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天才と凡人は甘くない。  作者: 月嶋のん


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魔道具開発部の日常。8


初めて、異世界から来たとレイト君に伝えた。伝えてしまった・・!


「異世界・・・?」

「ミスクさんは、たまにいるって・・」


レイト君を見つめて話すと、私を上から下まで見て・・


「・・・・それで・・・」


なんか納得したの?

首を傾げてレイト君を見ると・・、


「小さいのか・・」

「ちょっと待った!小さいのは関係ないからね!?」


これは、個人差です!

いや、平均的な日本人の身長からしても、確かに小さいけども・・。ブスくれていると、レイト君が私の手をギュと握った。なんだろう?何かあったのかな?そう思って見上げると、複雑そうな顔をしていた。



「・・・もう一生家族と会わないって・・」


「ああ、言った事あるね。戻り方が分からないし、もう戻れないなら諦めるしかないなって・・、」



そう言いかけると、レイト君がぎゅっと抱きしめてきた。

こ、ここ公園です!!!天下の往来です!!

顔を上げて、レイト君を見ると切なそうなこっちを見てる。



「・・・戻る・・って、」

「戻らないよ・・、レイト君がここにいるし」



ちょっと眉を下げて笑った。

だって、もう好きになっちゃったし・・。ここから帰れると言われても、戻る気にならないんだもん・・。


少し目をウロウロさせてから、今だけ!そう思って、

抱きしめ返した。



「レイト君が好きだし・・・」



そういうと、レイト君が真っ赤になって天を仰ぐ。

だ、大丈夫か?



「・・・もう、早く一緒に住みたい」


「それは、あの、9ヶ月後に・・」



そこはね、否定させて頂きます。

と、カバンに入れておいた紙の携帯が抱きしめられていた拍子に落ちてしまった。レイト君も気付いて、腕を離してくれた。


携帯を拾ってカバンにしまうと、レイト君が私をまたじっと見てる。



「・・魔道具って、りつの世界にあったのか?」

「ううん、魔力はこっちに来てからあるってわかったくらいだし」


「じゃあ、どうやって携帯なんてものを作ったんだ?」

「え、ええええ・・・・」



数学2の女に聞くでない。

えーと、電気とかコイルとか、オームの法則とか・・ダメだ、どれも説明できる気がしない・・。レイト君は私を見つめて・・、


「ブレスレットの狼煙の効果って・・、りつの魔力によるもの?」


「へ?そうなの?あ、でも確かにミスクさんに魔力がこっちの世界の人とちょっと違うって言われたかも・・」


レイト君は、それを聞くと目がキラキラする。

あ、なんかすごく楽しそうですね・・。



「じゃあ・・、何か作る時にりつの魔力を込めれば、何か違う効果がつくって事か・・?!」


「え、そこまでは分からないけど・・」



まずい・・、これはレイト君の天才スイッチが入った?

そういえば、以前ここでカメラの話をしたら、スイッチ入ったな・・と、思い出した。


レイト君は、すっごくいい笑顔で私の両肩に手をおいた。


「・・実験するぞ」

「・・・デートはいいんですか?」



「・・・・デートしつつ実験するぞ」

「天才、無茶苦茶言うなぁ〜・・・」


思わず笑ってしまった・・。

なんか閃きが降りてきたんだな・・。そう思って、小さく笑う。


この天才に振り回される事になるんだろうな・・、まぁ、それもいいか・・と思うくらいには私もレイト君が好きなのだ。嬉しそうに手を繋いで、仕事場へ向かおうとするレイト君をちらっと見て思った。


と、突然レイト君の足が止まる。

なんだろうと思って、見上げると・・レイト君が急に真面目な顔をして、



「・・・こっちでは、一人にさせないから」


「・・・え、はい・・?」

「あと、・・・その、ずっと、好きだから・・」



あ、これはこっちの世界で一人で生きていく私を、守っていく・・って言ってくれたのかな?なんだか10代の不器用な優しさにちょっと泣きそうになった。



「うん、一緒にいてね」



そう言うと、多分一番いい笑顔で頷いてぎゅっと抱きしめてくれた。

・・それだけで十分、こっちの世界に来て良かったなって思えた。




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