天才は年下。
濃紺の髪をした人は、見上げるくらい大きい。
いや、私が小さいからなぁ・・。
よく顔を見ると、目がキリッとした感じの綺麗な顔をした男性だった。ひゃあ〜〜イケメンだな!モデルさん??そんな事を思いつつ、ぶつかってしまったので急いで謝る。
「・・す、すみません。大丈夫ですか?」
「・・大丈夫だ、あんたは?」
ミスクさんが書類を持って、腰に手を当てると、
「こ〜ら!レイト君!年上にそんな口の聞き方するんじゃありません!」
ミスクさんがそう言うと部屋にいた人・・みんなが一斉に私に注目する。
モーリスさんが、私をジロジロ見て、
「年は幾つだ?」
「・・・二十歳です。今年、成人しました・・」
「「「「えええええ??!!!」」」」
部屋中が驚きの声である。
濃紺の髪の背の高いお兄さんもびっくりして私を上から下まで見る。くそ・・牛乳飲んでたけど、背が伸びなかったんだよ!!眼鏡をかけたアル君が、眼鏡の位置を直しつつ、
「僕と同じ年かなって思ってました」
「あ、私・・小さいですしね」
あれ・・、待って?
レイト君とか呼ばれたこのお兄さん・・、私が年上って事は・・私より年下?!顔を見上げると、レイト君と呼ばれた青年は確かにちょっと幼さも見える・・・・?いや普通に大人に見える。西洋人っぽい顔立ちだし。
レイト君は、私を見下ろし・・
「・・・・・年上」
ポツリと呟きましたね。
ええ、年上みたいです、私。
ミスクさんは、周囲の反応が楽しかったのか、ニコニコしながら私の側へ来ると、腕を組んでモーリスさんを見る。
「じゃあ、モーリス部長!書類提出、りつと行ってきます!」
「はいよ〜、戻ったらこの間の実験、頼むね」
は〜いと、ミスクさんが返事をしつつ、部屋をさっさと出て行く。
「あ〜〜、皆の反応面白かったわね〜!」
「ミスクさん・・」
「あの「折り紙」!あれは、本当に色々出来ると思うの!」
ミスクさんはキラキラした目で私を見るから、つい笑ってしまう。
なんだか可愛い人だなぁ。
「魔道具って、生活に根ざしたものを作ったりするんですよね?」
「もちろんそれだけじゃないわ、武器とかもあるけど・・、そういうのは、あまり作りたくないのよねぇ・・、秘密だけど」
そりゃそうだ・・。
自分が作った物を、戦争なんかに使われるのはちょっと嫌だ。
生活にあったら便利なものか・・、何があるかなぁ・・そんな事を考えつつ、身分証を作る手続きに追われてバタバタして、気が付いたらお昼になっていた。
「もうお昼を食べてから、仕事場行きましょ」
「はーい!」
何もしてなくても、お腹は減る。
案内された食堂は、木造の広いホールのようになっていて、ランプがぶら下がっている。
「か、可愛い・・」
「そう?普通じゃない?」
溢れ出る海外感に、ちょっと感動しつつミスクさんに、トレイを持って「好きなおかずは3品、パンはお代わり自由!」という嬉しい説明をしてもらって、美味しそうな物を選んでトレイに乗せて、空いているテーブルに二人で座る。
お昼ご飯のおかずはどれも美味しくて、またも目が輝く。
「どれも美味しい〜!」
「ね!ここのいつも美味しいのよ!仕事終わったら、食べて帰りましょ」
「はい!!」
ニコニコして食べていると、先ほどぶつかってしまったレイト君がトレイを持っている姿を見つけた。
「・・・レイト君、大きいねぇ・・」
思わずボソッと言ってしまった・・。
ちらっとミスクさんもレイト君を見ると、違うテーブルに座ってご飯を食べていた。
「・・天才なんだけどねぇ・・、あの通り人を寄せ付けないからねぇ」
「へ〜、天才・・??」
「そ、魔道具作りでは、色々作り出して特許をいくつも持ってるの!あの年でよ?!」
「そういえば、レイト君いくつなんですか?」
「えーーと、今年で18歳かな」
たった2つしか違わないのに・・、あの大きい背・・。
思わず、そっちが羨ましくて堪らない私だった・・。ええーーーっていうか、18歳??大人すぎない??




