凡人、頑張る。
アル君との実験は、その日の夕方まで続けられたけど・・、どうしても明かりを魔力なしの人が付けられる回線を繋ぐのが難しいらしい。
アル君と、作業はまた明日にしようと話して一緒に片付けをする。
「また明日、たくさん星を折るね」
「はい!他にも何か灯りに適した形があれば、作って下さいね」
「うん、シンプルなのも考えてみる!」
アル君は、嬉しそうに星の折り紙を見ていたので、一つあげると喜んでくれた。可愛いなぁ〜。ミスクさんは、そんな私達をニコニコ満足そう見ているミスクさんの側へ駆け寄る。
「ミスクさん、お待たせ〜。じゃあ、夕飯食堂で食べていこ!」
「うんうん、あ、レイト君も一緒に食べようよ!」
後ろを振り返ると、デッカいレイト君は作業が終わったのか片付けをしていた。
「・・・いや、俺は・・」
「片付け手伝うよ、これ、あっちの棚に置いてきていい?」
私は片付けてもよさそうな物を選んで聞くと、レイト君はちょっと困った顔をしつつ・・
「・・じゃあ、お願いします」
「は〜い」
テキパキと片付けをすると、レイト君は私を見下ろしてポツリと、「ありがとう・・」と言うので、ニコッと笑った。デッカいけど、可愛いではないか。お礼がちゃんと言えるとはいい子だ。
「じゃ、りつ、レイト君ご飯行きましょ。お疲れ様でした〜!」
モーリスさんとパルクさんは、「お疲れ〜」と手を振る。まだお仕事するのか・・大変だな・・。そう思ってミスクさんを見ると、
「あの二人はね、魔道具馬鹿なの!作ってるのが好きなのよ」
「・・・ミスクさん・・」
思わず苦笑いして、レイト君を見ると不意に目線を逸らされる。あ、いきなり見つめられるのって苦手な感じかな?じゃ、気をつけよう。職場は穏やかに楽しく・・がいいもんね。
食堂に着いて、夕飯をもらってテーブルに着く。
本日はハンバーグだぁあああ!仕事が終わったらこんな夕飯にありつけるって、最高ではないか??肉汁が溢れているのを感動しつつ、パクパク食べる。
不意に天井のランプが目に入る。
これって、電気通ってるのかな?何でついてるんだろ・・。さっきの回線の部分は、私はまだ素人同然だから分からなくて・・、ひたすら折り紙を折るしかできなかったのがちょっと悔しかった。
「回線・・・分かる本とかあります?ミスクさん・・」
「あら?やる気があっていいわね〜、家に本、あったかな〜・・。
・・後で探して持って行くわ」
「ありがとうございます!」
「・・・え、ミスクさんの家に、いるんですか・・こい、あ、りつさん・・」
今、こいつって言おうとしたでしょ・・。ちょっと驚いた顔をしたレイト君を見る。まぁ、心配する気持ちもわかるよ、ミスクさん美人だもんね。
あ、もしかして好きなのかな?そうだよね!こんな美人、好きになっちゃうよね。
「そうなんだ、今、ミスクさんの家に仕事が安定するまでご厄介になってるの。あと、りつでいいよ。2つしか違わないし・・。」
「は、はぁ・・」
ミスクさんは、ニヤニヤしながら私達を見ているけど、何ですか・・?何か付いてます??顔をちょっと触って確認してしまった。ミスクさんはレイト君を見て、
「レイト君、今日のりつの作ったの・・どう思った?」
「・・・・そうですね、考え方は単純だな・・と」
「単純・・・」
うう・・天才の言葉のエッジが鋭角だ・・。
ちょっとハンバーグを見つめて、心を落ち着けよう。
「・・ただ、緊急時の灯りという着眼点はいいと思います・・」
思わず顔を上げてレイト君を見ると、またすぐ目を逸らした。
て、天才と呼ばれる人から、着眼点がいいと褒められた・・まだ一日目なのに・・。じわっと嬉しくなって、頬が緩む。
単純な私は、それだけで明日も頑張ろうと思えてしまう・・。




