは自分の進路に関しては秘密主義だね。照れのようなものもあるのかな。いま急いで確認しなくてもいずれわかることだから、じっくり答え合わせをしようと思っているよ」


 将来のことを楽しみにして眺めるのは、年下の友人を持つ醍醐味だね。なんて莫さんは言う。そういう意味では社交家の京平の方がずっとつき合いが広くて一日の長があるともいえるね、とも言ってたけど。


「梓さんは僕にとって初めての異性の友人になる。えーと、友人ってことでいいのかな? 間違っている? いまつきあっている相手ということになる?」


 梓は困惑顔で首を振る。


「別にその辺は漠然としてて全然かまわないんです。私があなたにとって目障りでさえなければ。いいえ、目障りでも別に構わないって思っているのかも。あなたにベクトルが向いている私の関心があなたにとって妨げにならなければ問題ないって、そう思っていたんです」


 梓の言葉をちょっと吟味しているみたいに莫さんは黙って聞いていて、少ししてからまた口を開く。


「僕は女性とプライベートなつき合いをしたことがほとんどなくてね。ずいぶん昔の高校生のころとかの薄っぺらいやりとりでしか知らなかったのもあって、どこかに女性に対する偏見みたいなものがあると自分でも思うんだ。女の人がアプローチしてくるときに言外に示唆してくる『わたしのことを見て好きになってほしい』というメッセージを苦手だとずっと思ってきたりだとかね。ただ最初に話をしたときの君からは、そういう押しつけがましさは感じなかった。だから自然に受け入れられたんだ。タオのことと君のことは関係ないよ。それはわかってもらえてるかな?」


 莫さんの言葉に、梓は黙って頷いた。


「君は私に関心があるだけだと言って、しかも実際に話をしてみたら質問ばかりで何か話を聞いてほしそうな風でもなかったし、話題もタオの話や菅生さんの話ばかりで、自分のことは何一つ話そうとしないし、何を思っているのかも言わないよね? だからきょう、鞠乃さんとの会話を通して感情の起伏が見える君は、僕には少し新鮮だったよ」

「それは多分、いまの私の芯がぐらついているせいだと思います」


 梓は真顔でそう答えて、さらに言い添える。


「修業が足りないんです」


 ねえ? なんの修行? 自分に対して無関心になる修行? 辛いことがあっても何も感じなくなるための修行?

 あたし、そう突っ込みたかったけど、莫さんと梓の会話を遮らない方がいい気がして、頑張って黙ってた。

 そしたら莫さんがこう言った。


「僕もね、君に関心があるよ。改めてだけど、友だちになってもらえるかな?」

「え?」


 梓はすごいびっくりした表情になって顔をばっと上げた。そしおもわずって感じで口にした。


「それはちょっと……考えさせてください」


 うん。知ってる。そこで拒否るのが梓クオリティだってこと。自分が一方的に関心を持っているうちはいいけれど、相手からも関心を持たれたり好意を返されたりにどこかで拒否感があるんだよね。

 うちの子気難しくてごめんなさい。ほんとこの人野生動物ばりの警戒心だね。参ったよ。

 苦笑いする莫さんと目が合う。あたし、こっそり肩を竦めて見せる。そうしたら莫さんは今度は人の悪い笑みを浮かべた。


「だったら鞠乃さん、梓さんの代わりに君が私と友だちになってくれるかい?」

「あたしでよければ喜んで」

「ちょっと待ってください!」


 慌てた声で梓が止めに入る。


「莫さんは鞠乃に関心あるんですか?」

「いや、私は鞠乃さんには特には。ただ鞠乃さんは君の友人だからね。今度また、君を連れて遊びに来てくれるんじゃないかな。将を射んと欲すればまず馬を射よと言うからね」

「そういうの、鞠乃に失礼じゃないですか?」 


 すっとぼけた調子の莫さんに対して、梓はとがめる声になる。

 あたし、むむっと口を閉じて、笑いそうになるのをこらえた。

 ていうか、むしろ梓の方が莫さんに失礼っていうか都合よすぎるよね? 最初に自分から押しかけておつきあいしてもらえませんか?って言ったのを忘れてるわけじゃないよね?

 いや、人の気持ちってどうにもならないものだから、拒否るなというのもなんか違う気がする。けどつきあってくれって言っていく時点で、相手からも気持ちを返されることは想定しておくべきことではないんだろうか。

 そういえば梓は前に言っていた気がしたね。絶対に自分のことを好きにならない相手がいいんだって。そもそもがアプローチした動機が不純っていうか歪んでる。やっぱり梓の方が莫さんに失礼だよね?


「失礼だったかな、鞠乃さん」

「いいえ、全然オッケーです。あたし、梓のいいところ、しっかりPRできますよ? この人自分じゃ性格悪いって思い込んでるみたいなんで」

「ちょっと鞠乃、何企んでるのよ?」

「ええ? あたし何か企んでるみたいに見える?」


 そう問い返したら頬っぺたつままれてムニムニされた。


「なんか考えてるでしょ。言いなさい」

「そうだなあ。じゃあ、莫さんと一緒に、アズちゃんを愛でる会を発足させるとだか? もちろん司くんも強制参加で。……って痛いよ梓、そんな強くほっぺ引っ張んないでって」

「くだらないことを考えるのはやめなさい」


 むにっともう一回引っ張ってから梓はあたしのほっぺから手を離すと、吐き捨てるように言った。

 そうかなあ。くだらなくはないと思うけど。自分でも開き直りの極致だとは思うけどね。

 あたしは梓といられたらそれだけでもう幸せだけど、梓はあたしといることでは満たされない。このことは心をえぐるつらい現実だ。とはいえ満たされないでいるものを、満たされろと強要するわけにもいかないからね。

 それでもあたしは幸せに笑ってる梓が見たいんだよ。梓には満ち足りた穏やかな日々を送ってほしい。そのためにあたしにできることが何かないかを捜していたい。自分一人じゃどうにもならないことは、協力体制でやっていくしかない。


「もう、ほっぺ腫れたらどうしてくれんの。司くんみたいになっちゃう」

「ん? タオがどうかしたのかい?」


 あっ、これはまだ莫さんが知らない話題だった? さっきの大人たちの会合では話題にならなかったのかな? もしかしたら菅生さんも千鶴さんも知らない?

 いや、さすがに保護者には連絡が行くよね? でも菅生さんが知ってたらもっと騒ぎそうだし、千鶴さんのところで情報が止まっているのかな?


 司くんが国原さんの復讐の標的にされたことを、あたしは簡潔に説明した。莫さんは難しい顔をして聞いていて、そのあとは黙って考え込んでいる風。


「それに関して司くん、裕希くんにどう伝えたらいいかって悩んでました。裕希くんがどう受け取るかわからないからって。自分のせいで国原さんが壊れたって思うか、思ってたよりずっとヘンな人だったんだって納得するか、どっちだかわかんなくて。わかんないっていうより、どっちかっていうと裕希くん自分を責めちゃう方じゃないかって。でも話さないわけにはいかないし、気が重いって」


 国原さん、忘れたころにしれっと裕希くんにコンタクトを取ってくる可能性があるからね。情報はきちんと共有しておかないとね。


「まったくタオも人の心配をしている場合かよ」


 莫さんは難しい顔のまま、ぼそりとそうつぶやいた。


「あっ、あの、司くんは大丈夫だと思います。人に話してああだったこうだったって説明もできて、うまく言えないけどメンタル的にもちゃんと自分で立て直しできてるって感じだったから。さっき莫さんは司くんがゲイに対してニュートラルな目線だ、みたいに言っていましたけど、これがきっかけで偏見を持つとかもないと思います。ヘンな人って別にゲイにもストレートにもいると思いますし……」


 話しているうちに、ちょっと自信がなくなってくる。司くん、本当に大丈夫だよね? けど、「こんなのなんでもない」って強がっている人より、「結構ダメージ受けた」って素直に言えちゃう人の方が逆にダメージ少ないような気がするの。怖い思いはしたと思うけどね。

 莫さんはあたしの言葉に対してそれ以上は何も言わず、話題を変えた。


「しかしそうなると、梓さんがここに住むっていうのはかえって心もとない気がするな。もともと許可が出ないであろう案ではあったんだが、万が一許可が出たとしてもだ。多分僕も恨まれてるだろうし、君はタオにそっくりではあるし」

「ご厚意はありがたいんですけど、もともと私は寮に入るつもりですし、その人と私が直接かかわることはないと思います」


 そんな風に梓は答えて、やっぱり莫さんに苦笑いされてた。

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