散歩の千二百三十五話 各地から来た人の帰郷と新しい二つ名
新聖教皇猊下のお披露目を兼ねた炊き出しの翌日から、各地から集まった聖職者や票の原本を運んできた聖騎士団が順次帰路に着きます。
そのため、大聖堂には帰路の挨拶に来た数多くの聖職者でごった返していました。
「王妃様、僕達は明日王国への帰路に着くんですよね?」
「そうじゃ。この状況で、無理して帰る必要はないぞ」
僕達は、祭壇前で挨拶に来た聖職者を見送っていました。
王妃様だけでなく、スー達も一緒です。
フラン達は孤児院に行って子ども達と遊んでいて、うちの馬はアオとシマちゃんと共に大聖堂の入り口で警備をしています。
「シュン様、とても美味しい料理でしたわ」
「そうですわね、皆様方が羨ましいですわ」
僕はというと、スープの味の虜になってしまった聖職者に声をかけられていました。
ゲス枢機卿撃破の件でも声をかけられており、中々挨拶対応が大変でした。
あの、僕よりももっと凄い王国の王族がいるのですから、そっちに挨拶をして下さい。
王妃様とスーも、どうぞどうぞと挨拶に来た聖職者を僕に流さないで下さいよ。
こうして、午前中は忙しく挨拶対応を進めていたのでした。
「へふう、疲れました……」
「ははは、大人気だったのう」
「ええ、そうですわね。流石は『神の腕を持つ料理人』ですわね」
挨拶対応が終わると、僕は長椅子に座って思わずガクリとしちゃいました。
そして、王妃様とスカーレット聖教皇猊下が上機嫌で僕に話をしていました。
そうなのです、いつの間にか大層な二つ名が僕につけられていたのです。
しかも、自然発生的に生まれていました。
「あの、僕は冒険者で料理人じゃ……」
「シュンさん、もう遅いと思いますよ。それに、各地に戻る聖職者が噂を広げるのではないでしょうか」
スー、そんな事を言わないでよ……
僕は、またもやガクリとしちゃいました。
「ほほほ、神の名を付ける程シュンの料理が美味しいという事じゃ。実際に何も間違っておらんぞ」
「そうですわね。シュンさんの料理する様子ももの凄いですし、そう言われるのも仕方ないですわね」
あの、名誉聖教皇猊下も娘さんも親子揃ってニコニコしながら言わないで下さいよ。
自分で名乗ったら痛い二つ名だけど、人から言われたらかなり恥ずかしい二つ名ですよ。
ドタドタドタ。
「シュンお兄ちゃん、お昼ご飯を作って!」
「「「「「作ってー!」」」」」
すると、孤児院からシロや子ども達が僕のところにやってきたのです。
あの、皆さんもニヤニヤとしないで下さいよ。
僕は、よっこいしょと長椅子から立ち上がりました。
うん、ゾロゾロと聖職者がついてきたのは気にしちゃ駄目な気がしますね。
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