凡人、驚愕。
黒ずくめの人達は、武器でなんとか攻撃しようとするけれど、円の中へは届かないとわかると魔法使いを呼べ!と叫ぶ。
そっとモーリスさんの側へ行って・・
「あの・・魔法攻撃は・・?」
「・・・・無効化できない。攻撃に特化した奴にしたから」
ボソッと小さい声で私とミスクさんに話す。
ミスクさんは、途端に顔をしかめる・・。わかる・・、わかるけど・・、今、その顔をしたらまずい・・。
何か・・何か攻撃できる物ないかな?
カバンの中を覗き込んで考える。
ミスクさんにそっと耳打ちすると、静かに頷く。
大きめの紙を出して、ささっと折り紙を折ると、黒ずくめの人達が身構える。
紙鉄砲を持って、立ち上がると・・
「・・・これ、あと3秒で爆発します!!!」
周囲の黒ずくめの人達も、モーリスさんも驚いた顔をする。完全ハッタリだ。
「え?いつの間に作ったんだ?」
「とりあえず・・急ごしらえですけど・・、行きますよ!3・2・・・」
黒ずくめの人達は、円の周りを一斉に離れて・・
私は思い切り腕を振り下ろした!
パァン!!!!
と、大きな音と共に、みんなが身構えた途端、円の外へミスクさんがモーリスさんを引っ張って出ると、持っていた魔道具の紙を黒ずくめの方へ投げて、
『動きを停止!!』
そう叫ぶと瞬間、黒ずくめの人達の動きを止めた。
そのまま私達が扉の外へ出ると、「待て!!」「逃すな!!」という声が聞こえるが、無視である。
誰が待つか、周囲を見て右手の階段に誰もいない事を確認して3人で走っていく。目指すは馬車が待機してある裏手の門だ。
階段を降りた瞬間、騎士さん達が走ってくる姿が見えた。
「良かった・・!!こちらへ・・」
そう言われ駆け寄ろうとすると、ぎゅっとミスクさんに腕を後ろへ引っ張られた。
と、その目の前に、剣が落ちてきた。
落ちてきた??!!!
上を向くと、黒ずくめの人達が階段の上からこちらを睨んでいる。し、しつこい!!!
階段の後ろから、人が下りてくる音が聞こえるし・・、上の方では黒ずくめが剣を構えている。ど、どうしよう・・。
「りつ!!」
ミスクさんに呼ばれてハッとすると、どこからか現れた黒ずくめの人が私の方へ剣を振り下ろそうとしている!
斬られる!!咄嗟に腕で顔を隠そうとすると、
バシュ!!!
と、音がする。
瞬間、剣を持っていた男が倒れた。
え・・?倒れた??
ミスクさんが、「頭を下げて!!」そう叫ぶので頭を抑えて下げると・・、バシュ!バシュ!!!と、音が聞こえるけれど、もう怖くて目を瞑ってしまう。こ、怖いよ〜〜!!早く終わって〜〜!!!
音が一旦止んで、目をそっと開けると・・
「りつ!!!」
レイト君が慌てて駆け寄ってきた。
え・・?レイト君・・??間に合ったの?
ジルさんが、他の騎士さんを連れてドッと入ってきて、「上だ!!」と指示して周囲を警戒しながら、動かなくなった黒ずくめの人達をドンドン抑えては、外へ連れ出していく。
ぽかんとする私達を、レイト君と一緒に入ってきたパルクさんが外へと誘導する。
外には、黒ずくめの人達が縛られてひと塊りにされて囲まれている。
え・・・、終わったの・・・?
パルクさんの顔を見ると・・
パルクさんは、私の顔を見て柔らかく笑う。
「頑張りましたね。一網打尽です!!」
「ほ、本当に・・・??」
思わず確認してしまった・・。
だって、まだ上にいたし・・。
レイト君が、私の頭に手を置く。
「・・こっちに来るように仕向けてたらしい」
「・・え!!??」
驚いてレイト君をみると、モーリスさんはシャツの汚れをパンパンと払いつつ・・、パルクさんを見ると、
「大分敵さん、来るのが早かったなぁ〜!」
「そこは、すみません・・」
え?え??どうゆう事??パルクさん知ってたの??
ミスクさんを見ると、クスクスと笑っている。
「パルクさんね、騎士団の副団長さんなの。しばらくこっちで様子見してくれてたのよ」
「ええええええ???!!!」
思わず目を丸くしてパルクさんを見ると、
「敵を欺くには、まず味方から!ですしね〜」
と、笑顔で話すけど・・ええええーーー???!!
レイト君をみると、可笑しそうに笑っていた。ええええ、知らないの私だけ???!!




