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序

はるか昔。


まだ人と神が、今よりもずっと近くに在った頃――。


――チリン。


どこからともなく、小さな鈴の音が夜風に溶けた。


その音に気づく者は、誰ひとりとしていない。


それが、長き運命の始まりであることを、この時はまだ誰も知らなかった。




※ ※ ※




人々は、妖魔と呼ばれる人ならざるものに脅かされていた。


妖魔は人の魂を喰らい、村を滅ぼし、街を焼く。


その力はあまりにも強大で、人はただ恐れ、祈ることしかできなかった。


だが――。


神は、人々を見捨てなかった。


朱雀。


青龍。


白虎。


玄武。


四柱の神々は、それぞれ人を選び、神力を授ける。


神に選ばれし者たちは妖魔を封じ、その封印の地へ街を築いた。


さらに結界を張り巡らせ、災厄が二度と人の世へ溢れぬよう、代々その使命を受け継いでいく。


やがて幾百年もの時が流れた。


人々は平穏を手にし、妖魔の存在すら昔話として語るようになる。


当たり前のように朝が訪れ、当たり前のように夜を迎える。


誰もが、それが永遠に続くものだと信じていた。


――だが、その平穏は、今なお誰かが守り続けている。


四神に選ばれし守護者たちは、人知れず結界を維持し、今日も静かに使命を果たしていた。


これは、そんな時代の物語。

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