天才と凡人は甘くない。(終)
レイト君と約束をして・・、大変真っ赤な顔で寮へ戻った私がミスクさんにあれこれ聞かれた。
・・本当に困る。
対レイト君用に何か作っておこうかと思った・・。
慌ただしく日々を過ごしつつ、あっという間に展示会の日になった。
展示会場は、以前レイト君と行った公園を使うらしい。
魔法で大きなドームを作り、そこにブースを作っての展示だ!魔法すごい!!
緊迫した空気の中、開催となったけれど・・パルクさんやジルさん、騎士団の皆さんの頑張りもあって、来場してくれたお客さん達は興味津々で展示会を見にきてくれた!
レイト君の作った物は、やっぱり目を引いた。
なにせ電話作っちゃったし。
GPS機能もつけちゃったし。
それ、言ってないよね?携帯にGPSついってるって・・。
一緒に付いてればいいかなって思ったらしい。天才の閃きすごすぎない??
ミスクさんの冷凍箱とアイスも好評で、アイスは食品会社の人が食いついた。食いついた・・。もちろん冷凍箱もだけど。
私とアル君の作った軽量カバンは、色んな会社の人から声が掛かった。
名刺の文化・・こっちにもあるんだね。
いっぱい貰って・・、どうしようと思っていたらパルクさんが、ささっと確認して・・「この会社は大丈夫です」って教えてくれた。騎士さん頼りになる!
ブレスレットと、蝶、そしてモーリスさんのチョークは騎士団が契約してくれる事になった!
パルクさんやジルさんの助けになってくれるなら嬉しいな。
そんな訳で、大盛況となった展示会。
過激な団体に怯える事なく無事に終えられ、見学にきた王様も大変満足だったそうだけど・・、忙しすぎて王様の姿を見られなかったのが、ちょっと残念だ・・。
一日中、いろんな人に作品を説明して、すっかりクタクタになって・・、なんなら燃え尽きた私とアル君。
「アル君、生きてる〜?」
「・・今日は終了しました・・」
「だよね・・・」
机に突っ伏して、私とアル君で呆けていると、ミスクさんとモーリスさんが可笑しそうに笑う。
「これからもっと大変よ〜」
「何でですか・・?」
「作品を改良する事になるから、また手直しの日々が始まるぞ」
モーリスさんがニコッと笑っていうものだから・・、私とアル君は青ざめる。え・・また手直し・・??後ろで片付けているレイト君が、私たちを面白そうに見て・・
「回線もその度に手直しするからな」
「「うわぁああああああああ!!!!!」」
叫んだよ・・。
二人で、大声で・・。
ま、マジかー!!!!あれを改良する度に、手直し・・気が遠くなる!!
レイト君はニヤニヤしながら、頭を抱える私の耳元でそっと、
「・・短縮案を採用すれば、手伝いも可能だが?」
っていうので、思いっきり睨む。
「そういった懸案は想定内なので、受け入れられません」
ぴしゃりと言うと、ちょっと拗ねた顔をするけど・・、サラッと言うでない。照れるでしょうが・・。顔が赤くなるのを誤魔化すように、箱に作品をしまっていく。・・うん、ドタバタ続きだけど、とりあえず無事に展示会ができて良かった。
次は何を作ろうかな・・、そう思うとワクワクする。
箱にしまい終えて、みんなで展示会を後にする。
ちょっと展示会を振り返ると、夕焼けに染まったドームが見える。来年も絶対行くぞ!って思いつつ・・。
仕事場で道具を片付けていると、いつの間にかレイト君と二人きりだ。
レイト君がそばにきて、ちょっと目元を赤くしつつ私を見る。
「・・・今度の休みデートしたい・・」
「あ、そういえばしてないね!!」
ハッとした・・。
私達、そういえばお付き合いらしいお付き合いをしていない。
「そうだね・・、じゃあ、今度行こうか」
「・・おぅ・・」
ちょっと目元の赤いレイト君が、ぎゅっと抱きしめてくるけど・・、背中に触れてくる手つきがなんか・・ちょっとあやしいんですけど。
ぐいっと顔を押して・・
「はい、離れて下さいねー」
「・・・なんでだよ!」
「・・・手つきがあやしいから」
「・・付き合う前より、距離ができてないか・・?」
気のせいだと思うよ?
ちょっと誤魔化すように手を握って、レイト君をみる。
「20歳までは、こんな感じでよろしく!」
そう言うと、レイト君は天を仰ぐ。
天才と凡人はそんなに甘くない。それでいいし、これでいい。
本編はこれにて終了です!
ブクマと評価本当にありがとうございます〜〜。毎回励みにしております!
おまけ話も書いていきますので、読んでいただけると嬉しいです(^^)
ささ・・、ブクマや評価がまだの方は、遠慮せず押して下さい(笑)




