散歩の千二百三十一話 新聖教皇猊下の演説
スカーレット聖教皇猊下は、改めてマイク型魔導具を手にして集まった町の人に話しかけました。
「私は、人々の融和を進めたいと思っています。声高に自己の主張を叫んだ者により、聖教皇国は、そして教会は分断の危機にありました。しかし、いたずらに争いを起こしてはいけません。力による屈服も起こしてはなりません。非常に難しい状況かもしれませんが、それでも私は人々の心の繋がりを重視したいと思います」
ゲス枢機卿は、力と恐怖による統治を行おうとしました。
力による統治は、一次的にしか成功しません。
スカーレット聖教皇猊下は、そんな社会を是としないとハッキリと宣言しました。
町の人達も、スカーレット聖教皇猊下の話に聞き入っていました。
その後も式典は続き、無事に終了を迎えました。
町の人が大聖堂を出たタイミングで、僕達も応接室へと移動しました。
「皆さまのお陰で、こうして無事に式典を終えることができました。改めて、感謝申し上げます」
スカーレット聖教皇猊下は、僕達に深々と頭を下げました。
僕達は、身に降りかかってきた火の粉を払っただけだもんね。
すると、名誉聖教皇猊下も僕達に話し始めました。
「そなたらが私を治療したのも大きな事だ。仮に私が死ぬような事態になれば、町の者の怒りはゲス枢機卿へと向くだろう。そうなれば、血で血を洗う様な事が起こった可能性もある。そうならなかったのも、スーザン殿下やシュンの功績と言えよう」
名誉聖教皇猊下やスカーレット聖教皇猊下が監禁されて殺傷事件が起きた時は、とにかく目の前の事態をどうにかしないとと思っていた。
でも、確かに名誉聖教皇猊下が言った通り、住民とゲス枢機卿一派が激突していた可能性は否定できなかった。
そうなれば、ゲス枢機卿が大聖堂を襲った場合と同じくらい大惨事になっていたかもしれない。
何にせよ、平穏な聖教皇国を取り戻せたのはとてもよかった。
すると、スカーレット聖教皇猊下はこんな事を言ってきたのです。
「スーザン殿下とシュンには、名誉司祭を授ける予定よ。あくまでも名誉的なものだけど、結婚式の神父的な事は可能よ。もっとも、二人の結婚式の際には王国の教皇猊下が絶対に神父をやるはずね」
「「あ、ありがとうございます……」」
大層なものを頂いてしまう事になったが、結婚式の神父役なんてやる機会はないでしょうね。
その後も、ちょっとした雑談をしていました。
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