凡人、まったりする。
なんかよくわかんないけど、レイト君に頭を掴まれた。
「・・えーと、おはようございます・・?」
「・・・熱は?」
「あ、もうないです、はい」
ふむ・・と、頷くと、頭から手を離して自分の作業台に行った。
え、何?心配してくれたの?
大分、握力強かったな・・、そう思いながらアル君の方へ向き直した。
「えーと・・、で、カメラの素材だっけ?」
「・・・ああ、はい、こちらです」
アル君は遠い目をしつつ、私からちょっと離れて素材の紙とやらを出してくれた。色々な色があるけど、どれもメタリックな感じで光が当たると、キラキラと反射している。
「綺麗だね〜〜・・」
「これ、防水だし、熱にも強いんですよ。外で使うなら、そういう素材の方がいいかなって!」
「ありがとう!楽しみだな〜〜!」
早速いくつかカメラを折ってみる。
パチッといい音もするし、撮った感じがしていいかも。
何回かやって、大体20回くらいで音が鳴らなくなるので、20枚限定のカメラにしよう!と話して、アル君とその他の問題点とか、課題点を話し合う。
そんなこんなで、形や魔力量の実験をしてたら、あっという間にお昼だ・・。ミスクさんが手を叩いて、私達を見る。
「ほらほら〜〜!根詰めるのはダメよ〜!お昼食べに行きましょ!モーリスさん!!お昼食べてくださいね!パルクさんに後で聞きますからね!?」
「・・・はいはい」
モーリスさんは、渋々自分の研究道具を作業台に置いた。
ミスクさんの世話焼きが大いに生かされているな。
私もアル君と、一旦片付けて食堂へ行こうとすると・・、レイト君がいない。あれ?さっきまでいたのに・・。ミスクさんを見ると、
「あ〜、レイト君?なんか騎士団に手紙が届いてるか、確認しに行ったみたい。全く研究馬鹿なんだから・・」
思わず笑って、モーリスさんを見てしまった・・。
モーリスさんは、ぎくっとした顔をして「俺はいいの」って言うけど、ミスクさんが睨んでまーす。違うと思いまーす。
結局、ミスクさんとアル君とでお昼を食べた。レイト君、お昼大丈夫かな?ちょっと気になったけど、まぁ、子供ではないしなぁ・・。
昼食後、アル君は図書館にミスクさんは、魔法課に用があるというので、私は研究所の広い中庭のベンチに座って少しうとうとしていた。
広い芝生には、研究所にいる人達も思いおもいに休んでいて、昼寝している人もいた。わかる・・。今日は暖かいし、最高のお昼寝日和だ・・。
私もちょっと寝ようかな・・
そう思って、目を瞑っていると・・、サクサクと芝生を歩いてくる足音が聞こえて、そっと目を開けるとレイト君が立っていた。
「あれ・・?騎士団から帰ってきたの?」
「・・・ああ、つーか、ヨダレ」
「ええ?ヨダレ出てた??」
慌てて口元を拭くと、「嘘だよ」と笑われた。
天才、いい性格してるよ・・。じろっと睨むと、気にせず私の横にどかっと座る。
「そういえば、手紙はちゃんと届いたの?」
「ああ、届いた」
「良かったね。私も頑張らないとなぁ〜・・・」
「・・十分、やってると思うけど」
レイト君は、真っ直ぐ前を向きつつ、そう呟くから・・、なんというか照れ臭くなって思わず俯いた。
「ありがとう・・、レイト君も手伝ってくれるから・・、助かってるよ。あ、いや、むしろ助けられてばっかだね」
足元の芝生を、混ぜるように動かしながらそう話した。
く・・、て、照れ臭い!!
なんで、こんな照れ臭いんだろ。あ、二人きりだと照れるのか!誰かいれば、平気かな??ちょっと顔を上げると、ミスクさんが中庭に面した廊下を歩いていて・・、声を掛けようとするとレイト君が思いっきり寄りかかってきた。
「お、重い・・!!!」
「お前、ほんっと飯食ってる?大きくならねーぞ」
押し返そうとするけど、重くてびくともしない!!
クッソ〜〜!!当たり前だけど、体格では勝てない!ニヤニヤ笑うレイト君を見上げて、睨んでおいた。




