天才と契約。
食事を終えると、レイト君が当然のように
「じゃあ、ちょっとこいつと話してきたいんで」
と、言って私の腕を掴む。・・え?手とかじゃないの??
驚いてレイト君を見上げるけど、無言で中庭へ連れて行くレイト君をミスクさんとアル君がいい笑顔で手を振っていた。
中庭の、ちょっと奥まった所にあるベンチにまで引きずられるようにして連れていかれる私・・。
「えーと、レイト君?」
ベンチに座った途端に、ぎゅっと抱きしめられた。
あ、あの!恥ずかしいんですが・・!!
レイト君は、ちょっと息を吐きながら・・
「・・・本当、無事で良かった・・」
そう言うから・・ちょっと、照れくさいけれど、嬉しい。
騎士団で過ごしていた時は、常に警備されていたし、なかなか二人で話せる機会がなくて・・。こうして二人きりになるのは、本当に久々だ。
「・・うん、レイト君も無事で良かった・・」
そっと、顔を見上げると嬉しそうに笑ってくれた。
「・・やっと話せた・・」
「・・それ、私も今、思ってた・・」
クスクスと笑うと、レイト君も小さく笑う。
そして、ちょっと真面目な顔つきになるので、不思議に思って見上げる。
「・・あのさ、展示会終わったら・・」
「・・うん?」
「・・一緒に暮らしたいんだけど」
「今、暮らしてるよ?」
私がそう言うと、はぁ〜〜って大きなため息をつく。
な、なんだよう!?だって、一緒に寮で暮らしてるじゃないか?!
レイト君は頭をちょっとかいて、目を逸らしつつ・・
「・・・一緒に部屋借りて、住みたい・・って意味・・」
そう言うと、顔がちょっと赤くなる。
あ、ああ!!!そういう意味だったんですね!!す、すみません・・すぐに分からなくて・・。思わず私も顔が赤くなった。
「ん・・、でもレイト君まだ18だよね?」
「・・そうだけど、部屋は借りられるし・・」
「・・いや、まだ10代とは・・」
レイト君が、思いっきり目を見開く。
いや、だって君・・まだ成人してないのに、一緒に暮らすって事は、その・・そういう事もするんですよね・・?言葉にはしないけれど、ちょっと顔が赤くなった。
「・・一緒に住むのはいいけど、20歳になったらね」
「は、はぁああああ??!!だって、付き合ってるのに・・」
「付き合ってるけど、キスまでで。」
キスまではいいですけど、それ以上はちょっと私の精神的にも無理だし。考えられないし・・。それに10代に手を出す?出される??のは、ちょっと道義的にまずいと思うし。
「・・・嫌だ」
レイト君が、ブスッとした顔でいうけど、私の意見はどこへいった?
あと嫌って・・あの、よく考えて言ってる?
結構恥ずかしいんですけど・・。
「まあまあ、あと一年半だっけ?二十歳になるの・・」
つまり、それまではまだ猶予があるというか、なんというか・・。
自分で言ってて照れるな、これ。
思わず俯くと、レイト君は肩口に顔を埋めるので、ドキドキしてしまう。
「・・・マジかよ・・」
「・・えっと、マジです」
流石に、そこは一線を引かせて頂きます。
レイト君は、鼻がくっつきそうなくらい顔を近付けるので、顔が真っ赤になってしまう。あ、あの・・近いんですけど。
「・・・短縮案は?」
「ないですね」
「・・・延長はしない?」
「・・そこは、しません・・多分」
うう、そんなに見ないで欲しいんですけど、目があちこち泳ぐ。
「じゃあ、契約は成立でいいんだな?」
「・・契約って・・、商談じゃあないんだから・・」
ちょっと冷静になってレイト君をみると、真剣に見つめてくるから・・、
「・・・20歳になったら、一緒に住むのは、はい、約束します」
そう言ったら、嬉しそうに笑う顔は10代らしい若人で・・、
可愛いなぁって思ったら、そのままキスされたのはいうまでもない。人前は本当に勘弁して下さい!!!




