魔道具開発部の日常。7
私は方向音痴なので、紙の携帯を持っている。
レイト君が回線を繋いでくれて、少しの距離なら通じるようにしてくれたのだ。
「・・りつ、すぐ何かあったら連絡しろよ」
と、朝渡してくれたんだ・・。
すみませんね、レオさん・・。レイト君の心配性極まれりなんですよ。まぁ、二回も襲われたりしてるから・・ですけど。
レオさんは、私の紙の携帯を見て、
「え???これ、なに???聞こえるの???」
混乱しつつも、魔道具には食いつく。流石です。
「ちょっとした距離なら・・。もうちょっと遠い距離で会話できるのは、この間レイト君が作りました。販売までは、もう少々お待ちください」
「え、えええ??!!すごいね、レイト君!!」
「まぁ、その前にジルさんが・・」
ジルさんの名前を出した途端、逃げ出そうとするので、思わず腕を掴んでしまった・・。
「わ、わかるんです!!あの、お気持ちはすごく分かるんですけど、今ちゃんと話しておかないと、なんかダメっていうか、なんていうか・・、す、好きな気持ちは大事にして欲しいんです」
「で、でも・・」
「本当に会えなくなっちゃったら、後悔・・すると思います・・」
私は、こっちへ来て・・
多分もう帰れない。もし、レイト君があっちの世界にいたら・・?
ふと思ったら、怖くて仕方がなかった。
レオさんは、私の言葉を聞いて、ちょっと動きを止めた。
「ジルさん、お仕事って危険と隣り合わせなんですよね?何かあったら悲しいです・・。私は、まだレオさんと会って間もないけど、ジルさんも・・レオさんも、どっちも幸せでいてくれたら・・嬉しいです・・けど・・」
ああ〜〜〜、私のこんな稚拙な説得?言葉かけ??で、引き止められるのか??頭がグルグルしてしまうけれど、レオさんをじっと見つめると、レオさんも私を見つめていた。
「・・りつって、大人ね・・」
「レイト君には、よく子供扱いされてます」
「レイト君、見る目ないわね・・」
「う、う〜〜〜ん???」
まぁ、私を最初男子って思ってたしね・・。
きっぱり否定できないなぁ・・なんて思ってると、
「そこは否定しろよ」
あ、レイト君だ〜・・。
私の後ろからレイト君とジルさんが現れた。・・・もしや魔道具使った?気配を感じなかったけど・・。
レオさんは、ジルさんから顔を背けたけど逃げ出す気配はなさそうだ。私がそっとレオさんの腕を離すと、レオさんが私を見て、ニコッと笑う。
「・・今度、遊びに行くけど・・、お茶しましょ」
「もちろんです!待ってますね」
そういって、立ち上がってジルさんの腕を引っ張って、レオさんの隣に座らせた。
「・・手を握っておけば、いいと思いますよ」
ニマッと笑ってジルさんにいうと、すぐにレオさんの手を繋いだので、レオさんは真っ赤になるし、ジルさんも何なら顔が赤い。・・・人の恋愛というのはかくも見ている分には楽しいなぁ。
「今度、報告お願いしますね〜!」
そう言って手を振ると、ジルさんが小さく笑って手を振ってくれた。
レイト君が面白そうに私を見つめると、手を繋ぐので・・、私は大変恥ずかしいけれど、さっき大口叩いちゃったので、照れつつも手を繋ぐ。
二人から離れて、しばらく公園を無言で歩いているとレイト君が私を見て・・、
「会えなくなるって・・言ってたけど、どっか行く予定あるのか?」
心配そうに私を見る。
・・・・思わず、吹き出してしまった・・。ち、違うから!!
「なんで笑うんだよ・・」
ちょっと拗ねたようにレイト君が話すので、そういう顔は本当に10代らしくて可愛いなって思ってしまう。
「私、異世界から来たから・・」
そうポツリと呟くと、レイト君が驚いて私を見る。
そういえば言ってなかったなぁ、そう思って私もレイト君を見上げた。




