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天才と凡人は甘くない。  作者: 月嶋のん


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凡人、とにかく実験。


午後は鶴の大量生産と、飛行の実験である。

なんなら雨の代わりに、ホースで水を撒いてアル君と飛ばしたし、でっかい団扇みたいなのを持ってきて、風を起こしてみた。


完全に変な人だな・・。


アル君と、散々実験して黒と、金、白の色で作った紙でよく飛ぶ事が分かったので、それを使って鶴を折って、なおかつ届けたい相手に届くように作ろうとなった。


ブレスレット&鶴・・・。すごい組み合わせだ。


午後はあっという間に過ぎて夕飯だ・・。

ヨロヨロしながら夕飯を食べると、レイト君が引きずるように私を中庭へ連れて行った。



「あの・・中庭で何を?」

「お前・・、ほっといたらずっとアルと実験してんだろ」


ええー・・、だって作りたいし。

早く形にしたいし・・。

そう思って、レイト君を見ると・・、あ、拗ねてますね。そうでした、お付き合いしているのに全然構ってませんね。


中庭のベンチで二人で座りつつ、街並みの中に沈んでいく夕日を二人でぼんやり見る。研究所の人達は、食堂で夕飯を取りに行ってるので、中庭はほとんど人がいなくて、大分静かだ・・。


うん、落ち着いてていいかも。

レイト君は、そっと私の手を握って


「あんま・・無理すんなよ」


と、照れ臭いのか、前を向いて呟く。

10代、随分優しいなぁ・・。

ふふっと笑って頷くと、頭をわしわし撫でられたんだけど、私は君より年上です。


たまにはやり返してやろうと思って、レイト君の頭をわしわしとおもむろに撫で返すと、驚いて私を見る。


「な、なんで・・」

「何でって、たまにはやり返してみようかと・・」


え?

反撃されると思ってなかったの?


なんか面白くなって、ニマッと笑ってまた撫でてみると、みるみる大人しくなった。これは・・、面白いな!そう思って、ちょっと撫で続けていたら、真っ赤になったレイト君が出来上がってしまった。



「・・・もうやめろ・・・」


って、小さい声で言う姿に・・思わずキュンとしたんだけど。

え・・、すっごい真っ赤になって黙ってしまったレイト君を見て、男子なのに可愛いんだけど?これは萌えというやつか?



今度、またやり返してやろうと思った。

っていうか、絶対やろう・・。すごく可愛かった・・。




そうして、翌日中庭に騎士団の人に集まってもらった。

そう・・・ブレスレットの実験である!


実験と聞いてジルさんも参加してくれた。

なんか嬉しそうですね・・。

アル君が警戒心を露わにしながら、私を守るかのようにジルさんを睨んでいる。・・えーと、多分大丈夫だよ?


ジルさんは、面白そうに私が持っているブレスレットを見る。


「忙しいのに、すみません・・、今日はよろしくお願いします」

「いやいや、先日捕まってたのにもう色々やろうとするの・・すごいよね」


「いえ・・、先日ご相談した件は無理だったので・・、何かやりたくて・・」


そう・・、GPSの件を無理って言われちゃって、やっぱりどこか納得いってなかったんだと思う。・・・結構、負けず嫌いだなって自分でも驚く・・。


ジルさんは面白そうに私をみて、ニコニコ笑う。


「うんうん、そういうめげない所、可愛いね!」

「・・・可愛い・・ですか・・?」


思わず眉をひそめると、アル君が私とジルさんの前に割り込んできて、


「はい、離れてくださいね〜。じゃあ、実験の手順説明します!」


と、テキパキと騎士さん達に説明を始める。

・・・しっかりしてきたなぁ・・。



色んな色や素材で作ったブレスレットを私とアル君で、騎士さん達に付けてもらって早速訓練してもらったが、阿鼻叫喚となったのは言うまでもなく・・。


しばらく私達の実験は、騎士さん達の間で「訓練より恐ろしい実験」と呼ばれたとかなんとか。


す、すみません・・・。



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