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天才と凡人は甘くない。  作者: 月嶋のん


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凡人、帰る。


開発部一同は、ひとまず安全な場所に移され、その道中、事の経緯を教えてもらった。


なんでも、私が開発部に来る前から研究所は狙われていたらしい。

そこでパルクさんが魔道具開発部に入って、スパイもいるようだったので探っていたらしい。言ってましたね・・スパイ。


案の定、違う部署でスパイがいるのを突き止めて、

ジルさんに話をしたり、嘘を流して、撹乱していたけれど一度私がまんまと攫われてしまって・・、二度目はないとばかりに総力を上げて撲滅するために研究所に協力を仰いだらしい。



「・・・・・はぁああああ・・・・、す、すごい・・・」


ジルさん達のいる騎士団の詰所に通され、大きな部屋でパルクさんから話を聞いて目を丸くした私。


そ、そんな壮大な話だったの・・?

私、全く知らなかったんですけど・・。



パルクさんは、小さく笑って・・


「りつさんにも事情を話せれば良かったんですけど、まだいらして日が浅いし、素性をよく調べてから・・と思っていたら、思いの外事態が動くのが早くて・・、申し訳ありません」


「いえいえ・・、とんでもないです・・」


騎士の隊服を着ているパルクさんは、驚くほど馴染んでいる。

・・いや、本来騎士さんだから当然か・・。


隣に座るミスクさんは、少し申し訳なさそうに見て・・



「ごめんね、りつ。秘密って言われてたから、私も黙っていて・・」


「・・いや、私だと全部顔に出ちゃうと思うから、かえって良かったです」



そういうと、隣に座るレイト君が頷く。おい、こら。

レイト君も知っていたらしいけど、その表情筋どうなってるの?アル君も知ってたっていうし・・大人としてのプライドが若干壊れそうだ・・。


パルクさんは、私達を見て微笑み、



「ひとまず今回の件はカタがつきましたが、念のため騎士団で一週間は安全のため過ごして下さい。その後、研究所に送ります」



研究所に帰れる!?

パッと顔が明るくなって、笑顔になると・・両隣のミスクさんとレイト君に笑われた。


な、なんだよ・・。

嬉しいって思ったら、頬が緩むシステムなんですよ・・。パルクさんはそんな私に優しく微笑んでくれる。ほら〜、パルクさんは優しいなぁ〜、笑ってくれるだけだよ?



そうして、一週間騎士団のお部屋を貸してもらって、静かに過ごし・・・




研究所に帰ってきたどーーーー!!!!!

馬車から降りて、研究所を見ると・・、門構えが大分セキュリティ強化されていた。


門の前に立つと、研究所の人間か、武器は所持してないか・・を、

瞬時に調べられるようになったらしい。なにそれ、すごい。



みんなで仕事場に入ると、いつもの風景だ。

それだけで泣きそうになる。


「・・帰ってきた・・・」


思わずボソッと呟くと、レイト君に頭を撫でられた。


ドタバタと色々あったけど、すっかり私の居場所になった仕事場・・。

作業台に触れると、それだけで泣きそうになる。


モーリスさんは、いつもの作業台に行くと・・



「よーし!!!じゃ、あと少しで展示会だ!!実験するぞ!!」



ニヤッと笑ってみんなに言うので、私達も笑顔で頷く。

嬉しいー!!!帰ってきた!それも皆で!実験もできる!!


夕方、遅くまで実験をして・・、報告に来たパルクさんが私達を見て、「僕がいなくなった途端に!!」と怒られたのは、ご愛嬌です・・。追い立てられるように食堂へ行きました・・。



いつもの4人で夕食を取りに食堂へ行くと・・、もう嬉しくて・・

アル君が、私を見てニコニコ笑うと、



「嬉しいですね!」

「うん!!」



可愛いなぁ〜、変わらないアル君の微笑みにもホッとする。

後ろでレイト君が睨んでいる気がするけど、さらっと無視した。隣のミスクさんは笑ってた・・・。




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