第54話 娯楽はいろいろと
俺たちがエインダを下し、新たに煌星村を大陸に立ち上げて、三日が経った。
いまのところは、村の運営は極めて順調だ。食糧は、魚をはじめ、貝やエビといった海の幸を、小型漁業船が自動でとってきてくれる。果樹も豊富にそろっている。
水路も引いて、飲料水も確保。デミで作った居住棟に加えて、トイレや大浴場も建設済みだ。衣食住については、当面大丈夫な状態だ。
「リヒトさん。煌星村の住人たちに、トランプは好評みたいですよ」
「おお、そうか」
昨日、俺たちは何か娯楽をということで、デミでトランプとウノを増産して、煌星村に配ったが、どうやら気に入ってもらえたらしい。
「ねえねえ。せっかく、生活も一応は安定したことだし・・・・・・次は楽器とかどうかな?」
陽奈が、そんなことを提案してくる。
「ヨル、楽器とかは作れるのか?」
「そうですね・・・・・・木製の笛など比較的簡易なものは、作成可能です。ただ、トランペットやチューバといった金管楽器、エレキギターなどは、もっと多くの素材が必要です」
「へえ・・・・・・でも、笛だけでも楽しそうじゃん」
「そんなことより、私はスポーツがしたいなー。テニスコートとか、どうかな?」
「それも可能です。ただし、ラケット等は、木を切り出したものになりますが」
「うんうん、それでいいんじゃないの?」
それじゃ、まずはテニスコートでも作りますか。
♢
こうして、テニスコート作りが始まる。
創星村の裏の森林を伐採して、デミで地面を綺麗にならす。それから、白い小石を敷き詰めて、コート完成。
ラケットも、木を切り出して、ネットは強化繊維で作成。ボールも同様にして、創り上げる。
「よし、完成ね」
陽奈、葉月、楓、雫は四人とも出来上がったテニスコートを見て、満足そうだ。
「明日、煌星村にも作ってあげましょう」
「ええ。でもその前に、私たちで、ひとつプレイをしましょうね・・・・・・」
♢
そういうわけで、テニスをひとつ試してみる。葉月&陽奈VS楓&雫のダブルス。俺は審判側。
陽奈がラケットを振って、パコン、と小気味よい音が響き、ボールが跳ねていく。それを受けて返す雫。
「・・・・・・まあ、ボールもラケットも、きちんと機能しているみたいだな・・・・・・」
俺は、四人の試合を見守りながら、ひとりつぶやく。あまりスポーツの類いは、してこなかったし、興味もなかったのだが。この無人惑星という新天地に住むようになって、心境が変化したのか、ちょっと面白そうだなと感じてくる。あとで、俺も混ぜてもらおうかな。




