天才、告白する。
天才を見つめると、頬にキスされるらしい。
えーと、10代の天才って、そういう生き物なの???
真っ赤な顔になっている私を見るレイト君は、ちょっと獲物を狙う動物のような視線だ。え、ええ・・っと?後ろの作業台に思わずぶつかってしまい、慌てて走って離れるように避難した。
レイト君は、それを面白そうに見て笑った。
「ちょ、ちょっと!!!何笑ってんのよ!!!」
「だって・・、すげ、必死・・・」
「ひ、必死になるでしょ!!あ、あんな事されて・・」
いかん、思い出したらまた顔が赤くなる!!
「だ、ダメでしょ?好きでもない相手にそういう事をするのは!」
笑いを堪えているレイト君を、赤いであろう顔で睨みつけた。好きでも付き合ってもないのに、そういう事するのはどうかと思うんだけど!
レイト君は、ふむ・・と頷いて私の方へ歩いてくる。
ぎゃあ!!!なぜこっちへ来る!慌てて、逃げようとしたら部屋の角に追い込まれた!!に、逃げ場〜〜!!
近付いてきたレイト君は面白そうに私を見て、
「・・・好きだったらいいのか?」
「す、好き・・だったら・・、まぁ・・?・・ん?ちょっと待って好き??」
驚いてレイト君を見ると、同じように顔が赤い事に気付く。
ドキッと胸が大きくなって、目が離せなくなる。
「好きだ」
「・・・・っへ?」
「りつが好きだ」
「ええ?どこで、い、いつ!?何がどうなって??」
完全にパニックである。
やっと私は自分の感情に、もしかして・・?って気付き始めた段階なんですけど・・、いきなり飛び越えてこられて、びっくりなんですよ!!若いってすごい!!いや、2歳しか違わないけど・・!!
「りつは・・?」
「わ、私・・・???」
それは、その・・分かってるんですけど、ここは仕事場でしてね・・?
いや、今二人きりですけど・・。
え、これ・・今答えないとダメな感じなの?と、目線でレイト君に訴えてみたけど・・、ますます熱っぽい目で見られるだけで、これは覚悟を決めねばならないのか?と思って、ゴクリと唾を飲む。
「あ、の・・・、す、好き・・・?かな・・?」
ぶっと、レイト君が思い切り吹き出した。
ひ、人が今、必死な思いで言ったのに!吹き出した〜〜〜!!???
「もしかして、か、からかってた?!ひ、ひどい!!」
「からかってない、んな事・・するか」
じゃあなんで、笑いを堪えてるみたいにこっちを見ているんだ。失礼な奴め。
ギロっと睨むと・・ちょっと照れ臭そうに私を見る。
「なんで、好きなやつをからかうんだよ・・」
「じゃあ、なんで笑うの」
「お前みたいに顔が緩んでるから・・」
「え?」
嬉しい事があると、頬が緩むシステム搭載してたの?レイト君も?驚いてレイト君を見る。
「・・・・嬉しいの?」
「当たり前だろ・・」
わしっと頭を撫でられて、一気に顔が赤くなった。
す、好きなのか・・本当に。
本気だったのか・・。
真っ赤になって、部屋の角で黙ってしまった・・。なんてことだ・・、ものすごく嬉しいって思ってしまってるぞ、私。
レイト君が、私を面白そうに見つめる。
「・・好きなら、キスしていいんだろ?」
「・・・・・今は、ちょっと無理ですね・・」
なぜなら、恥ずかしすぎて死にそうだからだ。ソースは私だ。現在進行形で死にそうだ。
「じゃあ、後でな」
「後でって、何??!!」
思わず叫んだよ!!
初心者なんだよ!?思いっきり初心者相手に、なんという急スピードで突っ込んで来るんだ!!心臓に悪い!死ぬ!!
レイト君は、可笑しそうに笑ってミスクさんの作業台へ戻っていき、私はようやく胸を撫で下ろした・・・。天才、心臓に悪い。そして、私はこの後どうなってしまうのだろう・・。
ひとまず、安全に逃げられる距離を保ちながら、作業台へ警戒しながら戻っていく私をレイト君は、また可笑しそうに笑って見ていた。く、くそ〜〜!年下のくせに!!!




