凡人、初給与!!
結局、早退した日は丸っと一日爆睡してしまった・・。
うーん、やっぱり疲れが出たんだろうな・・。
今朝は体も随分と軽く感じる。
ミスクさんが部屋を訪ねに来てくれて、私の顔色を見ると「昨日よりいいわね!」って笑ってくれた。
「昨日は、仕事が立て込んでて・・様子を見てあげられなくてごめんね」
「そんな・・大丈夫だよ〜!レイト君も心配して見送ってくれたし!」
「・・見送った・・?」
「あ、うん、騎士団に行くついでだって・・」
ミスクさんは、静かに笑顔になって私に頷いた。何故笑顔・・??
「うん、うん、りつは人の心を溶かす名人ね〜!」
「う、うん・・??そうかな?」
何故かミスクさんに頭を撫でくりまわされた。
「お給料は、今日モーリスさんが渡すって言ってたから、お楽しみに!ご飯は食べられそう?」
「食べる!!で、出勤します!」
そういうと、ミスクさんはにっこり笑って一緒に台所へ行った。
朝食を食べつつ、私を見ると・・
「服も、お給料入ったら買いに行く?可愛いの売ってるいい店、教えるよ〜」
「これはこれで、結構気に入ってるんだよね・・。なんか、可愛い服を来ている自分が想像できない・・」
「何言ってるのよ〜!20歳の乙女が!!」
「乙女って言っていいの・・?」
「それなら私はどうするのよ!25だって、まだ乙女よ!!ずっと乙女のつもりだけど」
ミスクさんの言葉に思わず笑ってしまった。
そうだよな〜・・、自分で似合わないかもって決めつけるのよくないよな・・。あっちでも、似合わないかもって思って着なかったけど、こっちの世界では好きにしてもいっか。
「・・じゃあ、今度お店、行ってみる・・」
そういうと、ミスクさんはニコニコして頭をまた撫でてくれた。
完全に乙女っていうよりは、子供扱いだと思う・・。
そうしてミスクさんと出勤だ!
仕事場に挨拶して入ると、みんな挨拶してくれる。
アル君は、私を見るなり駆け寄ってきて、
「体調、どうですか?大丈夫ですか?」
「ありがとう、今日はもう大丈夫。でも、昨日帰って休むよう言ってくれたおかげだよ、ありがとう」
そういうと、アル君はニコニコして笑ってくれた。可愛い!!!
話をしていると、モーリスさんが私を呼んで手招きする。
「おはようございます。昨日は急に休んじゃって、すみません」
「体調が悪い時は、誰でもあるし休むのは当然の権利だから、謝らんでいいよ。ほれ、給料だ。今月は特許も取れたからちっと色が付いてる。あとで封筒に入ってる書類にサインして、経理に持ってけよ」
ニヤっと笑って茶色の封筒を、私に手渡す。
初めての・・お給料・・。
こっちに来る前に、受け取る事が出来なかったお給料・・・。
じわじわと嬉しくなって、頬が緩むと、モーリスさんが面白そうに笑う。
「ま、初めて貰う給料ってのは、格別だよな」
「はい!!嬉しいです!!」
素直な感想を言うと、モーリスさんと、隣の作業台にいたパルクさんに笑われてしまった。でも、嬉しい!!わ〜〜何買おうかな!!ミスクさんにお返しもしたいし、アル君にも何か贈りたい。レイト君にも・・
は・・、レイト君・・。
そろっと振り返ると、レイト君はまだいない・・。
よ、良かった・・。
モーリスさんにお礼を言って、お給料袋をそっとカバンにしまっておいた。
アル君にも、「良かったですね」って言われて、私はまた頬が緩む。えへー!今日は一日中笑っていそうだ。
「あ、そうだ!りつさん、昨日カメラの素材でいいのを見つけて・・」
「うん、どれ?」
アル君が素材を出してくれて、顔を寄せた瞬間、
頭をぐっと後ろに誰かに掴まれて引っ張られた。
「いっだ・・!!ん、何・・?!」
振り返ると、むすっとした顔のレイト君が私の頭を掴んでいた。
いや、なんで掴む?!
不思議そうにレイト君を見ると、横の作業台でミスクさんが思いっきり吹き出していた。いや、なんで??




