凡人、作品作り。
改良に改良を重ねてカバンがようやくできた〜!!
アル君と作ったカバンは、男性用に紺色、女性用に薄いピンクにしてみた。
「色んな色で作って、年代的に好まれる物も作りたいけど・・、まずは中身を入れて軽くできるようにしたいね」
レジ袋のような形にして、マチがたっぷりある形にした。
持ち手の所が、これだと脆弱か・・?いや、物が入っても軽ければ問題ないか・・。
「何キロまで入れられるかですね〜・・」
「流石に10キロとかだと、いざ作ると魔石を結構消費しちゃうから、5キロくらいかな」
5キロの重さを入れても、軽いなら・・大分助かるけど。
魔力は私があるから試作の段階は問題がないれけど、大量生産をするとなると、魔力を含む魔石を使うらしい。
出来れば、そもそもの魔力量を抑えた方がいい・・という事を、前回カメラを作った時、モーリスさんに教えられたのだ。
「そのうち、もっと丈夫で量も入れられて軽いまま・・のも作りたいけど、受注生産の方が効率がいいかもですね」
アル君は、袋を綺麗に折り畳みつつ、話す。
うん、誰が畳んでもコンパクトになったな。
「確かに・・、重い物を日常的に使う人の意見も知りたいけど、まずは一般の人に普及して欲しいしね」
ミスクさんが、興味津々で私達のカバンを見にきた。
本をよく買って帰るミスクさんは、当初からすごく欲しがっていたのだ・・。でもわかる、想定外の買い物をした時、ずっしり重いと、げんなりしちゃうし。
「ねーねー!できたの?ついにできたの?!」
「はい!!ようやく出来上がったので・・、これミスクさんに!」
そう言って、淡い花柄のカバンを籠から出して渡す。
「これ、いつものお礼です!私とアル君で作ったんです!」
「え、ええ〜〜!!いいの?!」
ミスクさんは、すごく喜んでくれて・・それだけで嬉しい。
私とアル君は籠を持って、パルクさんには薄いグレーのストライプのカバン、モーリスさんには、濃いグレーのカバン。レイト君には、もちろん濃紺のカバンを渡した。
アル君と、いつもお世話になっているから・・
お礼とデータが欲しい・・という思惑もちょっと兼ねつつ、密かに作ったのだ。
「はい!レイト君!いつもありがとう」
「あ、ああ・・、ありがとう・・」
ちょっと照れ臭そうにカバンを受け取ると、そっと広げる。
「一見すると、普通のカバンだな」
「そうなんですよね。でも、ここにタグを付けて「軽量」ってしてあるので、見分けが付くかなって・・」
「なるほど・・」
うん、私がいつもおっちょこちょいだから・・分かりやすい仕様にしただけだけどね。レイト君は、タグを見て少し感心したようにそれを見る。
「誰が見ても、分かりやすいように作るの・・大事だな」
「・・・!・・あ、ありがとうございます・・」
まさかタグが褒められると思わなかったので、ちょっと照れる・・。
アル君も嬉しそうに頷いていた。
モーリスさんが、早速本をカバンに何冊か入れて持ってみる。
「お!!本当に軽い!!5キロまでだっけ?すげーな、これ!!」
「十分の一くらいに感じるようにしたんで、計算・・死にそうでしたけど、頑張りました」
私とアル君で、その事を思い出すと・・げっそりした。
あの計算・・もう嫌だ・・。
後半、ミスクさんに泣きついて・・、ちょっと手伝ってもらったけど。
モーリスさんは、特許課にすぐに申請に行け!と言ってくれたので、すぐにアル君と走っていった。うまくいくといいな!!特許課の前でもちろん拝んでおいた。
アル君は、資料を取りに行ってから仕事場に戻る・・というので、私は一人で仕事場へ戻ろうと歩いていると・・
「りつ〜!久しぶり!」
聞き覚えのある声がして、そちらを振り向くとラフな格好をしたジルさんが立っていた。
「あれ?ジルさん??今日はお仕事、お休みですか?」
「そ、どう?普段着の僕?」
「え?普通に格好いいですよ・・?」
なぜ格好を聞くんだろう?
不思議そうに見つめると、ジルさんがニコニコ笑って頭を撫でる。
えーと・・私とあなたは同い年なはずなんですが・・・。




