表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
52/76

第52話 大陸での農業


 どんちゃん騒ぎのうたげから一夜、俺たちはその次の日もせっせと働いて、新たな拠点――煌星村こうせいむらの開拓にいそしむ。


 創星村そうせいむらで一度経験があるから、思いのほか順調に作業ははかどる。水路の掘削作業も無事に終わり、水が通る。居住棟も、今後を見据えて百人分のキャパシティのを建てる。すべては順調そのものだ。


 しかし――ここでひとつ、問題が発生した。


「ねえ、リヒトくん。ケレス、ここに持ってくる?」


 土を耕して、畑をつくろうとしたときに、陽奈ひなから指摘を受ける。


「そうだった・・・・・・でも、ケレスは今、無人島だよな」


 万能耕作機械ケレス。畑の管理でも何でもこなしてしまう便利過ぎるマシン。


「ヨル、ケレスをもう一台作ることは出来ないのか」

「うーん・・・・・・残念ながら、現在私たちが確保している資材では、不可能ですね」

「そうか・・・・・・」


 この煌星村こうせいむらは、結構な広さを誇るから、農作業にはもってこいだったのだが・・・・・・。


 そんなとき、一人の三十代くらいの男性が、声をかけてきた。


「リヒトさん、どうしましたか? 何かお困りのようですが」

「ああ、実はですね・・・・・・」


 俺はかいつまんで事情を説明する。


 話を聞き終えた男は、あっさりとした口調で、


「なんだ、そんなことですか。だったら、ここにいるみんなで、畑を管理すればいいじゃないですか」

「あ・・・・・・でも、良いんですか? 俺たちばっかり、耕作機械を独占したら、悪いような・・・・・・」

「なに言ってるんですか。リヒトさんがいなかったら、我々はもう死んでいた可能性すらありますからね。それくらい、なんてことないですよ。それに、三十人以上いるんだから、なんとかなりますよ」


 にかっと白い歯を見せて笑う。


「ありがとうございます・・・・・・!」


 俺と陽奈は、何度も頭を下げる。


「リヒトさん。提案ですが、煌星村こうせいむらにアルテミスを置いておきましょう。汎用型ですので、畑に関する作業も、プログラムすればすぐに出来るようになります。アルテミスなら、あと二十台近くは作成可能ですからね」

「おお、それだ!」


 ヨルの言うとおりだ。ケレス以外を利用すればいいのだ。


「とはいえ、今後さらに大規模な農作業が必要とされるかもしれませんからね。そのときに備えて、アルゴスを飛ばして、他のゼウス号の残骸を探しておきましょう」

「よろしく頼む、ヨル」

「それでは、早速準備にとりかかりますね・・・・・・」


 そんなこんなで、煌星村こうせいむらでの農業については、以下のように決まった。


一、煌星村こうせいむらにおけるの宇佐作業は、住人たちによって行われる。

二、今後、万能耕作機械ケレスが他にも発見された場合、煌星村こうせいむらに優先的に譲渡する。

三、無人島でケレスによって収穫された作物は、その余剰分は可能な限り、煌星村こうせいむらに分配する。


「それでは、よろしく頼みますよ、リヒトさん」

「ええ、こちらこそお願いします」


 俺たちは、がっしりと握手を交わすのだった。

 


 その日の午後から、煌星村こうせいむらの裏手の平地に、くわを入れ始めた。


 約二十人ばかりの住人と、アルテミス三体が、並んで地面を耕している光景は、壮観だった。


 面白かったのは、手の空いた陽奈と葉月はづきが、みんなのためと麦わら帽子を編み始めたことだ。黄金色の帽子が、みるみるうちに増えていく。


 もちろん、残りのメンバー・俺やかえでしずくも遊んでいたわけではない。楓は新しく完成した居住棟の点検をしているし、雫はこどもたちの遊び相手でてんやわんやだ。


 そして俺も、自動釣りマシンを搭載した小型無人船の作成で、これまた大忙しだ。


 無人惑星での生活は、順調に進んでいく。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ